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うちはお正月に母方の祖父母の家に親族で集まる。
親族というのはうちの家族、母の兄と姉のそれぞれ家族の三家族が、祖父母の家に集まるのが基本となる。
うちの家族は自分と父母、
母の兄の家族は男、女、女の三兄妹と父母、
母の姉の家族は女、男の姉弟と父母。
自分たち世代が学生の頃は、いとこ6人、各父母の最大14人の大人数が集まったものだったが、そのいとこたちが就職や結婚をしていくと、次第にそれぞれの用事で参加出来ないなんてことも増えていった。
そのうち結婚した いとこが旦那さんや奥さんを連れてきたり、そこに子供が生まれたりして、毎年メンバーが変動していたが、自分はカレンダー通りの休みに加え、独り身だったので毎年参加していた。
早くに生まれたひ孫も大きくなってきて、祖父母も大分高齢になり、毎年今年が最後かもね、なんて言いながら続いていた新年会だったが、自分はここ数年密かな悩みを抱えていた。
その早くに生まれたひ孫、自分のいとこの娘にとても懐かれているのだ。
これだけ聞くと微笑ましい話だが…
いとこの中でも一番年下な自分が、その子が赤ちゃんのうちから遊び相手になってあげていたことで、会う度に自分を見つけて遊んでもらおうと寄ってくる。
大人が多い中、遊んでくれる人間が少なかったせいもあり仕方ないのだが、中学生になり高校生になっても膝に乗ったりしてくる。
これが非常に困る。
もう体も大きくなり、女の子の体から女性の体になりつつある。
その子の親であるいとこの菜穂ちゃんは、自分の娘が叔父さんにくっついてても
「また来ててよかったね。ほら遊んでもらいな。いつもごめんね~」とか言って止める様子もない。
他の親戚連中も
「めいちゃんはいつも孝介にべったりだな」と微笑ましい風に見ている。
そう、この状況は自分以外にはなんの問題もなく受け入れられており、自分の苦悩は誰にも伝えられず、相談も出来なかった。
さて今年もこの新年会は開催されることが決まり、今日がその日。
はたして今年の参加者はどんなもんか。
その日、祖父母の家に集まったのは
うちからいつもの三人、
母の兄家族は揃って欠席(今年はハワイで過ごすそうだ。羨ましい✨)
母の姉家族は弟を除く三人と、菜穂ちゃんが娘のめいちゃんを連れて(旦那さんは仕事)参加し、
祖父母以外に7人という過去最少人数での開催となった。
今回、自分世代で唯一参加のいとこは
「旦那も仕事だし、今年は不参加にしようかと思ったんだけどさ、めいがどうしても叔父さんに会うって言うから来たのよ。悪いけど今年も面倒見てあげて」とこそっと言う。
「うん、それはいいけどさ…」
「じゃよろしく!」と言って台所仕事に合流していく。
ま、なんとかするか。それでめいちゃんは…
「お~いめいちゃん。明けましておめでとう」
「叔父さん!明けましておめでとうございます」しっかりとした挨拶をする。
今年はどこか落ち着いた感じもする。
自分だけがいらぬ心配をしていたようで恥ずかしくなる。そうだよな、高校三年生にもなってそうそうくっつかないよな。
とりあえず安心した。
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