コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ここまで聞き手に回っていた善悪が満を持した感じで口を開く。
「兎に角でござるよ、レグバ達の計画を白紙に戻したとすると、残っているのは僕チン達が独自に考えた作戦を実行するしか無いのではござらぬか? こないだ始めた『魔力吸ってお水ちょろちょろ』を地道に拡げて行く事、後はサタンとその軍団も仲間に加えて、ここ良二寺(よしふたじ)、ぐふんぐふん、こ、幸福寺? みたいに魔力過多になっている場所の除染作業を組織的にやって行く事位でござろうか?」
コユキが頷いて同意してから付け加える。
「鯛男(たいお)さん達も無事魔法習得できたもんね、後はキャサリン達、世界中の聖女や聖戦士に同様の手を打って貰う事だわね」
悪魔モグラに身をやつしたベルフェゴールがやや大きな声で言う。
「今やチャンネル登録が百万を超えた例のダンスチャンネルとかで魔法の使い方って拡散出来無いですか? どうでしょう?」
全員が考え込む中、リエが最初に答えた。
「一見ナイスアイディアっぽいけどそれは止めた方が良くないかな? アスタさんが言ってたじゃん! 病気の人や弱っている人なんかから魔力吸ったら死んじゃうかもって! 信頼できる人以外に無秩序に拡散するのは危ないよ」
この意見にはリョウコがいつも通り追随したが、薄っぺらくは聞こえなかった。
「だよねぇー、いじめとかでさぁー、魔力吸い尽くされるとかさぁー、やだよねぇー? 一種の武器にもなっちゃうからねぇ? そこら辺は慎重に行った方が良いだろうねぇー」
アスタロトも異論は無いようである。
「リエとリョウコの言う通りだな、拡散する相手は選ぶべきだろう、人間側はそうするとして後は我等悪魔か…… ネヴィラス、ムスペルヘイムの総数は如何程だったか」
「ははっ、留守居を残さずという事ならレッサーを含めて二千柱程度です」
バアルが続く。
「妾の所も同じ位かな? 使い魔達の中の上位の子達まで含んでも数百の上積みが精いっぱいだね」
ロットが頷きながら言った。
「するとニブルヘイムの軍団が数千、大体四千位だから合わせて八千程になるか…… さて、世界中をカバー出来ると良いのだが……」
善悪は不思議そうな表情を浮かべている。
気が付いたコユキが相方に聞く。
「どうしたの善悪、変な顔しちゃって、便秘?」
「いや快便でござるよ、そうじゃなくてニブルヘイムの軍団でござるよ、四千って随分少なくはござらぬか? 三軍団と二遊撃隊で二万位いたんじゃなかったでござるか?」
「ああ、そうね、確かにウジャウジャいた気がするわね、なんでだろう? 過疎ったかな?」
二人の疑問にはモラクスが答える。
「そうですね、一万三千年前、ルキフェル様が受肉して魔界を去った頃には二万柱を越えていましたよね、新年の一般参賀の時なんか、もう誰が誰だか見分けが付かない位に密でしたもん…… でも四千年前にニブルヘイムに戻った時には四千柱位に減っていたんですよね…… あれですかね、人件費削減の為に思い切ったリストラを断行した、とかですかね?」
「ふむ、あり得るでござるな」
「何処も同じね、世知辛いわ」