テラーノベル
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夕暮れの校庭。
人影はまばらで、風邪が少しだけ冷たい。
真白「もう帰る時間?」
私が小さく言うと、横で黙ってたっていた黒名がすっと手を差し出す。
黒名「一緒、帰る」
言葉は少ないけど、いつも通りの穏やかさ。
その手を握ると、なんだか全てが安心に変わる。
歩きながら私は思う。
これまでの日常、全部。
ふざけて笑ったときも、ちょっと拗ねたときも、甘えてきたときも。
黒名はいつだってそばにいて、なんの見返りもなく支えてくれた。
真白「疲れたな」
ぽつりと言うと、黒名は少しだけ肩を貸してくる。
その距離のぬくもりが、胸にじんわりと広がる。
真白「….もう、ばかだな」
思わず笑ってしまった自分に、黒名は無表情のまま、でもほんの少しだけ口元が緩む。
それだけで、私の心はぎゅっと掴まれた。
空が茜色に染まる頃、駅の手前までくる。
別れ際、黒名は手を離さず、静かに見つめる。
黒名「……明日も、いる?」
真白「いる」
その一言に、全てが詰まっていた。
これまでの”距離を測るような日常”も、
これからの日々も、全部。
真白「じゃあ、また明日」
黒名「…….ああ」
手を振る妹の手を、黒名は軽く握り返す。
そしてほんの少しだけ、頭を撫でるように触れる。
その瞬間、私は確かに感じた。
どんな言葉よりも、どんな約束よりも、
ただ隣にいるだけで伝わる”いとしさ”が。
日常の中で積み重なった、この小さな幸せ。
それが、永遠のように思えた。
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