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カタツムリになった日には
私は今コンクリートを食べている。しかも小さい。手足の感覚はないただ、気持ち悪い音を出している。姿を見ることはできていないけど、多分カタツムリか、ナメクジだろう。
一旦聞いて欲しい、整理したい。コンクリートを食べていたら、前世記憶を思い出した件について。私は多分女とし生きていて、大量の血、雨、水たまりの場面から大量出血によって死んだことが連想される。今はオートで動いている。動かしたい時はある程度動かせる。そのまましんでう死んで生まれ変わりたいのだけど、もうちょっとこのカタツムリもしくはナメクジ生を楽しんでみようと思う。死に方もわからん、海に行けば溶けて死ぬかもしれんけど、果てしない道のりだ。
そう思ってから体感10時間くらいで現実で立ってる時間は多分10分。なぜそんなことがわからなかって?それは小学生男児が子供番組の歌を3曲くらい歌ってたから。私はこの男児につかまれている。反射的に引っ込もうとしたから、私がカタツムリであることが確定した。どうなるのかドキドキしていると小学生の大きな口と歯が見えた。まさか!?やめろ少年!カタツムリには寄生虫がいるんだぞ!と思うにはもう遅い、からが歯に噛み砕かれる音が聞こえて意識が途絶えた。ごめんよ少年。まじ終わった。
それからまあ私の意識が浮上すると同時に白い天井がみえる。なんだろう。夢を見ていたのかな。体を起こし、見渡してみるとベットにいて、多分病院。なんだ、生きていたのか。そしてベットから降りようとして、下を向くと手足が小さくなっていた。おかしいと思って窓を見て自分の姿がうっすら見えた。知らない男児になっていた。衝撃で動けない、そうしたら、
「たいと!」
女性の声が聞こえる。
「起きたのね、心配したのよ?体は大丈夫?」
「あ、あの、」
「お医者様が言うにはね」
「あの、誰」
「え?」
「だから誰?」
混乱とこうしといた方がいいと言う打算も含めて出た言葉。
夢だと思いたい。私はカタツムリからカタツムリを食べた少年になっていた。
その後は慌ただしい日々、自分ではないあの少年として過ごす。この子の両親はこの子がカタツムリを食べたショックで記憶喪失だと思っているようだ。医者は「もう少し昔の時代だったら君後遺症も残ってた大変なんだよ。」「もうカタツムリなんて食べちゃダメだからね?」なんて言ってくる。私の時代より最先端な気がする。時代は何年なんだろう。私が死んでからどれくらい経っているのか。今は、メンタルや体の状態を経過観察中。少年が食べた自業自得なんだと思いたいけど、こんな子供が知ってるわけないしなぁ、なんて考えて罪悪感を感じてしまう。少年は死んだのだろうか。もしかしてまだいきていて中で眠ってるなんて、そんなことであって欲しい。夜な夜なそんなことを考えて涙が出てきて。ベットでこの子のお母さんに抱きしめられ慰められてもっと涙が出てくる。なんで私がこんな思いしなくては行けないんだろう。死にたいけど、この子のためにも死ねない。こんなことならカタツムリのまま車にでも轢かれればよかったのにな。涙が枯れた頃にようやく意識を手放した。罪悪感と寒気が合わさった体に見合わないぬくもりに抱かれて。