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よす
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誰目線でもないところもあるし目線ころころ変わって恐らく読みにくいです🙇🏻♀️🙇🏻♀️
付き合いはじめた頃の柔は、今よりずっと普通だった。
「舜、今日帰りどっか寄りたい?」
「んー、コンビニ行こっかな」
「じゃあ俺も行く」
「また柔も行くん?」
「いいじゃん別に」
「俺ずっと柔と一緒におるやん」
一緒に帰って、コンビニでくだらない話をして、家に着いたら少しだけ電話する。
「じゃあ、また明日な」
「うん。おやすみ、しゅん」
そんな毎日だった。俺は柔のことがすきだった。柔も俺のことが好きだった。
でもそれはまだ「好き」の範囲に収まっていた。
そんな俺たちが変わりはじめたのは些細なことで喧嘩するようになってからだった。
俺のメッセージの返信が遅い。
誰といるのかが分からない。
学校で別の友達と話している。
そんな些細なことが柔には少しずつ引っかかるようになった。
「昨日、なんで返信遅かったの」
「自分のしたいことして、友達と話してたからやけど」
「最近、柔そういうの多ない?」
そう言うと柔は黙り込んでしまった。
俺だって本当はこんな言い方をしたい訳じゃなかった。ただ毎日のように同じ質問をされて少し疲れていた。
「俺は柔のこと好きやで、好きやけどただずっと確認されるんはしんどい」
「……ごめん」
その時は本当に直そうとしてくれているんだと思った。俺も、それで終わると思っていた。
けれど、1度生まれた不安は簡単には消えなくて、むしろ喧嘩をする度に大きくなっていた。
柔は、俺の言った言葉を何度も思い返すようになって「好き」という一言だけを何回も拾い上げて他の言葉をなかったことのようにしようとしてるみたいだった。
俺が
「しんどい」とか「1人の時間も欲しい」と言う度に柔は謝ってくれた。
けれどその後は必ずと言っていいほど聞いてくる。
「俺のこと、好きでいてくれる?」
「好きやで」
でも、そのうち間を置くようになった。
「……好きやけど」
自分でもその間、その言葉が柔を傷つけてしまっていることくらい分かっていた。
ある日、俺が友達と帰っているところを見られていた。友達と普通に話して帰った。
自分がいなくても、俺が普通に笑っていることを柔が苦しく思っていたなんて知らなかった。
帰宅してから連絡が来た。
「今日俺と帰るより楽しかった?」
「普通」
「何話したの?」
またこういう話になる。 俺が何をしたのか、誰といたのかを1から10まで説明しなければならない。
しばらくして俺は
「なんでそういう話になるん」と送った。
そこからまた喧嘩になった。
俺はもう限界だった。
「俺ら、もう無理やわ」
「好きやったよ、好きやったけどずっとずっとこんなんやん」
「直すから」
「今までも何回もそう言うてきて結局1回も治らんかったやん」
「ほんとに直すから…」
「俺、もう疲れた」
その声は自分でも分かるくらい震えていた。
好きじゃなくなったわけじゃない。好きだからこそ余計に苦しかった。
「もう俺たち別れよう」
「…嫌」
「じゅう」
「嫌だ、俺別れたくない」
「俺はもうしんどいから別れたい」
「俺が直すから…!直したらいいんでしょ!」
「分からへんけど、もう無理やねん」
「俺は、柔を幸せにさせてあげれへん」
気づけば、俺は泣いていた。
柔は最後まで納得できていないようだった。
「しゅん、俺は待ってるから」
その日、俺たちは別れた。
別れてから、1週間程経った頃から妙な違和感を覚えるようになった。
ふと視線を感じて振り返ると、目線の先には必ず柔がいる。
別れたばかりなのだから、目を合わせにくいのも当然だと思った。
けれどそれが何度も続いた。偶然だと思いたかったけれど、偶然にしては多すぎた。
ある日、匿名で小さな荷物が届いた。
開けてみると、中には俺が欲しいと言っていたぬいぐるみが入っていた。
送り主の名前はないけれど、何故か嫌な予感がした。柔だと断定できる証拠はないけれどそれでも柔しか思い浮かばなかった。
確かこのぬいぐるみは柔にしか欲しいと言ったことがないことを思い出し、気味が悪くなりそのぬいぐるみを箱に戻した。
捨てたかったけれど、捨ててしまうと柔に何かされてしまう気がして捨てられなかった。
ぬいぐるみが送られてきた頃から、俺の生活の中に説明できない違和感が増えていった。
自分しか知らないはずのことを柔が知っている。以前、誰にも話していない予定を柔から口にした。
「昨日帰り遅かったね」
「…なんで知ってんの」
「たまたま見かけたから」
「どこで?」
「さあ」
柔は答えない代わりに少しだけ笑った。その笑顔が、付き合っていた頃は大好きだったけれど今はとても怖かった。
「……柔はさ、俺のことまだ好きなん?」
「…好きだよ、ずっと好き」
「別れてからも、ずっとずっと」
「しゅんは俺のこと好き?」
「俺は、わからん」
「じゃあ俺のこと嫌いではないんだ」
「…そういう意味ちゃうやん」
「でも、嫌いではないよ」
「じゃあ、俺待てるよ」
「しゅんが戻ってくるまで」
その声は穏やかだった。
怒鳴りも責めもせず、ただ当然のことのように、俺が戻ってくると信じている。
その確信が、俺には逃げ道を塞ぐもののように感じられた。
「戻らへんかもしれへんやん」
「でも、しゅんは戻ってくるよ」
「なんでそんなこと言えるん?」
「しゅんが俺の事嫌いになれるわけないから」
それは、以前なら自分たちの間にあるものを信じてくれているように聞こえてうれしい言葉だった。
でも今は自分の気持ちを柔に決めつけられている。
「俺の気持ちを勝手に決めつけんといてや」
「決めてないよ、舜は俺のこと好きだから 」
「もうそういうのしんどい」
そう言って、俺はその場を離れた。
コメント
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タイトルの「執着」、めっちゃ刺さりました…😭💔 好きだからこそ苦しくなって、距離を取ろうとしても離れられない — そのもどかしさが痛いほど伝わってきたよ。別れ話のシーンで舜くんが泣きながら「もう無理」って言うところ、こっちも胸がギュッてなった…。 それに、別れた後の柔くんの“待つ”姿勢が優しそうで実はすごく怖いのもゾッとして良かった!続きが気になりすぎる…!