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ばななそーだ🍌🍹
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最終章 真紅のバラが咲く日
「怪盗ローズの正体が判明した。」
放送が街中へ響く。
地下室にいた全員の顔が青ざめた。
おんりーはすぐに立ち上がった。
「まずい。」
「おんりー!」
ドズルが呼び止める。
しかしおんりーは首を振った。
「俺が行く。」
「またそれかよ!」
ドズルが叫ぶ。
おんりーは振り返らない。
「俺の問題だ。」
「違うだろ!」
「違わない!」
地下室に声が響く。
おんりーの目は真剣だった。
それはいつもの顔だった。
怪盗ローズの顔。
誰よりも強くあろうとする顔。
「俺が行かなきゃ終わらない。」
「だから!」
「みんなはここにいてくれ。」
ドズルは唇を噛んだ。
まただ。
また一人で行こうとしている。
せっかく本音を言ったのに。
助けてと言ったのに。
それでも。
おんりーは変わろうとしている途中だった。
その時。
ぼんさんが前へ出た。
「おんりー。」
「……。」
「お前さ。」
「?」
「仲間を信用するのってそんなに難しいか?」
おんりーは言葉に詰まる。
難しい。
怖い。
失いたくない。
その感情が胸を締め付ける。
「失うのが怖いんだろ。」
ぼんさんが言う。
「……。」
図星だった。
「でもさ。」
ぼんさんは笑った。
「俺らだって怖いんだぞ。」
「え?」
「お前を失うのが。」
静かだった。
だけど。
その言葉は何よりも重かった。
おらふくんも頷く。
「おんりー」
優しい声で語りかける
「……。」
「僕たちだって大切なんです。」
「え?」
「友達なんですよ。」
MENも前に出る。
「一人で行くな。」
友達
「……。」
「今度は一緒に行こうぜ!」
おんりーの視界が揺れる。
なんで。
なんでそこまで。
自分なんかのために。
その時。
ドズルが笑った。
「だってさ。」
「やっと見つけた友達だもん。」
おんりーの目が見開く。
昔のバラ園。
みんなで笑った日。
宝探し。
夕暮れ。
『また会おうね!』
あの日の約束。
1つの言葉だけど強い
ずっと忘れられなかった。
自分だけが覚えていると思っていた。
自分だけの思い出にしようと心にしまっていた。
でも違った。
みんな覚えていた。
ずっと。
忘れてなんかなかった。
「……。」
おんりーの目から涙が落ちる。
そして。
小さく頷いた。
「……一緒に来てくれ。」
四人が笑った。
『もちろん!』
その瞬間だった。
時計台の鐘が鳴る。
ゴーン。
ゴーン。
街の中央広場。
そこには既に大勢の人が集まっていた。
市長が演説している。
「怪盗ローズは危険人物です!」
人々がざわめく。
だが。
おんりーは知っていた。
この男こそ。
父を陥れた人物。
全ての元凶。
そして。
今夜。
決着をつける。
「行こう。」
五人は走った。
広場へ。
真実のために。
そして。
中央広場。
時計台の上。
怪盗ローズが姿を現した。
歓声が上がる。
人々が見上げる。
市長が叫ぶ。
「捕まえろ!」
警備隊が動く。
しかし。
おんりーは逃げなかった。
「聞いてくれ!」
広場全体に声が響く。
「俺は怪盗ローズだ!」
人々がざわつく。
「でも!」
おんりーは叫ぶ。
「盗みたかったわけじゃない!」
「父さんの真実を見つけたかった!」
広場が静まる。
そして。
おんりーは証拠を掲げた。
父が残した資料。
市長の不正。
隠された記録。
全て。
今まで集めてきたもの。
人々の表情が変わる。
市長が青ざめる。
「違う!」
「嘘だ!」
しかし。
その時。
「嘘じゃありません。」
おらふくんが前へ出た。
「僕たちも見ました。」
「俺も証言する。」
ぼんさんが言う。
「僕も」
MENが続く。
最後に。
ドズルが前へ出る。
「おんりーは誰かを傷つけるために戦ってたんじゃない。」
「ずっと誰かを守るためだった。」
静寂。
誰も喋らない。
そして。
広場のどこかから拍手が聞こえた。
パチ。
また一人。
パチパチ。
少しずつ。
拍手が広がる。
おんりーは目を見開いた。
信じられなかった。
あの日。
父は信じてもらえなかった。
でも今は。
違う。
自分は一人じゃない。
隣には仲間がいる。
信じてくれる人がいる。
それだけで。
世界はこんなにも違って見えた。
夜が明け始める。
東の空が赤く染まる。
時計台の上。
おんりーは空を見上げた。
風が吹く。
胸元の真紅のバラが揺れる。
昔。
母が言った言葉を思い出した。
『バラはね。』
『綺麗な花じゃないの。』
『棘があるでしょ?』
『傷ついても、それでも咲く強さの花なの。』
『だから私はバラが好き。』
おんりーは微笑んだ。
「そっか。」
やっと分かった。
バラの意味。
傷ついても。
苦しくても。
一人じゃなくていい。
支え合いながら咲けばいい。
時計台の下では。
ドズル。
おらふくん。
MEN。
ぼんさん。
みんなが笑っていた。
おんりーも笑った。
怪盗ローズの物語は終わる。
だけど。
おんりーの物語はここから始まる。
仲間と共に。
未来へ。
そして朝日に照らされた真紅のバラは、まるで祝福するように静かに揺れていた。
**― 完 ―** 🌹
(好評でしたらエピローグを公開します♪︎♪︎)
コメント
2件
かっこいい! めっっちゃ泣きそうになった!!
読み終えました……第5話、最終章だったんですね。まず「仲間を信用するのってそんなに難しいか?」というぼんさんの問いかけが胸に刺さりました。おんりーが「失うのが怖い」と認めるシーン、そして「俺らだってお前を失うのが怖い」と返される流れが本当に温かくて。一人で背負わなくていいんだと気づく過程にじんときました。真紅のバラが「傷ついても咲く強さ」の象徴だったという母親の言葉の回収も美しかったです。エピローグ、ぜひ読みたいですね。完結おめでとうございます🌹