⚠️ワンク⚠️
「Mr.シャーデンフロイデ」パロです。死ネタあります。バナナ擬人化、赤ちゃん成長表現あり。悪役気味てる子いる
それでもいい人は進め!!!
《ミスターマネーの視点》
本当にいきなりの出来事だった。
学校に来ると、死体となって発見されたミスターバナナが居たからだ。
ロン毛の髪を一つに括っていた緑色のゴムが外れ、周りに広がっている。サングラスも割れていて、活気を失った目があらわになっていて、見ていてとても見苦しかった。
何はともあれ、すまない先生からしたらこれはとんでもない異常事態。今すぐ教室に向かうと、やっぱりすまない先生は生徒を集めていた。
いつもは後ろに居たはずのミスターバナナも居ない。静かだな、とでも思いながら俺は席に着いた。
生徒が全員集まると、すまない先生は話を切り出した。
「みんな分かっているね? 誰がミスターバナナを殺したか話し合う。あれは絶対に事故ではない。胸元に穴が空いていたからな。ミスターブラック、あの穴はなんのものか分かるか?」
「今調べました。銃弾だと思われます」
ミスターブラックが自分のパソコンで穴を開けた物の正体を見せる。
確かにあの穴は銃弾のものに見えたな。だが、このクラスで銃を使うのはバナナだけ…。いや、ブラックも一応は使うな。
そんなことを考えていると、斜め後ろから「めんどくせ…」という呟きが聞こえてきた。
ミスターレッドの声だった。
ミスターレッドは短剣を使うから疑えないな。
そう思った瞬間、ブラックが呟いた。
「そういえば、いにしえに封印された悪魔が蘇り、誰かに憑くことがあるという噂を聞きましたね…」
「悪魔? バナナが死んだのは、その悪魔のせいってことか?」
ミスター赤ちゃんが茶色の髪の毛をかきあげブラックに尋ねる。茶色の目がすこしキランとした。
「えぇ。いにしえに封印された悪魔の怒りを買った者は悪魔に憑かれる、という噂もあります」
「じゃ、じゃあ…その悪魔の怒りを買った奴が、このクラスに居るってのか?」
「そういうことになりますね」
悪魔の怒りを買う。そんなことする奴はいないはずだ。いつも弟をからかうレッドだって、そんなことはしない。それくらいの理解は生徒全員にある。
「この中の誰かが…」
「バナナをあんな目に逢わしたのか…」
兄弟がまた呟く。呟きまで息ぴったりだなと心で笑ってしまった。
「悪魔だとか、そんなもの興味ないな」
いつもはこんなことを言うとバナナが後ろから撃ってくるが、今日はそれがなかった。
「誰なんだろうな?」
「悪魔など非科学的…」
「大丈夫だ! 僕がみんなを守る」
バナナには救いようがない。諦めるしかなさそうだ、と、生徒全員が思うと、何かが破れ、焼かれる音がした。それと同時に、バナナの遺体も炎に巻かれるようにして消え去った。
ミスターバナナ、脱落
《ミスターブルーの視点》
「次はすまない先生が殺されました」
ミスターブラックの言葉に、心が揺れ動いた。
次はすまない先生か…。一体、誰がこんなことをしたんだ?
「…っくく」
と、いきなり前の席から笑い声が聞こえた。兄貴の笑い声か?と思い、俺は前にいる兄貴に話しかけた。
「兄貴? 今なんか笑ったか?」
「あ? お前の空耳だよ。俺は笑ってなんかねぇ」
そうつっけんどんに返してきたので「そうか」と俺は答えるしかなかった。
ミスターブラックはすまない先生の死因を調べるだけ。先生が居なくなったため、教室は静まり返っている。
「はぁ…」
誰かがため息を漏らした。そりゃそうだ。昨日と今日だけで二人も殺されたから。
「不自然だよな、なんで悪魔はこんなことを…」
無視だった。この二日だけで、生徒は全員冷たくなってしまったのだ。
暫く沈黙状態が続いていた。だが、ブラックの言葉で、みんな一斉に顔を上げたのだ。
「夕方までには悪魔を吊るします。ここからは話し合いにしましょう」
《ミスターブラックの視点》
「夕方までには悪魔を吊るします。ここからは話し合いにしましょう」
その私の言葉で、生徒は全員顔を上げた。
「このままでも、犠牲が増えるだけです。悪魔は吊るさない限りは人を殺すはずです」
「正直もうやだな…おい、これ以上犠牲が出るなら俺が吊るされようか?」
「それは駄目だと思うぞ、銀さん。悪魔に憑かれてる者を吊らないと、銀さんの命が無駄になるだけだ」
「けど…」
「俺に逆らうな」
と、ここでレッドが声を出した。
「あの二人は確実に戻ってこないんだろ? だったらもう、俺らも死ねばいいんじゃないか…」
「というかミスター赤ちゃん。殺されたすまない先生の手には赤ちゃんの紋章の付いたワッペンが握られていましたが。なぜ居るはずのないあなたのワッペンが握られていたのですか?」
全員の視線がミスター赤ちゃんに向けられる。
「はっ!? お、俺はそんなこと、して…お、俺はやってなっ…!!」
ミスター赤ちゃん、脱落?
「わたしもこれで役目は終わりましたね」
ミスターブラック、脱落。
《再びミスターブルーの視点》
「…あれ? 銀さんは?」
下校の鐘が、沈黙の教室に響く。その時には、銀さんは教室から居なかった。どこに行ったんだという気持ちで辺りを見渡すと、兄貴が紙を渡してきた。
「銀さんは墓地で自殺した。これ残った手紙だ」
「…?」
兄貴が渡した手紙には荒っぽいが銀さんの字で『早く◯(救済)しに来て』と書いてあった。
「…兄貴は憑かれてないんだろ? そう信じたもん、俺。じゃあ、ミスターマネー、お前が…」
マネーは首を横に振った。
「俺はただの死体愛好者。死体しか愛せないだけ」
じゃあ殺したのは誰なんだ…?
「死体しか愛せないなんて…人間のそれじゃないぞ!」
「そうか? それなら俺を吊るしてみろ、全てが分かるぞ」
俺と兄貴はマネーに投票した。焼かれる前に一言述べた彼は、こう言っていた。
「俺が愛した死体はみんな……人、だったぞ」
マネーは炎に巻かれ消え去った。
ミスターマネー、脱落。
ミスター銀さん、脱落?
《ミスターレッドの視点》
苦し紛れの不条理、悪魔を遂に成敗した。
弟と勝利の杯を交わした瞬間、俺の弟は可笑しくなった。
「う”ぇ”っ…」
「安らかなまま眠れ」
ミスターブルー、脱落。
救われない世界で、俺と共に踊ろうよ。果たされない救済劇。
気休めのシャーデンフロイデ?
見果てぬ夢の中、襲撃! 最後の仕上げ(救済)?
ミスターレッド、脱落。
そして誰もいなくなってさ…
「また誰も救えないまま」
???、生存