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mtp(今回の登場はomrさんのみ。)
3話ほど続きます。
R描写有
「……若井、今日も帰れないって」
スマホの通知に、ため息がこぼれる。
仕事が忙しいのはわかってる。でも、ここ最近、ずっと。
顔を見ていない。触れてもらってない。
我慢しなきゃ。そう思えば思うほど、余計に若井の手が恋しくなって。
こんな夜は、眠れない。
「… っ も 、 いいよね …? 」
ベッドに潜って、抱き枕を抱きしめる。
その位置を、若井の腕の代わりだと錯覚して──
下腹部に手を這わせてしまう。
「若井……」
ささやくように名前を呼んで、そのまま、指先で下着の中に触れた。
「ん っ 、く ゛っ ♡」
軽く擦っただけなのに、びくりと震える。
溜まっていたものが、すぐに反応する。
「……ひとりじゃ、やだのに……♡゛」
指先でそっと扱きながら、もう片方の手を脚のあいだへ。
その奥を、ゆっくり押し広げてみる。
「ふぁ゛っ……や、あっ……♡ ちょ、っと ゛……きもち、っ♡」
ぬるっと入った瞬間、反射で声が漏れた。
自分の中が、若井を求めてる。
忘れられない、あの奥まで届く熱と、深さ。
「っわか ゛、わかい ッ……♡ や ぁ ゛っ 、ん ぅ ゛っ♡」
自分で動かすたび、甘く痺れる。
でも、ひとりきりの温度じゃ、足りない。
「ねぇ、若井……さわってよ、や ゛ っ……そこっ……♡」
仰向けのまま腰を浮かせて、さらに深く押し込むと、ビクッと痙攣した。
「う ぁ゛っ、あっ♡ ゃん ゛ 、んん っ……♡゛ 」
何度も声を押し殺すけど、無理だった。
喉が熱くて、抑えきれなくて。
「わかい ……、すき……すきだよ……っ♡゛」
呼びかけるように名前を重ねて、
そのたびに、身体が熱く跳ねる。
「っんあ゛っ、くぅ……♡ や、っ、きもち、ぃ……♡」
自分の指じゃ、どうにも届かない場所を、
それでも必死に、なぞるように探して。
「…っ あ ぁ ゛ ッ♡ 若井の、じゃないと…も……っ♡」
途切れる息、くぐもった吐息。
頭の中に浮かぶのは、若井の笑顔。
焦らすみたいにキスを落として、意地悪に囁く声。
「……ひ ゛ ぁ 、っ ♡ …… むり … 、っ ゛」
すっかり熱くなった内側に、ぐっと指を曲げて擦った瞬間、
声にならない喘ぎが喉からあふれ出た。
「ん゛っ や、っあ 、゛ あ っ♡ だ、め……でちゃ ゛……♡ んっ、ん ── ッ ♡ ゛ 」
腰が浮いて、びくびくと震えながら、絶頂にのまれる。
「ひろ 、 と ゛ っ…♡」
涙が滲む。気持ちよかったはずなのに、ぽっかりとした喪失感が押し寄せてくる。
指を抜いて、濡れた太ももをシーツで隠しながら
そのぬくもりの足りなさに、喉の奥がきゅうっと締めつけられた。
「… っはやく かえってこいよ 、… ばか っ 」
返事はない。
でも、思いだけは確かに残っていた。
その夜、僕は声を押し殺して、名前だけを何度も呼びながら、
夢の中でも、若井を探し続けた。