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「でねでねー! そのとき源先輩はこう言ったの!」
「相手を無視してホームズをアツく語る新○みたいな話し方やめて?」
「『……次は落としちゃダメだよ? 僕はそこにいないかもだから……』って!! まさかの拾ってくれるの前提よ!? きっと源先輩は天使の生まれ変わりなんだわ…」
「人の話を聞きな??」
現在俺は、八尋さんに、源先輩が筆箱を拾ってくれたときのことを話されていた。
何? 嫉妬させたいの? あの人に??
謎に少しだけあの人に嫉妬心を燃やしていると、八尋さんは時計を見ると、ぎゃあ! と大きく叫び声を上げた。
ちょっと怖い。
「私今日七峰先輩とお茶会の約束してるんだった!」
「だ、誰……!? その七峰先輩って……」
「七峰桜先輩! すごい美形な人なの……! 高等部三年生なんだけど、本当にお人形さんみたいで……ほら! つかさくんがよく絡んでる先輩よ! つかさくん好きなんじゃない!?」
「つかさが? その先輩を?? ないな~い!」
つかさ──柚木司。俺の、双子の片割れ。
ちょっと可笑しなところもあるけれど、かなり可愛い弟だ。
俺のことが大好きで、あいつが俺以外を好きになるなんてあり得ない。そんなことあったら、ちょっと……いや、かなり悲しい。
……前、八尋さんにひっついて離れなかったのは、ちょっと腹が立ったけど。
何だっけ? 俺の反応が見たいとかだっけ?? 普通にやめてほしい。
それはそうと……。
「ダメだよ……そんな変な人とお茶会するなんて」
「え……? 何で……? あまねくん話したことないでしょ……変な人じゃないわよ?」
「死んじゃうかも。何か椅子に縛り付けられて」
「妄想!! 大丈夫よ、夏彦先輩も一緒に来るから」
「夏彦ぉ!?」
何その圧倒的な男! という名前は。
誰? 誰なの……? 夏彦先輩……? え、変な男じゃない?? 急に告る変人じゃない?(大正解)
急にリ○カする病んでる人じゃない……??(大正解)
……いや、夏彦先輩がどういう人かっていうのはどうでもいいんだ。
それよりも、八尋さんが俺の知らない人と絡むってのは、かなり心配だ。
急いで、八尋さんを止めようとした。
「八尋さん……! お茶会はやめに……」
……って。
「いな──」
「いねぇ!! どこ行ったんだ!! 八尋さんの奴!! ……って花子じゃねぇか!!」
「いや誰~?」
そこに居たのは、何故か傘を手にしている、何かアツそうな金髪の少年。
ギラギラとした笑顔は何だか少年漫画の主人公のようで、見てるこっちまで距離を置きそうになる。
いや、それに花子って何……?
色々とツッコミたいところが満載であるが、取り敢えず名前を問うてみることにした。
「え~と……君は誰……?」
「冥土の土産に教えてやる!!」
「お~。自分から死亡フラグ立てちった」
「オレの名は!」
少年が自分を指さすと同時に、デデンという効果音が聞こえてくる。
幻聴だ。ヤベー。
「高等部一年生!! 源光だ! 好きなように呼べ!!」
「じゃあ少年で……。っていうか、『花子』って何……?」
「お前のあだ名だ!」
「何をどうしたらそうなるの!? 俺女の子じゃないんだけど!?」
「お前の話は八尋さんから聞いてある……とんでもねぇヤベぇ奴だってな!!」
「おーい……」
ダメだコイツ全然人の話聞かない。皆聞かないな八尋さんもこの子も。何なんだコイツら。
源光……か。聞いたことは、勿論ある。だって俺は、とんでもないほどにあのお菓子が好きなのだから。
「君は……源家の人間だね……? ……確か源家は、日本にドーナツが伝わってすぐに、ドーナツ店を建てたらしい……。君はその末裔だな……?」
「……そうだ。そして今も、ドーナツ店を経営している源ドーナツ看板息子とは、オレのことよ!!」
「そして、あの人……源先輩の、弟さんだね?」
「あぁ! そうだ!! ……花子!」
突然手にしている傘の先を俺に向けると、唾を吐くかのごとく、大きな声で叫んだ。
え、俺は悪役ですか?
「今日はこれくらいにしといてやるが、八尋さんに何かしたら祓ってやる!」
「……? ………………??」
「覚悟しとけよ!」
そう言うと、少年はガハハハと爆笑(?)しながら、教室から飛び出していた。
何だったんだ。祓うって何? 俺って妖怪だったの……??
「気にしなくてい~よ~! あいつ、ただのクソダサ中二病交通ピアスだから」
「えぇ……」
また、キャラの濃い子が出てきたようだ。
影が薄いのか、声をかけられるまで気付かなかった。
その中性的な、男の子か女の子かも分からないその子は、ピンク色という目立つ髪色をしていた。しかも、その前髪で片目が隠れている。視力悪くなりそう。
「今度は誰……?」
「黙れイカレクレイジーナイフ」
「!?」
「僕知ってんだからね!! お前がその懐に包丁隠し持ってること!!」
「いや、それは何か知らないけど弟が毎日学校へ持ってくるから、俺が懐に隠すだけで……」
「その包丁で脅して僕にアレなことするんでしょ!?」
「!?!?」
「エ○ビデオみたいに!! エ○ビデオみたいに~!!」
その後も、その中性的な子(男の子らしい)は、俺のことを罵り続けた。
星オタクやら、メンヘラやら、陰キャやら。
最後のに関しては特大ブーメランな気がするけど。
俺のことを罵り疲れたのは、その子は肩ではぁはぁと息をしていた。
「エエッとぉ~……大丈夫……?」
「……自分がクレイジーナイフでないことを証明するためにつかさくんを使うなんて最低……」
「え……? つかさのことが好きなの……? ……同性愛者……」
「違うし!! あんなシンプルサイコパスのこと好きになるはずないんだからね!!」
「大丈夫大丈夫……。愛の形は人それぞれだから……」
「……このぉ!!」
その後も、その子による罵りは続いたのでした。