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1910年代 フランス パリでカメラマンをやっているシャルロット。ある日全世界のカメラマンがアメリカのニューオリンズのラジオパーソナリティを撮ると言う企画があり上司に勧められてアメリカに1ヶ月出張になった。
シャットが撮るラジオパーソナリティは茶色い髪に赤いスーツハンサムでいかにもモテそうな雰囲気がある同い年の青年。名前はアラスター。上司が「同い年だから君でも話せると思う」と言われた。そしてアラスターと二人きりになった。
アラスター「Hello?」
透き通るとてもいい声だった。
アラスター「えっと…Do you speak English?」
シャット「…Yes」
アラスターは思った。低くて儚げな声でとても美しい声だと
アラスター「私はアラスター。あなたは?」
シャット「…シャルロット…です」
シャルロットはアラスターの声をすごく落ち着いて安心出来る声と思った。
そしてここからだった。アラスターがシャルロットに惹かれ始めるのは。
アラスター「好きな物は?」「仕事を始めた理由は?」「いくつ?」「好きなタイプは?」「恋人はいる?」
だんだん質問がエスカレートしても冷静に答えていく
シャルロット「歴史とか…」「父がやってたから」「18です」「ないです」「言えないです」
そしてシャルロットは少し冷たく
「あの…その…仕事中だし…プライベートはあまり言いたくないのですが…」
でもアラスターは遮り 「私は歌とか好きだよ」「私はラジオが好きだから」「同い年だよ」「君みたいな魅力的な人がタイプだよ」「恋人は今はいないよ。未来でできるよ」
察した。こんなにハンサムでいい声で優しい人は誰でも好きになる。彼は私のことを言い寄ったらすぐに堕ちる女だと思われてる。こういう男はいくらでもいる。
そしてシャルロットは「私の事…そんなに、気に入りましたか?」
「もちろん!あなたみたいな魅力的な人に出会ったことがないから」と笑顔で言う
「ふふっ笑」作り笑いのように笑う「あなたは面白い人ですね」
口角だけをあげて目は笑わない。アラスターはそこで察してしまった。今まで自分が口説けば誰でも好きになってくれる。でもこの女は絶対に堕ちない。言いよるだけでは。
アラスターは本気で彼女に惚れてしまった
そして毎日質問は続く
「どうしたら好きになってくれる?」「好きなお酒は?今度一緒に飲もうよ」
シャルロットは「…私たちまだ未成年なんですが…」
「じゃあ2年後にまた会おうよ。そしたら一緒に飲もう」と冗談混じりで言う。「…ならそこで教えてあげますよ」
次の日も
「趣味は?」「好きな有名人は?」「ラジオよく聞いてる?」「アメリカに来たの初めて?」「私のことどう思ってるの?」「過去に恋人はいた?」
と聞くでもシャットは
「読書です」「ルシファー」「聞いてないです」「はい」「足長いなと」「言いたくないです」と皮肉混じりで返す
アラスターも続けて「僕も読書好きだよ。今度おすすめの本教えて」「ルシファーか。いいね」「今度私のラジオ聞いてみて」「私はフランス行ったことないね」「私は君のこと綺麗だなと思ってるよ。足長いと褒められると嬉しいね」「私は恋人はいないよ」と言われる。
「あの…あんまりプライベートは…」と言葉を遮り「今度一緒に図書館に行こう」といつもの笑顔で言う。
「考えときます。」
そして撮影の時に
アラスターは座って原稿を読んでいる。その凛とした佇まいを撮る。そしてアラスターは「よく撮れた?」と聞く写真を見ると鏡では分からない自分の魅力に気付けた。「とても素晴らしい写真だね」と言う
シャルロット「元がいいからですね。」
アラスター「…君褒めるの上手いね」
次の日もまた次の日もアラスターはシャルロットに質問を続ける。そしてアラスターは少し諦めかけた声で「あなたが私に心を開く日は来ないかもしれませんね」と言うその声を初めて聞いたシャルロットは
「でも、この世界で1番あなたは私の笑顔を見てますよ」と慰めているのか冗談なのか分からないけど作り笑いではない心の底では笑っているように見えた。
そして出会って2週間が経った時
少しアラスターは焦っていた。あと2週間で彼女はフランスに帰る。絶対に彼女は番号は教えてくれないしフランスに帰ったらもう関わりはなくなる。その間に惚れさせたい。心の中で自分を思って欲しい。彼女を自分のものにしたい。と思っていた。
距離を近くしたり質問の内容も増やしてみる
「アメリカでいちばんスゴイものは?」「好きな国は?」「好きな動物は?」「いつも何時に寝てるの?」
そしてシャルロットは「ち、近いです……」
アラスター「嫌だ?」
シャルロット「…いえ、別に…」
脈ナシではないむしろあるとは思うけど分からない
アラスター「君と仕事仲間として関係が終わるのは嫌だよ」
シャルロット「…なんですか突然」
シャルロットは何も気づいていない。アラスターとの距離が近くなっていることに
そしてシャルロットの帰国1週間前
残り1週間しかない。進展は自分に気がないことはないとだけ分かった。ただ絶対に惚れさせれない。そして同僚にどうやったら惚れさせれるか聞いてみた
同僚「やっぱり寝取るのがいいんじゃない?」と提案してみると
アラスター「シャル…君を寝取るにはどうしたらいい?」
シャルロット「仕事中なので控えてください」
と冷たく言われた。距離が遠くなった気がするからとりあえず同僚を殺すことにする。
次の日
違う同僚から「弱みを見せたら母性本能くすぐられて好きになるんじゃ?」と
アラスター「シャル…最近あなたのことしか考えれなくなりました…」
シャルロット「知らないです」
また冷たい。同僚を殺そうと思う
そしてあと3日でフランスに帰ってしまう
そしてその朝
シャルロット「はぁッ…はぁ…すみません…アラスター…遅刻しました…」
アラスター「いいけど珍しいねどうしたの?」
シャルロット「夜まで…考え事してたら…眠れなくて…」
アラスター「考え事?」
シャルロット「あなたの写真…もっと撮りたくて…」
と息を整えながら言う
アラスターはその言葉がとても嬉しかった。
そしてアラスターは勇気を振り絞って
「あなたの写真を撮らして欲しい」と言い出した。
「え…?」と驚くシャルロットを見てアラスターは「あなたを忘れたくないから…」断ると思っていた…でも
シャルロット「いいですよ。カメラ貸すのでどうぞ。写真は私が印刷するので」と快く受けてくれた。
アラスターはすごく嬉しかった。シャルロットのカメラを貰いシャルロットを撮る。自然な笑顔で撮った。アラスターは写真に写る彼女を見てこの世界で1番美しいと思った。
シャルロット「写真は明日か明後日に渡すから待っててください。今日はお疲れ様でした」
アラスター「うん…ありがとう…シャル」
そして帰国の2日前
もう時間が無い…どうせ写真はくれないし何も進展はない。少し諦めかけてきた。そしていつも通りだと思ってた。けど
シャルロット「あと2日ですね。今から上司にあと1日伸ばしてでも言ってこようかしら…」
アラスター「え?なんで?」
シャルロット「今の彼氏よりあなたといた方が好きです」
アラスター「…そう…それは良かったよ。」
その言葉は嬉しかった。でも“今の彼氏”という言葉。恋人がいたことがとても悔しかったし嫌だった。
アラスター「じゃあフランスについたら彼氏と別れてくれるの?」
シャルロット「えぇ、そのつもりですよ。私はやはり人を愛せない」
アラスター「なら彼氏と別れたら私と付き合ってくれる?」
シャルロット「…えぇ、いいですよ」
予想外の回答にアラスターは戸惑ったが…
シャルロット「すみません冗談です…では少し帰国準備手伝ってくれませんか?」
アラスター「えぇ、もちろん」
冗談には聞こえなかった。いや、自分が冗談じゃないように聞かせたのかもしれない
帰国の1日前
いつも通りに日常が終わってしまった。そしてシャルロットの忘れ物を届けるためにシャルロットが泊まってるホテルに来た。そして開けようとすると…かすかに泣き声が聞こえた。声は絶対にシャルロットだった。
アラスターはその声は初めて聞いた。ドアの前で泣いている。帰ってきた時に部屋の奥に行く力もなくドアの前でもたれて泣いている。
ノックする手を止めた。絶対に人の前で感情を見せない彼女の泣き声を聞いてしまった。罪悪感というか…なんとも言えないもしかしたら自分にもう会えないから泣いているのではとも思ってしまった。
帰国当日
朝イチの飛行機に乗るつもりだから早めに出ると外にはアラスターが待っていた
シャルロット「ア、アラスター…?なんでこんな朝早く?」
アラスター「君を送りたかったんだ。さぁ乗って送ってあげる」
シャルロット「…ありがとうございます…」
車の中でもお互い静かだった。そしてシャルロットは信号で止まった時に胸ポケットから2枚の紙を取りだした。
シャルロット「アラスター…これ」
アラスター「?あぁ、君の写真か…もう1枚は…?なにかの番号?」
シャルロット「それ、私の電話番号ですが…よろしければ貰ってください。」
アラスターは戸惑う。
アラスター「え?いいの?」
シャルロット「いらなければ捨ててください」
アラスター「…ありがとう」
いつも以上の笑みで返すアラスター。シャルロットもそれに答えるように笑顔になる
空港に着くとアラスターは少し泣きそうな表情をするがシャルロットは「…電話してください…」と1粒だけ見えるか見えないかで涙を流して飛行機に乗った。