.
いきなりの出来事に、私も齋藤くんもポカーーンとしていた。
サラリーマンに対して中学生がお叱りの言葉をかけていて
尚且つ、彼の後ろには先程からガヤガヤしていたであろう、仲間たちが立っていた。
やめろ、店で問題を起こすなて。
.
お前らそれあれだぞ、集団リンチ言いますねん。
.
「あ、えと、袋なしですよね、今すぐ袋から」
.
言いかけている途中
サラリーマンは袋の取っ手を掴んでは、一目散にコンビニから消えていった。
二度と来んなコノヤロウ。
そう考えながらも、納得言ってないような表情をする中学生。
マイキーって呼ばれてたな。
.
「えと、ありがとうございます。」
「人の話は最後まで聞けってじいちゃんが言ってた。
その人の最後の言葉になるかもしれないからって。」
「な、るほど…………?」
「悪ぃな店員さん、騒ぎすぎちまって。
おめェら、うるせぇぞ黙って選べ。」
.
どっちかといえば、怖い印象の方が強いのですが。
中学生ながらにして、こめかみに刺青の方が怖いと思うし、声大きし。
でも、悪くは無い子達。
.
「シンイチローにも買ってやろ。」
「イザナの分はいいのかよ。」
「イザナは知らねぇ、どーせ横浜巡りしてんだろ。」
.
「千冬、ペヤング2個買おうぜ。」
「え、半分こしないんすか!?」
「一虎とも半分こすんだよ、2個居るだろーが。」
.
「柚葉と大寿くんにはいいのか?」
「その気分じゃないって言われてどやされるから買わない。」
「買ってかなかった方が、めんどくせぇと思うけど。」
.
「パーちん、チャーハン電子レンジであっためられるやつあったわ。」
「どっちが高ぇんだよ、これ、うめぇ方がいいだろ。」
「高いから上手いって訳でもねぇぞパーちん。」
.
そうやって子供らしいと言うべきなのか
在り来りな日常のような話をする、その姿を見て、少し頬を緩ませてしまう。もちろん変な笑い方ではない、にこにこっとしたやつ。
そうか、まだ中学生だもの。
.
課題とバイトに追われている私とは正反対の世界を生きる彼らが
.
私にはたまらなく眩しかった。
.
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!