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side九条里奈
自分に何が起きたのか全く理解ができなかった。
教頭「今年の漢字を決めてきました」
森「昼飯かけます?教頭の今年の漢字」
林「いっすよ、俺やりますよ」
花村「えー、今年もそのテンションでいくの?」
九条「うつぼ?」
その一言に私に視線を移した先生たち。
そして公になった今年の漢字。
教頭「ようやく出ましたー、今年の漢字は鱓ですね」
この心底くだらない出来事で私の疑念は確信に変わった。私は間違いなく1年前のこの日に戻ってきている。
森「え、やばくない?」
ぼーっとしていた私に森先生が声をかけた。
花村「変な運が回ってきたのかもね、だってほら担任クラスが…」
林「あー、D組ですもんね」
その声にハッとして生徒出席簿を開く。
林「毎年うちの学校もようやりますよね、分かりやすくも問題児ばっか最終学年にかためて」
その中にある1人の名前を見つめた。
『鵜久森 叶』
嫌な記憶が蘇る。
「こんなところに手がかりがある訳ないのに」
SNSを開いていたスマホを閉じ、少し溜息を吐いてそうつぶやき職員室を出た。
家に帰ってリビングの扉を開ければ居ないはずの夫がいた。
認めざるおえない、ここは一年前のあの日だ。
そして、私はこの1年後に担任生徒の誰かに殺される
いっそのこと夫に相談してどこか遠くへ逃げ出すべきか
けど果たしてこの状況が正しく伝わるのか、
それにすでに生徒が私に殺意を持っていたとしたら
例え逃げても………
唯一、間違いないことは
この1年に対して私は何か変える必要があるということだ