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「花月、何か俺に出来ることはないか…?苦しくないか…?」

 

あれからどれくらい時間が過ぎたんだろう。

 

聖さんと2人での部屋はとても時の流れが遅く感じる。

 



そんなに焦らないでいいのに、一生懸命お世話をしてくれる聖さんかわいいな。



 

「…その…心の声…聞こえてるぞ。」

 


そうだった。思っていることとか念力で伝わっちゃうんだった。



 

「傍にいてほしい……。手……繋いでほしい……なんて我が儘、ダメ…かな…?」

 

「…いや、最高のお願いだ。」

 


聖さんの手……温かい。

 

 

【藤林先輩、それ本当なの…?】

 

「え……?」

「…どうした…?」

 

今、聖さんの手を握ったとき、楓ちゃんの姿が頭によぎった気がした。

 

幻……?

 

「今……楓ちゃんの姿が見えたの。藤林先輩って言っていたから、悠夜さんのことだと思うんだけど……。」

「……疲れているだけだろ。気にすんな。今新しい水持ってくるから、横になって寝てろ。」

 

私の頭を撫でてくれる聖さん。笑顔でいてくれて優しさを感じさせてくれる。

 



でも、今の私は気づいてしまうよ。

 



『花月は特殊な能力持ちの吸血鬼になる恐れがある。命の危険があることを悠夜に伝えなきゃ。』

 




聖さんの心の声が。

生贄の花嫁~Lost girl~

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