テラーノベル
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休日のショッピングモール。
悠真は人混みに少し肩をすくめながら、雑貨店の前で立ち止まった。
(……クリスマスに咲ちゃんと出かける。何も用意しないなんて、ありえないよな)
店内に並ぶアクセサリーや小物を眺めながら、胸が妙に落ち着かない。
プレゼントを選ぶのなんて、久しくなかった。
それも、相手は――大切な人。
「……気に入りそうなの、見つけられるかな」
小さく呟きながら、ガラスケース越しに目に留まったのは、シンプルなデザインの小さなペンダント。
控えめだけれど、どこか咲の雰囲気にぴったりだと思った。
(似合う。……絶対に、似合う)
胸の奥で熱いものが広がっていく。
彼女に渡す瞬間を想像してしまい、思わず苦笑した。
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