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全生徒及び教職員の避難している体育館の入口の物陰に隠れながら<カルマ>が体育館内に侵入しないよう辺りを警戒する翠恋と瑠征、その二人は忍び寄った<カルマ>により攻撃を受けそうになっていた

二人:「!?」

かなりの至近距離、近づいてきていた事に気づけず身構える事も出来ないまま攻撃を受けてしまう、その瞬間<カルマ>がぼろぼろと崩れた

翠恋:「<カルマ>が・・・・・」

瑠征:「く、崩れた・・・って事は!」

「あーほんっと厄介に巻き込まれるなお前ら兄弟」

男の声、そして見覚えのある狐の面、赤い長髪、未だ素顔を見た事は無いが秋夜で間違い無さそうだ、「厄介に巻き込まれる」全くその通りだ、初任務では黒月は犯人の術によって確保されて結果的に捕まえられたから良いものの厄介であったし、加入試験では<カルマクラン>が乱入して来ていたし、頭痛に襲われた時も<大罪>のチェインが医務室へ侵入して来ていたし、そもそも連合に入るキッカケになった事件でも暁が重症を負った、だからこそのセリフだろう

秋夜:「まぁまぁ増殖して行ってるな、怪我は?」

翠恋:「無いですけど~・・・」

瑠征:「あっ兄さん達は!?兄さん達も<カルマ>と戦ってて・・・!」

秋夜:「そっちには翔が行った、お前らのとこの次女も」

驚きながらも助けられた事に感謝する二人だが、まだ安心は出来ない、<カルマ>は蔓延っているし、秋夜が幾ら強くとも守られるだけなのは負担になってしまうのでは無いかと考えてしまう

そう考えている間に秋夜は自分の霊式具である長槍を構えた

ー黒月sideー

黒月:「クッソ!多すぎんや!しかも増えとる!!」

襲撃から何時間まだ叫びながら張り合っている、だが既に家庭菜園用の支柱は折れ素手で応戦中だ、賀樂の支柱はギリギリ折れていないが結局折れるのは分かっている、しかし戦いながらである為、注意力散漫になりがちだ

賀樂:「そろそろ避けんのしんどい」

黒月:「んなもん俺に言うな」

二人の背後から隙を付き攻撃を仕掛けようとする<カルマ>が居たが何者かの手によって防がれた

翔:「お前らは罪寄せパンダか・・・?意味わからん量居るが・・・」

いや知らねぇよ、と悪態を付き気を引き締め直そうとしたが、翔が話している間にも<カルマ>が襲いかかってくる為、引き締め直す時間が無い、それもその筈、この化け物達にとって三人は霊力の多いご馳走、この好機を逃すわけがなくガンガン我先にと襲いかかっては翔が薙ぎ払い数を減らす為に二人から離れた瞬間に素早く化け物は休むことなく襲いかかる

だが瞬きする数秒でその猛攻は止められた、翔を含めた三人の周りのカルマ>はもう一人によって燃やし崩される

暁:「家族を傷つけるなら全部、燃やしてあげる」

翔:「(半径3m程燃やした奴が何言ってるんだか)」

ここが草原ならまさに焼け野原だっただろう、この後「量が多すぎて御札投げるの面倒」と物理に走ったものの矢張り打撃や蹴りは体の節々に痛みが来る訳で「腕と足に痛みがじわじわ来る」と文句を言っていた、翔は翔で刀で戦っているが鞘からは抜いていない、来る途中に何故鞘から抜かずに戦うのかを暁が聞いたら「抜くのが面倒臭い」と一言で済まされたらしい、だがそれでも充分な強さを誇っている

翔:「さっさと終わらせるか・・・」

刀を鞘から抜かず構え抜刀のアクションで衝撃波を放ち詰め寄る<カルマ>を一掃、残った<カルマ>は暁が焼却し事なきを得た

ー学園 上空ー

「えー?なーにあの子!一掃しちゃったじゃん、鳳凰の宿り人もやったけど」

「何だあの小僧、千は居ようかと言う数から増殖もさせたと言うのに」

つらつらと文句を言いプンスコしている性別不明の奴となんか良く分からないけど怒ってる奴、宙に浮き独りでに会話している異様な光景である、その後は「まだ様子見だからまたお祭り騒ぎしよう」と言う正体不明の人と常時怒っている人物と言っていいか分からぬ奴が、まだ暁達が知る由もない事態を引き起こすかもしれないなんて、本当に知る由もない

ー暁達sideー

その頃集合した七人は黒月と賀樂の

秋夜:「・・・で、助けも呼ばず二人でこの土壇場をくぐり抜けようとしたと?」

黒&賀:「・・・はい」

秋夜:「避難の誘導やらしたのは良いとしてやる、でも傷だらけになってまでやる事じゃ無かったのは分かってるよな?」

黒&賀:「・・・はい」

絶賛お説教中と言う光景を見学している、確かに助けを呼ぶでもそのまま隙を見て逃げるでも出来たはずなのにそれをせずただ戦って怪我を負う、正義感としては最もだがそれで助けられていては世話ないのだ、その説教を聞きながら、暁はあの時掛けられた言葉を思い出す

「偽善は身を滅ぼすぞ」

翔に言われた言葉、その言葉は暁の心に良く刺さった、胸の内に”どうする事も無い想い”を抱きながらただ覚えている、それが己を苦しめている訳でも否定している訳でもない事を理解していながらただ静かに

「家族だけは必ず、守る」ただそれだけを思う

秋夜:「反省は?」

黒&賀:「・・・してます」

「良し」と説教は終えて言った「次<カルマ>絡みで何かあったら隙を見て呼べ」と、翔も秋夜もお節介焼きなんだろうなと翠恋、瑠征、暁は思った、言ったら本人達は否定するのだろうが

それでも暁にとってはあたたかい人に思えたから

翠恋:「あの二人は元気ね~あそこまでボロボロになって生きてるんだもの」

ゆるい口調で眺めている翠恋を横目に同じく眺めている翔と暁は会話する

翔:「て言うか・・・お前戦えるけどもう大丈夫なのか・・・?」

暁:「んー、ノーコメントでお願いします」

そう言って糸目の少女は笑っていた







ー次回 <大罪>達の円舞曲ー

ーTo be continuedー




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