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地雷さんや苦手な方はそっと閉じてください
この作品はご本人様と何一つ関係ありません
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それでは楽しんでいってください!
弦月藤士郎さん視点。
いきなり体が持ち上がった感覚で後ろを振り向くと怒りを露わにした叶さんがいた。服からビリっと破けたような音が鳴ったのは気のせいじゃない。鋭くて長い爪が肩に食い込んで痛い。
『お前なんで旅行なんかしてんの?』
「えっ…あの、ごめんなさい。」
『今、謝れって言った?質問に答えて?』
威圧的に詰める叶さんを振り払って葛葉さんを庇うように間に入る。
〚叶さんこそなんで居るんですか?〛
『弦月さんは黙っててもらえる?』
にこりと笑って放たれた言葉は温かみを持っていなくて目も笑ってなかった。
〚こんな事しといて黙るわけ無いです!!〛
「弦月さん周りの人見てる💦」
焦ったように口を開いた葛葉さん。確かに周りの人はこちらを見ていて何人かが僕らの名前を出していた。ここじゃまずいかな。身バレとか色々と危険だ。
〚叶さん場所を変えましょう。〛
時間的にはホテルに入れる。そこで話をしよう。流石に叶さんも危ないと思ったのか舌打ちをしつつ頷いてくれた。葛葉さんと叶さんを隣にしないように真ん中に入る。震えている葛葉さんの手を見て大丈夫だよと伝わるようになるべく優しくほほ笑んだ。その後歩いている間は誰も話さなかった。そこにはただ重くて胸が張り裂けそうな冷たい空気しかなかった。
葛葉さん視点。
ホテルに入って3人で椅子に座る。叶が来てから弦月さんは絶対に俺と叶の間に入ってくれていた。叶が舌打ちしてるのも声に怒気が含まれているのも全部が分かって怖い。弦月さんも怖いはずなのに俺のためにしてくれるその親切だけで安心して泣きそうになってしまう。謝れば良いのか、なんで叶は大坂に来れたのか、なんで知ってるのか。色々な事を聞こうとしてなんども口を動かすけど出てくるのは声じゃなくて乾いた空気だけだった。
〚叶さんに質問があります。 〛
沈黙を破ったのは弦月さんだった。その声には迷いは無くてただひたすらに透き通っていてこの場には似合わない。
『僕は弦月さんに用事ないんだけど。良いから葛葉と2人で話をさせてくんないかな?』
〚それは出来ません。〛
『なんで?勘違いしないでよ笑。葛葉の恋人は弦月さんじゃなくて僕だからね。』
〚恋人でも叶さんでも危害を加える可能性がある以上は2人きりにはさせません。〛
『葛葉はどう?これが居て邪魔じゃない?』
叶に問いかけられてカチリと目が合う。目が合ったのはいつぶりだったんだろう。久しぶりに見た叶の目は相変わらず落ち着いたブルーグレー色だった。でも叶の首すじに付いたキスマとあの夜に嗅いだのと同じ知らない香水の香りもしていた。俺の好きな人、いや好きだった人が目の前にいる。
「邪魔じゃない、、、居てほしい。」
緊張で震える声と上がる息。情けないのと怖いので頭の中はぐちゃぐちゃだ。
〚大丈夫です、隣にいますよ。〛
「うん…」
〚改めて質問です。なんで叶さんは旅行の事を知ってたんですか?〛
叶さん視点。
弦月さんの態度は年上の大先輩に対するものとは思えないほど堂々としていてそれが僕をさらにイラつかせる。
『甲斐田に聞いた、それだけだよ。』
「甲斐田に…?」
葛葉が驚いて目を見開く。弦月さんの同期だからって伝えといたんだろうけど口止めまではしてなかったのかな。詰めが甘い。そう言う所が駄目なんだよな。使えない人のお手本みたいな感じ。
『逆に質問するけどさ弦月さんは葛葉の事好きなの?もしかしてセフレだったりする?』
嘲笑うように大きな声で言いながら指で輪っかを作って挑発する。弦月さんがこの挑発に乗ってくれば僕が勝てる。そう思ったのに彼の口から出た言葉はやっぱり何よりも堂々とそして愛おしさが込められた言葉だった。
〚そうですね好きです、葛葉さんの事。〛
はい!
ここまで読んでくれてありがとうございます
遅くなってしまってすみませんm(_ _)m
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以上きい。でした(*‘ω‘ *)
コメント
19件
最高の展開だ…!!!こういうの待ってました!この浮気性でクズの叶さんには地獄をみてほしいですね。続き待ってます!
初コメ失礼します!これはもう弦月さんルート確定なんでしょうか…?続き超気になります!!
続きが早く見たいけど、次の話どんなふうにするか とかで書くの時間かかりますよね、でもすっごくいい作品なので続きが出るまで待ち遠しいです!!