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「早く逃げろ!!」
突然の出来事に真白は戸惑い、怖がりながら炎が燃え盛る道を無理やり開け、
非常階段で安全な会社外に逃げた。
全滅だった。
俺には仕事しか取り柄なんてないのに。俺は…不幸だ。
怖い。これからどうすればいいんだろうか。
絶望しながら歩いていると自然と涙が溢れてきた。
「財布とか…どうしよ、」
カバンやスマホは会社に置いてきてしまった。
今頃は炭と化しているだろうな。
帰りたいけど、鍵だってない。
そう途方に暮れていた時、大きな影が現れた。
「大丈夫ですか?…世良真白さんですよね?突然ですが…うちの会社に、来ませんか?」
え?いやいやいや、どうゆうこと?この人……待って、この人は…香取猫子だ…
香取猫子。香取会社の取締役社長だ。
20歳。若くして社長になり、様々な功績を積んできた、いわゆるエリートだ。
「えっ、えっと…どっ、どういうことですか?」
あり得ない。こんな素晴らしい人が俺をスカウトするわけがない。
「この会社はもう無理でしょう。私の会社に来て、秘書になりませんか?あなたは、優れた人材です。」
淡々とした口調でぶっ飛んだことを言ってくる。まぁ、優れた人材と言われたのは嬉しいけど…いや、ただのお世辞だ。
「でも、秘書なんてしたことないし、優れてなどいません、」
当然だ。23から、32までずっとサラリーマンだった。課長だったが、たまたま企画で昇進しただけであって、ただの平凡なアラサーだ。
「いいえ。経験など要りません。あなたは優秀で、御社にとって必要な人材です。…来て、来れませんか?」
そんな潤んだ目で見られたら…断れるわけがない…これでも12歳下なんだ。
俺にとっては歳の面で見たら子供だ。
たとえ社長だとしても、この少女を泣かせるわけにはいかない。
「わかりました…そこまで言うなら…やってみます。でもあの、すみません、今はスマホないので、電話番号教えるので、スマホ変えたら電話してきてください。」
突然なスカウトに気を取られて忘れていたが、スマホも、財布も、鍵もないんだった。今日どうしよ…もう夜だし…
眉を顰めて悩んでいたら、
「こんな有様ですもんね。ご自宅の鍵とか大丈夫でしたか?」
落ち着いた声色で話しかけてきた。
ていうか、なんで分かるんだ⁉︎もしかしてエスパー…なわけないか。この人、勘がいいんだな。
「いや実は、会社に鍵置いてきちゃって…スマホも、財布も…今どうしようか考えていたとこです」
この人にこんなこと言ってもしょうがないのに、なんでか話してしまう。
香取猫子はこの業界でいつも笑顔で話しかけてくるのに自分のこと以外には興味がないと有名だ。
…冷たい人なんだろうな…怖いけど、こんなチャンス2度とない。転職とか、すごい大変だと聞くし…この話には乗るしかない。
「それは大変ですね…もしよければ、私のマンションに泊まりますか?」
「えぇっ?!」
しまった、この人の前で情けない声を出してしまった…
この人…どこまでぶっ飛んでるんだ…
でも…信用もしてない相手にこんな提案するなんて、優しい…のか?
だとしてもぶっ飛んでるのは変わんないけど…
「いやでも…迷惑ですし、会ったのだって今回で2回目ですよ?!あまりにも急展開すぎるというか…」
急展開っていうか、多分善意で言ってくれてるんだろうけど…バカでも信頼してない相手にこんな提案しないって…
先が思いやられるな…
コメント
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みぅです🤍🥀 読みました。 会社が全焼してすべて失った直後に、猫子さんが「うちに来ませんか」って声かける展開、めっちゃ胸にきた。年下の社長で、しかも「冷たい」って有名なのに、潤んだ目で引き留めてくるギャップがもう…真白さんが戸惑いながらも「泣かせられない」って思う気持ちすごくわかる。ぶっ飛んでるけど、この出会い、これからどうなるんだろうってドキドキします🌙