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br × sm
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sm視点
その夜、俺はシャークんとゲームをしながら頭の中ではずっと“あいつ”のことを考えていた。
同い年のはずの幼なじみ。まだ高校生。
それなのに仕事?紛れもなく彼は俺よりもお金持ちで、俺の家の何倍もある大きさの家に住んでいる。
そんな彼がなぜ、高校に行かず仕事をしているのか。俺には分からなかった。
shk「…スマイル、幼なじみのこと好きなの?」
sm「…ゴホッ、っ、は!?な、なんだよ急に!」
隣でゲームをしていたシャークんから、とんでもない発言をされてむせてしまった。
shk「いや、さっきから呼びかけてもなんか上の空だし、お前の得意なゲームなのに負けてばっかじゃん」
sm「それは…」
嫌いって言ったら嘘になる。でも、もう何年も会ってなくて、、
sm「ごめん、嫌な気持ちにさせてたなら謝る。でも、俺にとって幼なじみってそんな簡単に表せる人じゃないんだよね、」
俺は、親にも友達にも誰にも話したことがなかった幼なじみとのことを初めてシャークんに打ち明けた。
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あれは、俺がまだ小学生だった頃の話。
幼なじみの名前は「琉紅(るく)」って言って、お互いあだ名で呼びあってて、そいつのことは「ぶるーく」って呼んでた。
─じゃあお前のスマイルってのも?
うん。ぶるーくもシャークんと同じでゲーム大好きだったんだよ。小学生なんて外で遊べばいいのにさ、俺も外で遊ぶような人じゃなかったから、ずっとぶるーくの家に行ったり、俺の家に呼んだりして、ゲームばっかりしてた。
中学までは、同じ学校に一緒に登校して部活は違ったけどお互いの部活終わるまで待ってて一緒に帰ってた。
─仲良しだな
うん。すごく仲良かった。
でも、それを壊したのは俺。
─壊した?
中学二年の時だったかな。いつものようにさ一緒に帰ってたんだよ、ぶるーくと。そんで、いつものように公園に行っていつものように他愛のない話して、じゃあ帰ろうかって。
そしたら、ぶるーくが俺を引止めたんだ。そこで言われた。
「好きなんだよね、君のこと」
─告白ってこと?え、男だよね、幼なじみって、
うん。男。
─スマイルってさ、
待ってシャークん。ちゃんと話すから。
─…わかった。
俺は、ゲイでもバイでもない、いわゆる普通の恋愛観を持ってた。ぶるーくのことはただの幼なじみとしか思ってなかったし、もちろん、シャークんのことだってそういう目で見たことは無い。
その告白をされた時、正直すごく気持ち悪かった。
だから俺は逃げるように彼から離れた。だから親の元を離れて今の高校に通ってる。
だから、合わせる顔がないんだよ。会う資格がない。
でも…、会いたい。会って話がしたい。
─じゃあ、会うべきなんじゃないの?
そうだけどッ…、どこにいるか…
< ピーンポーン
そこまで話した時、家のインターフォンがなった。
現在時刻はもう既に日付を回っていた。
sm母「笑夢!ぶるーくくん、来てくれたわよ!」
sm「!?」
shk「いけよ」
sm「う、うんっ、ごめん、」
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ぶるーくと俺は場所を移して話をした。
いつもの、あの公園で。
br「も〜!帰ってくるなら言ってよ!!僕、びっくりしたんだからね!?」
そう、淡々と陽気な声で話す俺の幼なじみ。でも、その顔は全然元気がなくて、目の下にはくっきりクマがあった。
br「はい、アイス!食べる?」
sm「…もら、う。」
パキッと、アイスをふたつに割って、ひとつを俺にくれた。
コーヒーの風味がある、あのアイス。
俺が、子供の頃ずっと食べてたアイス。
br「すまさん、元気だった?あれ?僕たち話すの中学以来?そりゃそうか、懐かしいね〜」
彼が一方的に話す。
当時のことを思い出すかのように思い出話を話した。
“あのこと”は避けながら。
br「僕ばっか喋ってごめんね?久しぶりに会えて嬉しくてさ!」
仕事の疲れなんて吹っ飛んじゃった!
そんなことを言いながら彼はヘラヘラ笑った。
sm「…ねぇ」
br「うん!なに?」
sm「……、し、…」
仕事何してるの?なんで、仕事なんてしてるの?何か、辛いことでもあったの?
今、付き合ってる人はいるの?
聞きたいことはいっぱいある。でも、全部言葉にできなくて、気づいたら俺は目から涙が溢れた。
br「…僕がさ、中学の時すまさんに告白したの、覚えてる?」
sm「…っ!」
br「僕、本気だったの。いや、違う…。」
そう言うと彼は俺の腕をグッと引き寄せて、彼の胸の中に収まった。
sm「ちょ、ぶるっ、」
br「僕、本気だよ。」
普段の彼の声からは想像もできないような、低く真剣な声で俺の心のうちに響くように言った。
br「僕、ちゃんと高校行ったんだよ」
br「もう、忘れなきゃって、会えないんだって、ずっとっ…、」
br「…気づいた時にはもう遅くて、勉強どころか学校に行けなくて仕事始めた」
sm「…っ、お、俺の、せい…、」
br「!ち、違うよ!」
俺のせいだ。これで確信したよ、ごめん。
夜の静かな公園のベンチに座りながら、二人の間を冷たい風が流れた。
俺の横でBroooockがあたふたしてるのが分かる。
ずっと、分かってたんだよ。“言わなきゃいけない”ことくらい。
あの時の返事。ちゃんと言うから。
これで許してもらえるなんて思ってないけど、長年待たせたことに変わりは無いけど、ちゃんと。
sm「〇〇〇〇〇〇。」
コメント
2件
個人的には↓↓↓ バッドエンドです。