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【俺はもう、大丈夫だヨ】
Episode.12 海の日
(書き忘れてたんですが、🎼🌸くんと🎼👑くんは親子です!!)
(🎼🍵くんのお兄ちゃん▶︎🎼🌸くんなので、🎼👑くんは🎼🍍くんのいとこの位置に当たります!)
(🎼👑くんは小3です!!めっちゃ今まで書いてたエピソードに情報書いてた気になってました、ほんとすみません💦)
《🎼🍵side》
潮の匂いと、子どもたちの声。
それだけで、胸の奥が少し軽くなる気がした。
🎼🍍「父さん、見て!」
ひまちゃんが、みこちゃんと一緒に波打ち際を走ってくる。
濡れたズボンの裾も気にせず、笑ってる。
🎼🍵「転ばないようにね」
そう声をかけると、
「大丈夫!」と二人同時に返ってきた。
……ほんとに、元気だ。
砂浜に腰を下ろして、
その様子を眺める。
ひまちゃんが笑ってる。
声を出して、腹の底から。
その隣で、みこちゃんも同じように笑ってる。
ああ、よかった。
それだけで、今日ここに来た意味があった気がした。
けれど――
胸の奥が、少しだけ重い。
息を吸うと、
喉の奥に、ひっかかる感じ。
……まだ、大丈夫。
笑顔は崩さない。
なつの前では、絶対に。
🎼🌸「すち」
不意に、兄の声。
🎼🌸「ちょっと、こっち来い」
🎼🍵「?」
らんは穏やかな顔のまま、
でも有無を言わせない調子で続けた。
🎼🌸「テント、戻ろう」
🎼🍵「……いや、まだ」
🎼🌸「いいから」
その視線で、分かった。
───見られた。
ひまちゃんの方を見ると、
ちょうどみこちゃんと水を掛け合っていて、
こちらには気づいていない。
……今、かな。
🎼🍵「すぐ戻るから」
そう言って立ち上がると、
足元が一瞬、揺れた。
兄が、さりげなく距離を詰める。
🎼🌸「無理しすぎ」
🎼🍵「してないってば」
🎼🌸「顔色」
低く、短く。
それだけで、全部見抜かれているのが分かる。
テントの影に入った瞬間、
息が、少し乱れた。
🎼🌸「……ここまでだな、今日は」
兄が言う。
🎼🍵「夕方まで、って言ったじゃん…」
🎼🌸「“夕方まで”と“夕方まで元気に”は違う」
……相変わらず、正論だ。
🎼🍵「ひまちゃん達には、言わないで」
🎼🌸「分かってる」
ひまちゃんの笑い声が、遠くで聞こえる。
それを聞きながら、
俺はゆっくり、腰を下ろした。
《🎼🍍side》
らんとみことが、また海に戻っていく。
波の音が少し遠くなって、
テントの影の中は、静かになった。
俺は、父さんの隣に腰を下ろす。
🎼🍵「……どうしたの?」
父さんが、少しだけ不思議そうに聞く。
答えずに、
近くに落ちていた棒を2本拾った。
1本は、自分の。
もう1本は、父さんに差し出す。
🎼🍍「はい」
🎼🍵「……どうしたの、これ」
🎼🍍「いいから」
そう言って、
テントの影になっている砂浜に棒を立てる。
砂は程よく湿っていて、
線がきれいに残る。
俺は、迷いなく描き始めた。
まず、波。
さっきまで見ていた形を思い出しながら、
うねりの線を重ねる。
次に、水平線。
まっすぐ、ぶれないように。
🎼🍵「……相変わらず、線が安定してるね」
父さんが、ぽつりと言った。
🎼🍍「だって、好きだから」
人物を描く。
丸だけじゃなく、
ちゃんと肩の角度、腕の位置まで考えて。
🎼🍍「これが、俺」
少し小さめ。
動きが出るように、足を前に。
🎼🍍「で、こっちがみこと」
跳ねてる感じ。
髪のはね方も、ちょっとだけ強調する。
父さんは、黙って見ていた。
🎼🍵「……上手いね」
🎼🍍「でしょ」
そう言って、
父さんを見る。
🎼🍍「次、父さん」
🎼🍵「俺?」
🎼🍍「うん」
父さんは一瞬迷ってから、
受け取った棒を、砂に下ろした。
───そこから、全然違った。
線が、迷わない。
一度引いたら、直さない。
影の向き。
光の位置。
テントの影が、砂に落ちている形まで。
🎼🍍「……」
俺は、何も言えなくなった。
父さんが描いた俺は、
さっきの俺の絵より、
ちゃんと“ここにいる”。
姿勢も、表情も、
俺が気づかない癖まで入ってる。
🎼🍍「……父さん、ずるい」
思わず言うと、
父さんが小さく笑った。
🎼🍵「仕事だしね」
🎼🍍「それにしても、上手すぎ」
🎼🍵「ひまちゃんが見てるから」
そう言って、
父さんは線を足す。
俺と、みことと、らんと、父さん。
四人人の足元に、同じ影。
🎼🍵「同じ場所に立ってる」
父さんは、静かに言った。
🎼🍵「一緒に来たからね」
俺は、その影を見つめながら、
ゆっくり頷いた。
🎼🍍「……うん」
信じる、ってこと。
気づいてないふりをする、ってこと。
それでも、
同じ影の中にいるって思えたら。
今は、それでよかった。
テントの外から、
らんとみことの笑い声が聞こえる。
夕方の海は、
静かで、あったかくて。
少しだけ、
時間が止まればいいって思った。
next.♡1000
コメント
3件
やっぱり無理してる感が否めないなぁ、、、、きっと病気の進行も結構なところまでしちゃってるような気がするし、、、、、🍵くんが倒れてから、🍍くんがやっぱり、、ってなるんじゃなくて、🍵くんが元気なうちに本当のこと話せることを願います、、、、、!! 今回、🌸くんのお兄ちゃん感がすごくて、やっぱり面倒見がいいんだなと感じました、、! 続き楽しみにしてます!
見れてるよー! 秘密は、隠せているようで、いつもそばに居る人にとっては バレバレなことが多いんだよね。 事情を全部知っていても、いつか白状された時にはそれなりの感情が込み上げてくるんだろうなぁ… 続き、楽しみにしてるねん🫶🏻︎💕︎︎🙂🎐