少しの浮遊感を感じ目を開けると元の世界の自室にいた
(戻ってきちゃった…)
手元に指輪は無い
起き上がり窓を開け外を眺める
向こうで見た自然はこちらの世界では建物に隠れ見えなかった
(そりゃそうだよね)
そう思った時お腹がなった
何を作ろうか迷っていた時ロノから貰ったレシピがメモされたノートのことを思い出した
(私にも作れるかな…)
材料を取り出しメモに書いてある通り作っていく
余談だが、私は料理が全くできない
いつもはお惣菜などを食べていたそれをロノに話した時「主様、それは不健康過ぎます!これ簡単に作れる料理のレシピです 良ければ作ってみてくださいね!」と言われこのメモを渡されたのだ
レシピは分かりやすく書かれていて一切躓くことなく料理が完成した
テーブルに並べ座る手を合わせ頂きますをしてからご飯を食べ始める
レシピ通り作ったのに少し味が違った
(完全再現できないや…)
そんな事を考えながらご飯を食べていた
「…ご馳走様でした」
手を合わせてそういい食器を片付け歯磨きをして自室に戻った
ベッドに寝転がり執事たちのことを思い出す
(もし…天使を殲滅しなければ…)
ふとそんなことを思ってしまった
(は?私…いま…)
吐き気がしてきた
彼等が怪我を負いながらも頑張って戦っている姿をすぐ近くで見ていた私が、また彼らに負担をかけようと思ってしまった自分の頬を勢い良く叩いた
(元主の私がまた苦しめようとしてしまった…ごめんね…皆)
心の中で謝罪をしながら誰もいない部屋の中を見渡した
「…少しずつ慣れていかなきゃ」