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rtttなのですがほとんどrbとttの絡みになってしまいました…(cpではないです!)それでも良い方はどうぞ
「あー、僕最低な事しちゃってたんだなぁ‥」
ライとマナから指摘された日の夜。イッテツは今までの自分の行動について振り返っていた。
「これからはマジで気をつけよう。リトくんに嫌われたくないし」
そんな時、ほしるべから連絡が届いた。
「明日は一緒に登校しませんか?」
お互い家が近いとはいえ、毎日同じ時間に登校しているわけではなかった。気分によったり、偶然時間が被ったり。そういう時ぐらいしか一緒に登校しない。
イッテツは明日いつもより早めに起きなきゃな、と思いつつ「いいよ!」と連絡を返した。
そして寂しくため息をついく。
「るべくんとの関係も考え直さなきゃだなぁ……」
次の日の朝
「おはよーう!!」
「…おはようございます……」
はち切れんばかりの大声で玄関前に立つほしるべに挨拶をすれば、うるさそうに耳を抑えながら返事を返してくれた。
「久しぶりじゃない?一緒に登校するのって」
「まぁ最近色々ありましたからね〜」
歩き慣れた道を2人で並行しながら歩く。昨日あんなに悩んでいた事もすっかりイッテツは気にしていないようだった。
「あ、今日も放課後家来ません?」
「え?行きたい!」
「また親が珍しいお菓子送ってくれたのでそれもあげますよ」
「あー、るべくんの親まだ海外飛び回ってるんだっけ?」
実はほしるべの親は日本にほとんどおらず、海外からお金やお菓子、たまに良くわからない置物なんかを送ってくるのだ。
なので基本家に遊びに行ってもほしるべしかいないのが普通だった。
「そうですよ。今は…どこにいるかわかんないんですけど。送られてきたのはピンクのお菓子でしたね」
「えぇ、ピンク?汗」
なんのお菓子なのかあまり想像がつかなかったがまぁ美味しいだろう。それにイッテツは変わったお菓子に興味があるので、そういう物に触れられるのはありがたかった。
それからお菓子の話で盛り上がっていると学校についた。
早速ロッカーに荷物を置き1限目の授業へと向かう。
「そういえば1限目実験じゃん!楽しみ〜」
「持ち物とかなかったですよね?」
「え?多分…汗」
ほしるべとの登校ばかり気にしすぎて授業の内容なんてすっかり忘れていた。まぁなんとかなるだろうと考えながら実験を行う教室へと向かおうとした。
「ねぇ、キスしましょうよ」
ほしるべに止められなければ。
その頃実験室
「なぁ、テツとほしるべ遅ない?」
「まぁすぐ来るんじゃね」
イッテツとほしるべと同じクラスのマナとロウは中々教室に入って来ない2人を心配した。
「あと3分もないで?」
「いや、まだ8分くらいあるだろ」
時計を見れば授業開始まで約8分か7分はあるようだった。けれど教室にはほとんどの生徒が集まっている。
「今日は実験やから5分前には集まらなあかんねんで?知らんかった?」
「…知らなかったわ。危ね」
「てことは2人共忘れとるだけやなこれ」
いつも遅いロウが奇跡的に5分前にいることに感心しつつ、このままだと2人が間に合わないことを確信した。
「はぁ、、電話かけてやるか」
「だな」
マナはイッテツに。ロウはほしるべに電話をかけることにした。
「るべくん。これからは前みたいにキスとかはできない。ごめん」
「…え?どうしてですか」
イッテツはきちんと断る言葉をかけた。ほしるべはまさか拒否されるなんて思っていなかったようで驚いている。
「マナくん達にね、教えてもらったんだ。キスとかは好きな人とするものなんだって」
「…ふーん」
恐らくるべくんも知らなかったんだろうと思い、イッテツなりに説明してみることにした。
「ほんとにもう駄目?」
「駄目、、とかじゃなくて。その…」
「いいじゃないですか。誰も見てないんだし。俺達親友でしょ?」
「それは…そうなんだけど、、」
拒否するイッテツにほしるべはじりじりと近づいた。あともうひと押しもうひと押し、と。
プルルルルル、プルルルルル
その時ほぼ同時に2人のスマホから着信音が流れた。
イッテツはそれを救いのように思いすぐに応答をタップする。
「…小柳くんから?珍しいですね…」
ほしるべもイッテツにワンテンポ遅れて応答ボタンに指をかける。その瞬間隣から「えぇ?!?!」という大声が耳に入り思わず指が止まった。
「今日5分前に行かなきゃなの??汗やばいじゃん!」
「すぐ行く!ありがとうマナくん!!!」
そして急いで電源を切ったかと思えばほしるべの腕を慌てて掴んだ。
「遅れちゃうって!走ろう!!」
「ぇ、あぁ…分かりました汗」
2人は全力でダッシュした。
「はー、間に合ったぁ汗」
「速ぁ笑。ちょっとは遅れると思たのに。やるやん」
息を切らした2人はゼーゼーと呼吸しながらマナとロウのいる席に座った。
「まさかほしるべが忘れるなんてな笑」
「……どうせ小柳くんも忘れてたくせに」
「間に合ってんだからいーんだよ別に」
ほしるべはロウと軽く小突き合うと実験の為に長い髪をくくりポニーテールを作った。
それから数秒もたたないうちに先生がやって来て、予想外にも全員揃っていることを褒めてくれた。
昼休み
「それでさー、ギリッギリ間に合ったんだよねぇ」
「マジでヤバイじゃん。あの先生の授業で遅れた時俺超怒られたかんね」
「ライ経験済みやったか笑。テツとほしるべは俺らのナイスアシストのおかげで怒られずに済んだんやで」
「いいなぁ、テツは。マナに呼んでもらえるから」
「リトくんならフィジカルでどうにかできるでしょ多分」
「たしかに笑笑でかいメンズは羨ましい〜」
「でも赤城ってチャラそうで意外としっかりしとるから遅れたりしとるイメージないかも」
「カゲツはだいたい寝てるもんな笑今日注意されてるの聞こえてたぞ笑」
「なんやおおかみ!黙れ!」
「だはは笑カゲツくん口悪くなっちゃってるよ笑」
イッテツは久しぶりに全員揃っての昼ごはんでみんなとの会話を楽しんだ。
「………」
ずっとこちらを見ているほしるべの視線には気づかないふりをして。
放課後
「テツー」
「あ、リトくん!」
昇降口で靴を履き替えていると後ろからリトが近づいてきた。どうやらリトも帰るところらしい。
「なぁ、今から暇?」
「え?あー…この後は予定あるんだよね。何かあった?」
「あマジか。別に何かってわけじゃねぇけど今日もゲーセンでも寄って遊ばねぇかなって思って」
「予定あるならまた今度にしようぜ」
リトと付き合い始めてからここ最近放課後によく2人でゲーセンに行ってはを繰り返していた。まぁある意味デートのようなものだ。
「ごめんね、でもまた行こうね!」
「おう。じゃあな」
ほしるべ宅
「いらっしゃいませ〜」
「お邪魔しまーす」
朝ほしるべから聞いたピンクのお菓子を期待に胸を膨らませながら家にあがった。
部屋に入るとかなり甘ったるい匂いがすでに充満している。でも嫌な甘ったるさではなくて、どこか爽やかな匂いも感じた。
「ふふ笑気になってますね。早速開けちゃいますか」
「楽しみ〜」
ほしるべが透明な小さいバケツ型の容器を開ける。するとさらに甘い匂いは濃く広がりイッテツの鼻を刺激した。
「うわぁ、嫌な言い方になっちゃうけど凄く体に悪そうな見た目してるねぇこれ汗」
「ですね。まぁ食べてみますか」
ほしるべは容赦なく手でそのふわふわとしたクリームのようなものを掴みとったのでイッテツも真似るように手を突っ込んだ。
そして指についたピンクのクリームをペロリと舐める。
「あっっっっま!!!」
想像の1000倍甘かったので思わず叫んでしまった。
それを見てほしるべはフッと笑っている。
「でもコレ結構美味しいですね?」
「だね。すごい不思議」
甘くて始めて食べる味たが、どこかクセになるような。独特のお菓子だった。もはやお菓子なのか怪しいが。
まだかなり入っているので一心不乱にクリームを手ですくっては口へ運ぶ。
「美味しかったぁ。これ不思議だね」
「ですね。またあったら買ってもらおうかな」
もし買ってもらえるなら2つ欲しいな。なんて思いながらイッテツはふぅ、とため息をついてリラックスした。
その時、ほしるべがこちらをじっと見つめているのに気がついた。
「…僕に何かついてる?汗」
「はい。口にクリームが」
そう言って近づいてきたので恐らく指で取ってくれるのだろうと期待し、口をキュッと閉じた。
その瞬間唇の真横をほしるべがペロリと舐める。
「?!?!」
咄嗟に後退するとほしるべは寂しそうな目を向けてきた。
「嫌でした?」
「嫌ではない_けど」
未遂で終わって安堵しつつも、これはこれでアウトなのでは?と考えてしまう。
もしリトくんがされていたら許せるか、と言われたら許せないだろうから。
「ねぇ、ほんとにキスはもう駄目?」
「うーん。駄目、、かなぁ汗」
今までは受け入れていたくせに今更拒否するのも申し訳なかったがこれは仕方がないことなのだ。
「ハグは?」
「…は、いいかも?」
確信が持てず曖昧にそう答えるとほしるべは勢い良くこちらに抱きついてきた。
「わ、っ汗」
「ふふ笑イッテツ暖かいですね」
ほしるべは心臓の音でも聞いているのか、胸に耳を当てながらそう言った。
そして顔をうずくめながら話を続ける。
「イッテツは俺のこと好きですか?」
「うん。そりゃ好きだよ。親友だと思ってるよ」
「愛してますか?」
「うん、愛してるよ」
ほしるべはこうやってよく仲の良さを確かめるような質問をしてくる。そして毎回のようにイッテツはそれを肯定する返事をした。
こう言えばほしるべは満足した表情になるし、何より自分も本心からそう思っていたから。
「ずっと俺の事愛していて下さいね」
そう言ってほしるべは再びイッテツを強く抱きしめた。
それから数日間、ほしるべは毎日のようにイッテツにぴたりとくっつくように側を歩いた。
イッテツがリトと2人でいようとしてもお構いなくだ。
キスをしなくなったとはいえこれもこれでよくない。流石のイッテツもどうにかしなければいけないと思った。
なので思い切って提案することにした。
「あのさ、これから少し距離…置かない?」
キスは当然しない。それからハグなどのスキンシップも基本NG。家で遊ぶこともしばらく無くして、隣にいる時間は減らす。
当然イッテツにとってほしるべは親友なので、できればこんなことをしたくなかったが、流石に最近距離が近くなりすぎている。苦肉の策として提示したのだ。
「イッテツって最近ほしるべと仲悪ぃの?」
「え?」
休み時間中、ボーっと窓を眺めているとロウが珍しく話しかけてきた。
彼のイメージといえば、1匹狼のように1人でいるイメージと、ウェンくんに絡まれている不憫なロウきゅん、としてのイメージが強いだろう。もちろんみんなで昼ごはんを食べているときは流れで話すことはあるが、2人きりで話すことはあまりない。
「別にるべくんと仲悪くなったとかはないけど?」
「そっか。ならいいけど」
心配していたのだろうか。少し安心したような表情を浮かべている。思わずどうしたのか気になって聞いてしまった。
「るべくんに何かあった?」
するとロウは少し暗い顔になりながら、それを隠すように下に視線をそらした。
「アイツが最近イッテツが冷た〜い。ってよく呟いてるから。聞いただけだ」
「あー、、寂しがってた?汗」
「まぁな」
なんだかそれを知ると少し申し訳ない気がしてきた。
「でも、仲悪くなったわけじゃねぇなら安心した」
「うん。そういうのじゃないから大丈夫だよ」
するとロウは聞きたいことを聞けて満足したのか、その場に立ち上がりどこかへ向かって歩いて行った。
「また昔みたいに戻っちまったのかと思った…_」
そして去り際にそう呟いた。
「えっ」
「…昔?」
イッテツの疑問は、もう距離のあるロウの耳には届かなかった。
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続きます