心さん達と海に行き、それからというものこれと言ったイベントは起こらず、涼風が吹き始めると同時に二学期が始まった。
和馬(またこの生活か…)
和馬(学校は嫌いで行きたくないのに気づいたら電車に乗って戻れないところまでいる自分に驚いてしまう)
和馬(新学期を始めるなら金曜日にしてくれ)
心「君って表情と考えてる事一致してないよね」
心「表情より表情してるよ。君の頭の中」
心「おはよ!海ぶりだね!」
和馬「あ……はいざいます」
心「なに?久しぶりの学校で緊張してるの?」
和馬「新学期の始まりって自分が知らないうちに何か変わってるかもって感じするんだよな」
和馬「だから緊張っていうより不安なのかも」
心「あー、でも分かるよ。うちも中学とかそう思っちゃってたもん」
心「でも君は変わってないから安心した」
心「……えっと、うちなんか変なこと言ったね!?ごめん、忘れて…」
和馬「あー…うん」
久しぶりだからなのか、それとも俺のぐちゃぐちゃな感情のせいなのか。ぎこちなさだけが残り、降りる駅まで話すことはなかった。
和馬(今までこんなに沈黙が続いた事ないな)
和馬(でも、なにか話したい…なにか)
そう強く思ったせいで口が先走ってしまい、
心さんと強く名前を呼んでしまったが、心さんも同時に君と言っていた。
心「ごめん、被っちゃったね。いいよ先に」
和馬「いや、心さんの方からいいよ」
心「うちはなんか話したいなって思ってでもいい話題が思いつかなかったから、取り敢えず呼んじゃっただけだからさ」
和馬「…俺も、俺も話したいけど話す内容がなくて気付いたら名前呼んでて」
心「あはは!なにそれwそんな事ある?」
心「はー、だめだ、面白いw」
和馬「ははは!つられるからやめてw」
心「……まただ」
和馬「また?」
心「また笑ったって思って!ほら!早く行こ 」
和馬「理不尽は健在だな」
君の笑った顔も、出不精なのも、運動音痴なのも、料理が上手なのも、なんか名言みたいな良い事を言うのも全部が……
心「……全部が、なんなんだろ?」