テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ゲスト
50
37
くらげ。
274
3. 佐伯イッテツ
戦いの厳しさは、驚くほどあっけなく世界に馴染む。
任務の最中、地面に横たわる佐伯イッテツの視界は、混濁していく意識の中で壊れかけていた。致命的な打撃を受けたその身体からは次第に力が失われ、冷え切ったコンクリートの上に倒れ伏している。
無機質な足音が聞こえる。
それは敵の足音でも、味方の駆けつける音でもなかった。地面の裂け目から這い出てきた黒い蟻の群れ。彼らは倒れた存在を「ただの物質」として認識し、整然とした隊列をなしてその場を通り過ぎていく。
感情も、哀悼もない。
それがここでは、あまりにも正当な「処理」だった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!