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何もない暗闇の中。どこを見ても真っ暗で、ここがどこなのかも分からない。そんな状況だった。

別に、知りたいとも思わない。ここがどこだったって俺にはどうでもいいことだったから。

暫く暗闇を見つめていると、急に息ができなくなるほどの圧力を感じた。


(息がッ…出来なく…ッ)


「ッ…!」ガバッ

「ッはぁ…はぁ…ッはぁ…ッ…!」


身体が酸素を求め、肺一杯に新鮮な空気を吸い込んで、吐き出すという作業を何回か繰り返す。

やっと落ち着いてきたと思ったら、今度は全身に痛みを感じた。


(次から次へと…ッ)イラ


痛みで蹲っていると、スマホから通知音が流れてきた。最近、このように息が出来なくなる夢を何回と見ていたが、やっぱり慣れない。

挙句の果てには、全身の痛みもついてくるし。だからか、最近自律神経が乱れているようだった。

少し苛立ちを見せながら、スマホを見る。きんときからだった。


『今日撮影あるけど大丈夫?』


きんときには、この夢のことは言ってあるからよくこうやって心配してくれている…と思う。

…多分、ね。


『大丈夫~!』


大丈夫ではないけど、それを隠して大丈夫な風に見せる。

ズッ友だけど、ズッ友だから、隠したいことがある。…多分、心配されたくないってこと…だと思う。

俺自身の問題だから、俺に何か駄目なところがあるから、と。

でも、きんときはそういう隠し事を見つけるのが上手い。たとえ、スマホ越しでも。


『また、あの夢?』


(あ~…、言わなきゃよかった~…) ハァ…


数分たっても俺が返信しなかったから、きんときから電話がかかってきた。

このまま放置してやろうかと思ったが、さすがに朝だし近所迷惑になりかねないので、渋々応答した。


「もし…」

『Nakamuッ!』


(…うるさ…ッ…) キーン


「…はいはい、Nakamuですよ~…」

「どうかした~…?」


電話越しでもわかるくらいの愛想笑いをして、手短に終わらそうと話始める。


『…大丈夫…?』


(わぁ心配してる~… めんど…)


「だぁかぁらぁ!大丈夫だって!」

「L○NEでも言ったでしょ!?」


しつこかったので、少し声を荒げる。少しだけね。


『…そっ、か…』

『ごめんね、しつこいよね…』

『…じゃ、また後で……』


ここで電話が切られる。…怖がらせちゃったかな。そんな思いが心の隅に湧き出てきた。


(…イライラしてたとはいえ、あれは言い過ぎちゃった…かな)

(…謝るかぁ…)


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