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リビングでは、亮がゲーム画面に向かって大声を上げていた。
「おい悠真! ほら今の見たか!? 神プレイだろ!」
「いやいや、ただの運だろ」
悠真が笑って返す。その笑顔を横で見て、咲は胸の奥がじんわりと熱くなる。
グラスにお茶を注いでテーブルに置いた瞬間、ふと視線がぶつかった。
悠真と目が合う。
ほんの数秒だったのに、時間が止まったみたいに長く感じた。
「……ありがとう」
小さな声で礼を言われ、咲は慌ててグラスを持ち直した。
「い、いえっ」
言葉が裏返り、亮の笑い声にかき消される。
けれど心臓の高鳴りだけは、誰にもごまかせなかった。