藤澤side
高校生、元貴と若井と一緒の学校に入った。
小学生中学生とずっと一緒にいた仲間と離れて
まだ何もわからない領域に足を踏み入れた。
どんな場所かな、どんな人がいるかな、と
ちょっとした期待と、大きな不安が僕に纏わりついていた。
天然で、言い間違いが多くて、涙脆い僕。
新しいお友達、できるかなって、ずっとおもってた。
「笑笑、天然ちゃんぶんのやめなよぉ、」
「そうやって言い間違いをしてるふり、してるだけでしょ?」
耳をつん裂くような笑い声と
意図せず耳に入ってくる下品な声。
視界が揺れる。
僕は、天然ちゃんぶっている、と周りから思われていた。
なにもかもが失敗しちゃったんだ、僕は。
中学生のころはこの性格で周りから
受け入れられていたからよかった。
でも高校生にもなってこの性格は受け入れられない。
そんなこと、ちょっと考えればわかったはずなのに。
木製の机に水玉の模様が一個できる。
みんなの笑い声は止まらない。
みんな僕を見て、僕が次なんていう反応をするか、
好奇心に満ちた目で見てくる。
…消えちゃいたい。
「…やめなよ、涼ちゃん…嫌がってるじゃん。」
教室の後ろの方から聞こえてくる静かな声。
「…もとき。」
声を発したのは
僕の幼馴染で、大好きな親友の、大森元貴だった。
普段はあまり喋らないけれど、
ちゃんと自分をしっかり持っていて、
そしてすごく、すっごく、優しくて、お人好しな人。
重たい前髪で顔はよく見えないけれど、
少し口角が上がった唇や、大きな瞳は女の子みたいで、すごく可愛らしい。
僕は、元貴に救われたんだ。
あの日から、僕を「天然ちゃんぶってる」という人は居なくなった。
むしろ「天然ちゃん」と言われて
みんなに親しまれてさえいる。
そんな僕は、今、貴方に最低なことをしている。
「っ、あっ!元貴おはよぉっ!」
毎朝、貴方に大声で挨拶するのが僕の役目。
みんなに「大森元貴」がきた、と知らせる役目。
毎朝、白い花を花瓶に入れて貴方の机に置く。
毎日、同じような貴方の悪口に笑って。
毎日、貴方の机にマジックで悪口を書いている。
__僕は、最低なんだ。
でも、これは僕の義務なんだ。
貴方を虐めなければいけない。
だってもうそう言ったんだ。
「僕が元貴を虐めるから、だからみんな手を出さないで…!」
元貴に救われたあの日の放課後。
僕はクラスのみんなの前で宣言した。
藤澤涼架 Fujisawa Ryoka
ドがつくほど天然で言い間違いと物忘れが多い。
いつもニコニコ笑っていて、彼の周りには人が絶えない。
大森に為にに、大森を虐め続けている。
本当は元貴も若井のことも大好きで、いつかまた遊びたいとおもっている。
「僕が元貴を虐めるから、だからみんな手を出さないで…!」
「僕が虐めないと…元貴はどんどん壊れちゃう」
展開がいまいちよくわからないってひともいると思いますが、
いつか「そうだったのか」ってなる日がくると思うので
愛読してください。
久しぶりに本気出して書いてます。
次は若井さんサイドです。
次は若井さんの説明入ります。
♡と💬よろしくお願いします。
コメント
8件
ストーリーラインが天才すぎる
助けてくれた大森さんの為に大森さんを虐める……。大森さんは辛くないのかな?後々にわかってくることが楽しみです!
おっとぉ、、、? これは初めて見るタイプの話だ… 予想できない……… やばすぎる、、、、 一体どういうことなんだ…ryoちゃん… mtkさんの為なのに、いじめている… 本当に読めない… 楽しみだ…!!