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黒名「…….まだ起きてる」
スマホ越しに落ちてきた、低い声。
真白「起きてる」
ベッドに寝転びながら、小さく答える。
時計を見ると、もうとっくに日付は変わってる。
真白「先輩こそ」
黒名「……起きてる」
当たり前みたいに返ってくる。
その”当たり前”が、なんだか少し嬉しい。
少しだけの沈黙。
通話は繋がっているのに、会話はない。
でも────
真白「…..ねぇ」
黒名「なに」
真白「話さないの?」
黒名「……話してる」
真白「え、今?」
黒名「…..今」
思わず笑ってしまう。
真白「どこが」
黒名「…..繋がってる」
その一言で、言葉が止まる。
ずるい。
そんなの、なんて返せばいいか分からない。
真白「眠くないの?」
話を変えるみたいに聞くと、
黒名「….少し」
真白「じゃあ寝なよ」
黒名「…..やだ」
即答。
珍しくて、少しだけ目を見開く。
真白「え」
黒名「…..まだいい」
その声が、いつもよりほんの少しだけ低くて。
たったそれだけなのに、距離が近く感じる。
また沈黙。
でも今度は、さっきよりも柔らかい。
向こうの呼吸が、かすかに聞こえる。
そんなことにときめいてしまうのだ。