テラーノベル
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※ストーカーの話が混じってますのでトラウマのある方は読まないでください。
※Jalousieはあれで終わっていいのか、続きを書くべきか未だに迷っています。
柔太朗side
最初は個人ファンクラブのコメントだった。
どこどこで見かけたとか、今日の動画はダメとか、共演者との距離が近すぎるとか…そんな感じだった、と思う。
仕事が終わって家に着くとスマホが震えた。
『非通知』
またか…とげんなりしながら無視していると今度はインターフォンが鳴る。
静かにモニターを確認するけど誰もいない。
今日も匿名の荷物が届いていた。
恐る恐る開けると少し前に俺が捨てた下着だった。
切り刻まれてベタベタした何かが付いている。
同封されていたメッセージカードには『お仕置き』と書かれていた。
思わず嗚咽が出た。
気味の悪いコメントがつくようになってから1ヶ月くらい経った頃から不定期で荷物が届くようになった。
『愛してる』
『ずっと一緒』
『離れない』
など定規で書かれた文字と一緒に花だったり、アクセサリーだったりぬいぐるみだったり、あとは爪や歯…髪の毛が送られてきたこともあった。
気持ち悪くて箱を持つ手が震える。
いったい誰なんだろう。
今日も顔を合わせたのだろうか。
どうして俺の家や電話番号を知っているのだろう。
周りの人が信じられなくなる。
怖くて電気をつけることもできない。
こんな毎日、いつまで続くんだろう…
部屋に飾ったメンバーの写真を見る。
初めてアリーナでツアーした時のもの。
みんなの笑顔がぐにゃりと涙で歪んだ。
…助けて……
不安で怖くて心細くて…
本当はメンバーに相談したかった。
けど、巻き込んだら迷惑をかけてしまいそうで、言えない。
穏やかな日常がどんどん蝕まれていった。
その日は朝から右の胸が痛くて、咳も出るし大きく息が吸えなかった。
生活できないほどではなかったし、家にひとりでいたくないから騙し騙しレッスンを受けてたんだけど…
❤️「柔ちゃん大丈夫?」
🩷「お前…咳止まんないじゃん」
💛「顔色悪いよ」
💙「寝れてんの?飯食ってる?」
激しいダンスに体が全くついていかなかった。
すぐあがってしまう息と熱っぽくて重い体。
額から汗が落ちる。
マネージャー「柔太朗、こっち来て」
メンバーが心配してレッスンに集中できないからとマネージャーに別室へ回収された。
37.8℃
高熱…とまではいかないけど、感染症だと仕事に影響しちゃうから念のため病院へ行くことになった。
…気胸(自然気胸)でした。
先生が言うには、肺がちょっと破れて萎んじゃってるらしくて。
『イケメンがなる病気だよ』って言われたけど…ちっとも笑えなかった。
本当は入院して安静にして酸素を吸ったり、管を入れたりするらしいんだけど…
俺の場合初めてでまだそんなに肺が萎んでないからギリ入院しなくてもいいらしい。
でも結局、1週間安静にしてまた病院に受診しないといけなくて、その間の仕事はキャンセルになった。
「…すいません、迷惑かけて」
マネージャー「こればかりは仕方ないよ。ゆっくり休むのも仕事だと思って」
申し訳なくて涙ぐむ俺の頭をポンポンと撫でてくれるから余計に泣けた。
メンバーからもチャットが次々と届く。
ちょっと元気になった。
今日はそのままマネージャーさんに送ってもらい自宅へ帰る。
色んなことがあったからうっかり忘れていた。
今、俺の家は安全じゃないってこと。
マネージャーに荷物を持ってもらい、部屋の電気をつけるとすぐにスマホが震えた。
マネージャー「柔太朗電話……て、何これ…」
「あ……と、これは…」
マネージャーの視線はシューズクロークの上に山積みになった宛名のない封筒や段ボールに注がれていた。
慌てて隠そうとしたら段ボールが崩れ落ち中身が散らばる。
拾い集めようとしゃがむと今度はポケットからスマホが落ちた。
『非通知』画面のスマホをマネージャーが拾い上げる。
…まずい、見られた。
マネージャー「…柔太朗。何か隠してるよね」
コメント
2件
ありがとうございます😭
メンバーじゃなくてマネージャーが気づく系初めて見た!最高っすね