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【俺はもう、大丈夫だヨ】
Episode.13 お城
《🎼🍍side》
もうすぐ、日が沈む。
空が、オレンジ色に溶けていく。
波の音が、朝よりもゆっくりに聞こえる。
🎼🍍「みこと、そこもっと高くして!」
🎼👑「え、崩れちゃうよ!なっちゃん土台甘いんやから!」
二人で夢中。
砂だらけの手。
膝も濡れてる。
でも気にしない。
城の一番高い塔に、小さな貝殻を乗せる。
「完成間近!」って笑いながら。
振り向くと、父さんとらんがテントの近くで座ってる。
らんは笑ってる。
父さんは、少し俯いてる。
……疲れてるのかな。
でも、今日はたくさん遊んだもんね。
きっと、それだけだ。
そう思うことにする。
《🎼🌸side》
夕方の風は、少し冷たい。
🎼🌸「健康診断でさ、視力落ちてたわ」
俺が言うと、すちは小さく笑う。
🎼🍵「老眼だねぇ」
🎼🌸「うるせぇ」
他愛もない会話。
本当に、どうでもいい話。
だけど。
横にいるすちの呼吸が、少し荒い。
一定じゃない。
吸って、止まって。
吐くのが、少し長い。
🎼🌸「……今日、はしゃぎすぎたか」
俺が何気なく言うと、
すちはすぐ返す。
🎼🍵「海、久しぶりだったし」
声が、少し掠れてる。
気のせいじゃない。
さっき、テントに戻したとき。
立ち上がる瞬間、ほんの一瞬だけ、膝が崩れた。
俺は、見なかったふりをした。
周りに子どもがいるから。
🎼🌸「水、飲んだか?」
🎼🍵「飲んでるよ。らんらん、過保護すぎ」
ペットボトルを持つ手。
微妙に震えてる。
でも、すちは笑う。
いつもの顔で。
🎼🍵「らんらんこそ、顔赤いよ。日焼けだねぇ」
🎼🌸「お前に言われたくねぇわ」
軽口。
でも俺は、分かる。
頬の色が悪い。
日焼けじゃない。
血の気が足りない色。
それでも、なつとみことを見る目だけは、優しい。
🎼🌸「…なつ、あんな笑うんだな」
ぽつり。
🎼🍵「………そうでしょ。ひまちゃんの笑顔、稀だから」
すちは、少し目を細める。
誇らしそうで。
でも、どこか遠い。
🎼🍵「……ねぇ」
🎼🌸「ん?」
少し間が空く。
波の音。
🎼🍵「みこちゃんは、どう?」
唐突。
🎼🌸「どう、って?」
🎼🍵「最近。元気?」
俺は少し考える。
🎼🌸「元気すぎる。家でもずっと話してる」
すちは、笑う。
いつもの、柔らかい笑顔で。
🎼🍵「……ひまちゃんはね、最近よく話すんだよ」
🎼🍵「…本当に、たくさん。」
🎼🌸「…そうか」
🎼🍵「…ずっと、笑ってて欲しい。俺が居なくなったとしてもさ」
その言葉が、少し重い。
未来を願う言い方。
今じゃなくて。
俺は横目で見る。
唇の色が、薄い。
額に汗。
夕方なのに。
🎼🌸「すち」
🎼🍵「ん?」
🎼🌸「ちゃんと通院してるよな」
一瞬。
ほんの一瞬だけ、目が泳ぐ。
🎼🍵「してるよ、ちゃんとね。」
🎼🌸「先生、なんて?」
🎼🍵「昨日と同じこと聞いてるよ?」
ああ、そうか。言ってたか。
また、現実を突きつけるようなことを言ってしまった。
🎼🌸「…ごめん」
🎼🍵「謝らなくていいよ、大丈夫だから」
🎼🍵「無理、してないからさ」
そんなことを言っているけれど、
さっきから呼吸が浅い。
胸のあたりを、無意識に押さえている。
気付いてないふりをしてるけど、
俺は何年も一緒に育ったから、分かる。
🎼🍵「今日は、楽しかった」
すちが言う。
🎼🍵「また来たいなぁ」
その声が、少しだけ弱い。
🎼🌸「来るよ。何回でも」
俺は即答する。
すちは笑う。
でも、その笑顔の奥に、わずかな痛みが混じる。
向こうでは、なつとみことが歓声を上げる。
🎼👑「できたーー!!」
🎼🍍「でっか!」
夕日に照らされて、二人の背中が光る。
すちは、その光景を、まぶしそうに見つめる。
目を細めて。
少しだけ、息を詰めて。
まるで。
忘れないように、焼き付けるみたいに。
俺は、何も言わない。
ただ、隣に座る。
波の音が、少し大きくなった気がした。
next.♡1000
コメント
11件
やっとバグ解消。赤黄大好きな私はほほえましすぎて悶絶しています
🍵くん....そんな事言わないでよ、いなくなってもなんて言わないで....、 🍍ちゃん、居なくなったらきっと笑えなくなっちゃうよ、
わぁぁぁ、、、、🍵くん無理しちゃだめだよぉ、、、、、 🍵くんがいなくなっちゃったら🍍くんは笑えなくなっちゃう、、、、!! 🍵くんの反応的にちゃんと通院してないよなぁ、、、めちゃくちゃ心配なる、、 続き楽しみにしてます!!