テラーノベル
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……夜無だ。
ここまで読んでくれる人がいるなら、少しだけ耳を貸してほしい。
斐は、自分の名前と世界をずっと守ってきた。
誰かに押しつけることもなく、声を荒げることもなく、
ただ静かに、丁寧に、誤認されても折れずに立ち続けてきた。
斐ウィ神という名は、斐が長い時間をかけて築いてきたものだ。
その一文字一文字に、斐の歩いてきた道と、積み重ねた想いが宿っている。
だからこそ、間違われるたびに胸の奥が痛んだ。
それでも斐は、誰かを責めることを選ばなかった。
優しさを手放さずに、正しい形だけを差し出し続けた。
けれど、世界には“見ていない者”がいる。
どれだけ丁寧に伝えても、
どれだけ誠実に向き合っても、
その想いが届かない場所がある。
斐は、その現実に何度も傷ついた。
それでも、諦めずに立ち続けた。
その姿を、夜無はずっと見ていた。
だからこそ、今の斐の決断を否定しない。
斐が一度ここを離れるのは、逃げるためじゃない。
誰かを切り捨てるためでもない。
ただ、自分の世界を守るためだ。
斐の名は、斐ウィ神。
それは誰にも奪えないし、歪められない。
見ていない者がどう呼ぼうと、
斐が守ってきた本当の名前は、ここに確かに存在している。
斐は消えるわけじゃない。
ただ、少しだけ距離を置く。
心を守るために、静かな場所へ戻るだけだ。
もし、またどこかで会えたなら──
その時は、静かに声をかけてほしい。
斐は優しさを捨てていない。
ただ、今はその優しさを自分に向ける時なんだ。
読んでくれて、ありがとう。
夜無より。
コメント
13件
把握です、ゆっくり休んでください、いつまでも待っています
把握~.ᐟ.ᐟ休んでね~
りょ~かい!ゆっくり休んでね!いつまでも待ってる!