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何回も言いますけどリメイクだけでこんな神作品作れます⁈
ふわっとした感覚。霧がかかった世界。
あそこは何処なのか、全くわからない。でも、
あの日、あの場所で、
世界最強の能力なるものを授かったのは事実だ。
みんなと別れて、誰もいない事を振り返って確認する。よし。
みんなには、言えていない。迷惑なんてかけたくないし。
思い切ってドアを開ける。黒板消しが降ってくる。まあわかっていたのだけれど、
引っかからないと殺される。
ってわかっているから。
モブ〔おはよ〜wあんた今日はなーんかブッサイクな顔が余計悪くなってるわね〜w〕
失礼だな。本当に失礼だな。
『あはは…そうですよね…』
モブ〔あー!わかったぁ〜wあんた今日も周りの奴らに何も言えなかったんでしょ〜?w〕
違う…みんなは関係ないのに…
『…違うし』
モブ〔なんか言ったかぁ?〕
『いえ何も…』
モブ〔殴るな〕
その瞬間殴られる。しかも力強く。自分は崩れ落ちる。周りはクスクス笑っているだけ。
『あはは…これで…いいんだよね…』
その様子を、陰から見ている1人の男がいた。
《おらふく〜ん》
〈しっ‼︎静かに。今、結構ヤバそう…〉
《え?あ、おんりーがっ…》
殴られて、笑っているおんりー。そして、クスクス笑う奴ら。
本当に…このクラスは狂っている。そう直感で思った。
《え、助けに行った方がいいよね?絶対に。》
〈一回証拠とか作って、突き出せる様にしよう。〉
そう。証拠があれば、先生も親も警察も教育委員会も動かせる。だから、いつでもこいつらを突き出せる様にしよう。そう思ったのだ。
《賛成。ドズぼんにも伝えてくる。》
〈ありがと!じゃあまた後で、早めに屋上来て‼︎〉
《わかった。》
そう言ってmenは急いで階段を登っていった。
屋上。おんりーには用事伝えて、いつもの中庭ではなく、屋上で話し合う事に。
「おんりーがいじめられているって聞いたんだけど、本当⁉︎」
〈はい…なんか教室で全員の前で殴られて、本人は笑っていて、他の人もクスクス嘲笑っていました…〉
「そっか…どうすれば…」
《とりあえず、録音とか録画とかしながら探っていきましょう。》
【賛成。何かあったらLINEしよ。】
そういって、足早に中庭に戻って行った。
魔法…かぁ。誰もいない中庭で、さっと学ランをめくって腕を出す。
そこには、ポピーの花の紋章が描かれている。
これは魔法が使える証である。
『あ〜あ。魔法、ここで使えたらな。』
思わず呟く。
まぁ、言ってしまえば俺は“世界最強”だ。お飾りに過ぎない称号だけど。
空を見上げる。
『母さんが空で喜んでくれるのなら…俺は世界最強であり続ける。』
そう決めたから。
魔法を使いたい…けどね。
忘れもしない、小学生の時。走って小学校を出て、病院に向かった日。そして医者に告げられた言葉。泣いて泣いて暴走したあの空。テレビ局や新聞社の鬱陶しいヘリの音。警察官の声。憎いほどに晴れた空。
今でも鮮明に記憶に残っている。
あの時から、俺は魔法を一切使っていない。もう怖くて使えない。
あの時の自分は、“母親の為”に1人の人を殺め、建物を破壊し、大人に逆らった。
でも、その時の“母親の為”はただのエゴに過ぎない。そして、おそらく母さんもこんなことは望んでいなかった。
あの日から、使おうとすると目眩がする。母さんが止めているのかな。
屋上。クラス全員が目の前に居る。自分は、1人。
モ ブ〔お前、ここから飛び降りろよ。〕
『いやです…』
モブ〔はぁ?じゃあみんな〜!こいつ降ろそうぜ〜!〕
周りに人が集まってきて、羽交い締めにされて、落とされそうになる。
嫌だ。死にたくない。思わず右手首を見る。紋章がチラッと見える。
使うしかないの…?でもっ…
〔おんりー…楽しく…生きてね…〕
母さんの声が頭をよぎる。小学生の自分を思い出す。解放…かぁ。
母さん、ごめん。俺、楽しく生きられていないな。
だから…一瞬だけ…魔法使わせてね。
『wing』
宙に浮くと同時に、翼が生え、羽が少しだけ散る。
この感覚。そして、快晴の空。まるであの日と同じだ。母さん…俺さ、久しぶりに魔法使ったよ。昔はさ、俺が競技で大技を出すと、褒めてくれたよね。喜んでくれたよね。
あの日から、魔法使えなかったけど、使えたよ。
本当に、ありがとう。
心の中で呟く。
どういうこと…?
おんりーが空にいる。それも、翼が生えている。
幻覚か…?ただ、周りにいるおんりーのクラスメイトの表情が、それを否定する。
全員が唖然としている状態で、おんりーは太陽の方を向いて、言葉を放つ。
『母さん、久しぶり。また、あの頃みたいに魔法使ったよ。母さんに褒めてもらいたくて魔法を使っていたのを、今でも覚えているよ。』
『あの日…まぁ、8年前はごめん。俺の勝手なエゴで困らせたよね。』
『俺さ、あの日から、怖くって魔法使えなかったんだ。』
『母さんも守れなくて、感情的に人を…罪人を殺して。』
『弱いよね。こんな虐められてさ。』
『でも、また魔法で人を殺めてしまうのが怖いんだ。』
そこで言葉に詰まる。涙が、一筋の雫となって零れ落ちる。
まるで、孤独で、とても弱いけれど、とても美しい心を持った彼のように。
2155文字とか何をどうしたらこんな文字稼ぎができるんだ。