注意事項
地雷さんや苦手な方はそっと閉じてください
この作品はご本人様と何一つ関係ありません
コメントをする際には批判ではなくアドバイスをしてください。
それでは楽しんでいってください!
葛葉さん視点。
カタカタとキーボードの音が響く。俺は今、絶賛残業中だ。これが中間管理職の辛いところだと思う。上司から任された仕事と部下が失敗してやり直しになった仕事を1人でやらなくてはならない。こんな事なら出世はしたくなかったなぁ…。でももっと頑張れば上に行ける。そうしたら職場でも社長に会えるんだ。そう思うとキーボードの音も嬉しそうなメロディーに聞こえてきた。チョロいし女々しくなったけどこれが社長のせいならそれすらも嬉しいと思えるほど大好きだ。
「ふぅ……。疲れた。」
かれこれ3時間は仕事をしていて時刻は11時をとっくに過ぎていた。目薬を指しながら社長の事を考える。今は何をしてるんだろう。ご飯食べて寝たのかな。社長は料理下手だからカップラーメン食べてたりして。なんか朝に作っておくべきだったかも。
「カフェオレ買おうかな。」
流石に眠いからカフェインを摂取しとかないと。そう思って後ろを向いた瞬間、優しく温かい何かに包まれた。
「っ!?」
驚きすぎると声が出ないのは本当だったらしい。叫び声も小さな声も出なかった。
『葛葉さんお疲れ様です!』
「えっ!社長なんでいるんすか?」
びっくりした。痴漢とかかと思った。抱きついて来たのは俺の彼氏兼会社の社長の加賀美ハヤトさんだった。
『大切な彼女を1人で会社には残しませんよ』
「じゃあ今までずっと会社に?」
『勿論です✨️会いに来るのが遅くなってしまって本当にすみません。』
どや顔で言ってくる社長の目には隈が出来ていた。俺のためにわざわざ残っててくれたのか。なんか申し訳ないな。
「社長、わざわざごめんなさい。」
『謝らないでください。私が勝手にしたことですから。あと2人きりの時はなんて呼ぶんでしたっけ?』
「………ハヤトさん///」
『んふふっ、はい!ハヤトですよ。』
「知ってますよ///」
立ち話もあれだからと社長室に連れてこられた。ここならソファーもあるし仮眠も出来るし私もいますからってそれはもう自信満々に。
『残りの仕事も片付けますか!』
仕事するんだ。別にしなきゃいけないのは分かってるけど甘えたい気持ちもある。それに私もいるんだからって言ってたから甘やかしてくれるのかと思ったのに。普通に仕事をするんだ。確かにココアは入れてくれたけどそうじゃなくて。
「あの、ハヤトさん?」
加賀美ハヤトさん視点。
葛葉さんが残業をしている噂を聞きつけて会社に残った。中間管理職なのもあって色々大変なんだと思う。私の権力で上に上げようとしたらそれはだめだと断られたのは最近の話だ。真面目で頑張り屋さんな葛葉さんを見てると愛おしいし自分もさらに頑張ろうと思える。良い存在で大切な彼女だ。そんな葛葉さんが遠慮がちに口を開いた。
「あの、ハヤトさん?」
『はい。何でしょうか?』
「今から仕事するんすか?」
『しますよ。残業中なのでね。 』
恥ずかしそうに聞く彼を見て全部を察してしまった。可哀想だけど葛葉さんから甘えてくることはほとんど無いからちゃんと口で言ってほしい。意地悪かも知れないな。
「だったら…ちょっとだけで良いから///」
『はい、なんですか?』
「イチャイチャしたいというか甘えたいと言うか///だめですか?」
私の方が背が高いため自然と上目遣いになる。不安そうに揺れる瞳と赤くなった頬が可愛らしくてそっと抱きしめる。今度はきちんと正面からで。
『葛葉さんは本当に可愛いですね。じゃあ2人で休憩しましょうか。』
「葛葉です!」
いきなり拗ねたような口調になった葛葉さんに驚いて目を見開く。甘やかしているのにだめなのだろうか。ハグは嫌いなのか?
『どうしたんですか?葛葉さん。』
「だーかーらー。俺の名前は葛葉です!」
『知ってますよ?』
なんだろう。知らないと思ったのかな。葛葉さんは天然だったのか。それはそれで良いな。可愛い。
「違うんです…俺もハヤトって呼ぶからハヤトも葛葉って呼んでほしいんですよ///」
『そっか。察しが悪くてすみません。』
声がつい甘くて丸みを帯びる。でもこれは仕方がない。こんなにデレが多いのは初めてなんだから。しっかり堪能しておかないと。
『じゃあ葛葉。イチャイチャしよ?』
「ほぇ。タメ口まで///」
『良いかなって。恋人なんだからさ。』
「ッ〜〜///」
体中が赤く染まった葛葉さんの顔にキスをしようとしたら止められた。やっぱり会社じゃだめか。防犯カメラに葛葉さんの可愛いお顔が写っちゃうしな。私だけが知ってる方が良い。
「そういうのは家に帰ってから!」
『よしっ。死ぬほど早く終わらせて見せますよ!!』
恥ずかしがっている葛葉さんと私のバソコンからさっきまでと比べ物にならないくらいに早いキーボードの音が響いた。
はい!
ここまで読んでくれてありがとうございます
kgkzとgkkzは正義ですよ。皆さん沼に来てください。
以上きいでした(*‘ω‘ *)
コメント
7件
初コメ失礼します! kgkz良いですよね!でも、作品が少ない...。 めちゃくちゃ最高でした!