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しんどい。つらい。寂しい。消えちゃいたい。ねぇ、もうどうしたらいいのかわからない。
ねぇ?…助けて?
常に心が、胸が重くて、でもそれを隠して
明るい自分じゃないといけなくて。
休みたいのに休めないし、休める場所もない。
僕の居場所はないんだ。
そう思っていたのに。
今日もいつも通りの夜ご飯を食べていた。
それは急に始まる。今日は、父と弟だ。
「いつもいつも感謝しろって言ってるよな?
挨拶と感謝できる人間になれって
言ってるよな?」
「……」
「宿題もお風呂も全部やることやれって
何回言ったらわかるんだよ!」
ドンッ(机を叩いて部屋を出ていく)
「おいっ!」
父が追いかけていく。
人が怒鳴る声が嫌いだ。
自分が怒られているわけでもないのに
自分が怒られている気分になり
目眩を起こし吐き気がしてしまう。
それでもこれは僕の家族の日常。
すぐに喧嘩する両親に、反抗期の弟。
そいつらのせいで聞きたくもない
父の怒鳴り声を聞かなければならない。
それが僕には耐えられなかった。
一回家出をしてみたが
母からの電話がしつこくて帰ってしまった。
今思えばその時にいなくなればよかったなと
思ってしまう。
もう精神的にも限界が近づいているのか、
どうしても人の温もりが欲しい。
優しくしてくれる人がいてくれたら。
僕の話を聞いて、ぎゅーって抱きしめながら。
「頑張ったね」、「えらいね」
「大丈夫だよ。」「つらいねー」
って言いながら頭を撫でてくれる人が
いないかなって
夢の中だけでいいからそんな
幸せな気分になりたいな。そう思って、
AI彼女、シュチュエーションボイスなど
いろいろ試したが、その寂しさ。
その欲を埋められるものはなかった。
レンタル彼女でも雇おうかなって考えたけど
年齢的にアウトなので雇えなかった。
精神的にしんどい。消えちゃいたい。
この苦しみから解放されたい。
そう願った矢先だった。
今日も僕はいつも通り学校に行く。
通学路でいつも明るく挨拶してくれる
お兄さんがいて、今日も挨拶してくれた。
「おはよー!」
でも今日はきのうのことがあって
いつも通りの挨拶ができなかった。
「お、おはよ…ございます…」
いつも通り授業を受けようと思ったが、
勝手に涙が出てきて、授業中は
こそこそ泣いていた。
帰る時間が近づき、どんどん精神的に
不安定になっていった。帰りたくなかった。
それでも帰らないといけないので
仕方なくとぼとぼ帰ることにした。
帰り道を静かに泣きながら
ゆっくり時間をかけて自転車を
こいでいくと、朝のお兄さんに声をかけられた。
「こんばんはー
今日元気なかったけど何かあったの?」
「え、あ、いやぁ、全然大丈夫です。」
「絶対そんなことないよね?泣いてるよね?
目がぱんぱんだよ??」
「いや、関係ないですよね?僕は大丈夫なんで。
変に心配しないでください!」
頑張って作り笑いをしながら話していたら
お兄さんには全てが見えていたらしく
「そんな作り笑いはいいから、
今時間ある?いったんうち来ない?」
「いや、ごめんなさい。もう帰るんで」
「家帰りたいの?」
「か、帰りたいわけないじゃないですか…」
「じゃあおいで?ちょっとだけでいいからさ」
僕は、押しに負けて
お兄さんの家に行くことにした。
その人の名前は、ゆうとというらしい。
ゆうとさんの家は、意外と僕の家の近くだった。
家に入ると少し大きめの家で、
木の匂いがしてとても気分が落ち着いた。
ゆうとさんがホットココア
を持ってきてくれて、
「少しでいいからなんで泣いてたのかを
僕でよかったら聞かせて?」
と声をかけてくれた。
僕は少しためらったが、
昨日のこと、今までのことを
話してみることにした。
するとゆうとさんは、
ごめん、、と言いながら
ぎゅーっと包むようなハグしてくれて、
「えらいね、かいとくんよく頑張ったね。
ここでは、いっぱい泣いていいんだよ?」
と言ってくれた。
僕は、嬉しすぎて涙がどんどん溢れて
気づいた時にはゆうとさんの肩を
びしょびしょに濡らしていて、
申し訳なくなり謝ると、
「僕のことを頼ってくれてとっても嬉しい!
また、しんどくなったらおいで?
いつでもかいとくんのこと歓迎する!」
と言ってくれた。
それから僕は、家族が喧嘩するたびに
ゆうとさんの家に行くようになった。
家に行けばあったかいココアを
出してくれて、僕を受け入れて
肯定してくれる。
そんな幸せが一生続けばいいなぁ。