⚠︎注意事項は前編参照。
⚠︎前編と中編を先に読んだ方がいいです。
本編スタート
ワンクッション
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⦅ut視点⦆
sha「…俺ッ、…思い出したわ…!」
ut「いや…ッ、ぇ?」
sha「なぁッ、!思い出したわッ、‼︎俺!全部ッッ‼︎」
意味が分からない。
突然そんなことを言い出したものだから、頭でもおかしくなったのかと思った。
ut「とりあえず…な、何を思い出したん、?」
もしかして、あの”何か忘れてる気がする”って言ってたやつ…?
だとしたら…俺を憎んでたってこと思い出したんか…?
sha「ぇッ?あ、すまん…。」
sha「それよりッ、聞いてくれやッ、!俺…さッ、‼︎」
sha「自◯なんか…ッ、してへんッッ、‼︎」
ut「ん、?ぇ…?」
どういうことだ…?
ニュースでは自◯って報道されてたし…え?なんで?何があった?
ut「つまり…どゆこと、⁇」
sha「俺ッ、いじめっ子に突き落とされたんよ、‼︎橋から、!」
ut「じゃあ…自◯やないって…こと、?」
sha「いやさっきからそう言っとるやろッ⁉︎」
sha「やから俺は自◯してへんねんッッ‼︎」
なるほど…なぁ…。
こんな作り話みたいなことあるんか…?
いや、今俺が4んだ友達と話してる時点で作り話みたいなっとるけど…。
これがほんまか嘘かは分からへんけど、shaがこんなことで嘘つくようには思えへんのよなぁ…。
sha「そういや、いじめっ子達は俺が4んでからどんな感じなん?」
ut「あ〜…shaが4んですぐは不登校なったやつがおったわ。」
ut「もう普通に学校来るようになったわ。」
ut「けど、前みたいにいじめてこおへんくなってん。」
ut「てか、今はいじめられとる側やったかなぁ…。」
sha「あ〜、やっぱびびったんかなぁw」
sha「てかそいつ今いじめられとるんか…。嬉しくないけど悲しくもない…。う〜ん…。」
ut「そいつの名前…ぁ〜、なんやっけ…。忘れてもうた。」
sha「ま、多分俺のこと突き落としたやつやろ。」
sha「仲間に裏切られたんかなぁ…。そう思うと可哀想やな。」
いつの間にか、空が少しずつ明るくなってきていた。
星や月はもう、ほとんど見えない。
なぜだろう。
飛び出したときはぎらぎらと輝いていて腹立たしかったのに、今は切ないような、寂しいような…そんな感じがした。
sha「そういえば、さ…。」
shaが急に話しだす。
sha「俺さ…思い出したわ、心残り。」
ut「え”ッ、⁉︎マジッ⁉︎…ッぁ、…。」
shaが心残りを思い出したことにびっくりした。
けど、でも…。
そしたら、shaはいなくなってしまうんやないか…?
だって、なんか知らんけど幽霊のお坊さんに「なんで成仏できてないか」って、shaが聞いたら、お坊さんが、「心残りがあったから」みたいなこと言うたんやろ?
その心残りを思い出した…って…。
つまり…
shaとは、もう、会えないん…?
sha「んで、その心残りってのがさ〜…」
ut「ちょっと待ってやッッ‼︎」
sha「…どしたん、?」
微笑みながら、shaは言った。
…作り笑顔みたいに見えた。
ut「shaは、もう、成仏しちゃうん…?」
sha「どうやろなぁ…。」
哀しそうな顔だった。
sha「でな、?」
ut「いややッッ‼︎やめてぇやッ、‼︎」
今にも泣きそうになりながら止めた。
止めようとした。けど。
sha「その、心残り…ってのが、さぁ〜…。」グスッ
shaは、止まらなかった。
鼻をすすっていた。
言葉が途切れ途切れになりながら、必死に話していた。
泣きそうなのだろうか。
sha自身も、消えるのが怖いのだろうか。
ut「やめてぇやぁ…、!」ポロポロ
ついに泣き出してしまった。
それでも、気に留めず、shaは話す。
sha「俺の…心残りは…な、?」
sha「ほんまにutのこと、助けられたんかなぁって…。」ポロ
shaも泣き出す。
何を言ってるんや…shaは…。
俺はshaに救われたんや。やのに…。
sha「utのこと、助けられてはいたかもしれへんけど…。」
sha「結局、utは、俺みたいに、みんなと一緒に話して、仲良くできてなかったなぁって…。 」
sha「utがほんまに望んでたんは…いじめがないクラスで…みんなで仲良くすることやったんやろなぁって…、!」ボロボロ
shaは、俺よりも泣き出す。
話すのが、精一杯なくらいに。
sha「それが、それだけが…俺の心残り…やったんや…。」ボロボロ
俺とshaの涙が溢れて止まらない。
sha「ut…ごめん…ほんまに…ごめん…ッ…。」
sha「お前が、utが、望んでたようには、出来へんかったんや…っ…。」
違う、違う。
そりゃ、全部、全部、sha1人で叶えられるわけがないねん…。
あんな、デカすぎるような夢は…。
俺は、ずっと、俯いて泣いていた。
その瞬間、shaの足が消えかける。
ut「ッ、なッ、なんでッッ、‼︎sha‼︎」
ぱっ、と、顔をあげる。
地縛霊になったshaに会ったときと同じように、顔をあげ、shaの顔を見た。
sha「やっぱ、そういう運命やねん…。」
shaは、泣きながら笑っていた。
ほろり、ほろり、と、少しずつshaが足元から消えていく。
shaに、思いっきり抱きついた。
shaも抱きついてくれた。
ut「やめて…ッ、行かんといてぇやぁッ…shaッ!、shaッッ‼︎」
sha「ごめん…ごめんなぁ…。」
そうやって、shaはずっと泣きながら謝る。
なんで、やめて、と泣きついた。
そうしているうちにshaはどんどん消えていく。
いつの間にか、もう、shaはカケラくらい小さくて、抱き付けなくて、手の平の上に乗せていた。
sha「ごめん…なぁ…。」
sha「最後にutと話せて…嬉しかった…わぁ…。」ハラ…
はらり…と、shaは完全に消えてしまった。
ut「なんで…ッ、なんでッ、やねんッッ‼︎」
俺は、その場で崩れ落ちた。
手の平には、shaの涙と俺の涙がのっているだけ。
朝日に照らされて、涙が光っている。
そんな手の平をぎゅっ、と握りしめた。
空を見る。
今さっきまで、真っ暗闇だったはずの空は、青色と黄色で輝いている。
まるで、shaの瞳のような綺麗な黄色と、俺には似合わない、明るい青色の空。
それを見て、またわんわんと泣き出す。
母「あッ、あんたッッ、!こんなとこで何やってんのッ‼︎」
突然、里親がやってくる。
母「なんッ、何…?なんで泣いてるの…?」
うるせぇよ…ほんとの親でもないくせに…。
『里親やとしても、育ててくれたんやから感謝せぇや!』
ut「ぇッ、?」
どこからか、shaの声が聞こえた気がした。
目の前には里親しかいない。
辺りを見渡しても、誰もいない。
母「もうあんた…ほんとに変よ?どうしたの?」
母「ほら、泣き止んで、漢なら泣かない!でしょ?」
shaに言われたことと同じだった。
母「いや、もうこんなこと言う時代じゃないけどね…。」
母「とにかく!ほら、帰るわよ!今日は学校おやすみでいいから…ね?」
そう言った”母親”に腕を引かれて。
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いや〜やっと終わりました…。
長引いてしまってすみません🙇
『真夜中、あなたと。』を、最後まで読んで頂きありがとうございました‼︎
ちなみにこの後解説的なやつとか、裏話的なのあげるのでそちらもよければご覧下さい!
では、改めて、最後まで読んで頂きありがとうございました‼︎
コメント
3件
初 コ メ 失 礼 し ま す !凄 い 感 動 し ま し た!!ut先生とshaさん の 関 係 性 や、い じ め を 救うsha、幽霊sha…全 て の 設 定 が大 好 きで す!こ れ か ら も活 動 頑 張っ て く だ さ い!!
(´;ω;`)ブワッ あれ、何か目から汁が……