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知らない人からの監視

今日も始まった。昼勤で働いている妻がため息をつきつつダイニングテーブルでケータイを強くタッピングしていた。この動作は、私は今、ものすごく腹立たしいことに頭を抱えています。聞いてくれというサインだ。長年、いや毎日この謎の時間が待っている。しかもその反応をXに投稿するという仕打ちだ。「ウチの夫が~」とか、「職場の愚痴を夫に相談したら~」とか正直、この時間がとても苦手だ。私の職業はIT関係でずーっとデスクワーク。妻がいない間に家事を出来るというだけで全ての機材を家に移行させ、ホームワークに変更した。

そして、これだ。今までの鬱憤か、それとも元々ストレスを貯めやすいのか、私の気持ちを無視した悪口がXに書き込まれてあった。

『ウチの夫、デスクワークからホームワークに移行だってwウケるんだけどw無能ってこと?wウチのためって言ってるけどなんかやましい事でもあるのかなぁw?なんかウケるよね‪w‪』

私の想いを踏みにじるように罵詈雑言が書かれてあった。仕事人間だとか、人でなしだとか、恥晒しだとか⋯⋯浮気野郎だとか。


「はぁ、ねぇアナタ早く椅子に座ってよ?ほら、分かんないの?何年一緒に暮らしてきたと思ってるのよ。ほんと⋯呆れるわ。ほら、早く」

「あぁ、分かった。」

妻には私のアカウントを教えていない。教えた瞬間にこれまでの生活が乱れるかもしれないから。

「職場の人めんどすぎるwウチが可愛すぎてお酒何回もついでくんのだるくなぁい?」

「あ、あぁ、まぁ妻は綺麗だから⋯⋯」

「黙って聞いてて!!うるさい!!」

「あ、すまない⋯⋯」

「ふんっ!もういいわ、今日は職場で飲み会があるから晩御飯いらないわ!!」

「え?いら⋯ない?」

妻はアル中かと思うくらいにお酒を呑んでいる。結婚する前は優しくて面白い私の自慢の彼女だったのに。いきなりお酒を飲み始めて暴言暴力が耐えなくなっていった。そんな妻を職場で呑ませるだなんて心配だ。だが、これで何度目だろう。なぜ妻は私が食事を作っていることを知っているというのに断ってこないのだろうか。

「もういいの、一回黙って!!」

「あ⋯⋯うん。」

ほら、この反応も全部書き込まれるって考えただけでゾッとするでしょ。私の一人称だって散々いじってきた。いいじゃないか、昔からの癖なんだ。(育ちはいいからな。)

「妻、妻って⋯⋯私は馬鹿なのか⋯⋯?」

こんなことで品定めされたくないし試されたくもない。周りからの視線を勝手に受けている気分だ。よく分からないリプライとリポストと引用といいねに惑わされることになるだなんて思いもよらなかった。ただただ、困惑しているそんな日々。

今も話している内容を全部書き込まれている。

「もう行くわ!相談したかっただけなのに!!!」

玄関から扉が閉まる鈍い木の音が耳元を劈く。ため息を漏らしつつ一人で作ったグラタンを重い空気が滞っているリビングで食べ始めた。

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