コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
4
街の賑やかな中央通りを通りぬけ、軒並みの家々の閑静な住宅街を越えて、やがて中央の人波が次第に見えなくなるまで進み歩んだ場所。青々とした草花が広がる大草原が辺りを包む、日本の街外れの静然とした風景の中にサイラスの小屋はぽつんとありました。
そこは国の賑わう中心とは違い、心を落ち着かせる自然の音しかしません。南からの風が、草花をそよがせる風音が耳に心地よく聞こえてきます。
その静かな街の中の辺境で、ガーデンは小屋にノックをしたりサイラスの名前を大声で呼んだりしましたが誰も出てきません。
クルミは小屋から一歩引いたところで様子を伺っていました。
しかし、小屋に来て二十分ほどした頃、ガーデンに疲れの色が出てきたのを察してクルミはその日、サイラスに会うことをしぶしぶ諦めました。
ガーデンは週に一度の機会ですからと続けようとしましたがクルミはそれを止めました。