「なあ。俺と一緒に溺れよう」
「なんで?」
「別に、どうでもえーやろ 」
「ああ。いつものね。」
「なんやねん。いつものって」
「教えんわ。」
「そんなことどうでもええやろ?」
「行くならはよ行こうせ。」
「もう、外は真っ暗だよ」
2人は一緒に真っ暗な空を見上げる。
「ああ。そうだな 」
2人はいっせいに駆け出した。
あの駅まで。あの海まで。
電車に乗るといつもより格段に人が少なかった。
まぁ。真夜中だし 当たり前だよな。
「あ、この駅だ。」
「降りるか。」
よいしょっと声を出しながら重たい腰を起きあげる。
瞼を擦り目を覚ます。
さあ。いよいよ海に着いた。
「寒。」
夏とは言えどここは北の方だから寒い。
「いこー」
あいつの手を取り海岸の方へ突っ走る。
「「せーの!」」
ザパーン!!
とても激しい音を立て2人は海に飛び込んだ。
毎年夏休み前恒例の2人の海ジャンプ。
これやったら先生にいつも怒られる(笑)
けど楽しいんだよな。これが1番。
砂浜の方から2人は上がった。
「あ。やべ」
「どした?」
「着替え持ってきてねぇ」
忘れ物多めの樹がボヤく。
「はぁ?」
樹のこのアホっぽさに呆れる湊。
「いや、まって。」
「俺も忘れたわ…」
2人は顔を見合わせる。
すると笑いが込み上げてくる。
俺の一番の友達。
一緒にいるといつも楽しい。
一生涯ずーっと一緒にいたいな…
無理だろうけれども。
でも俺は本気で一緒にいたいんだ。
どんな手をつかったとしても。
…次の日…
「お前たちはなんで反省しないんだ!!」
「本当に呆れる。」
夏休みとは関わらずに職員室に呼び出す先生。
ま、当たり前だよね。海ジャンプの次の日は絶対に先生に説教の刑。
樹は窓の外を見て全然反省してねーけど
湊は一生懸命話を聞いて反省してんのか…?
毎年のことなのに湊は真面目すぎる。
俺、あいつそーゆうこと好きじゃない。
「ごめんなさい。次からはもう′しません。′」
湊が発する一言に樹はハッとする。
俺、もうあいつと飛び込むこと、できないの?
「いや…だよ。」
先生がこっちを見て首を傾げる。
「おいお前、どうした?」
「そんなの、嫌に決まってるだろ」
先生に嫌悪な顔を見せる。
すると樹は湊の腕をがっしり掴み、職員室から逃げ出した。
「痛いって、樹」
湊が言う言葉も気にせずに校舎を飛び出す。
人っけの居ない所まで2人で走ると樹は言った
「お前は、俺の事嫌いなん?」
「…え? 」
突然の樹の言葉に呆然とする湊。
「どういうこと?」湊の頭ん中はそれでいっぱいだ。
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