桜が揺れる。セミの声がする。綺麗な子が居る。
あの子はどんな子?
サファイアのような目
さらさらな蒼色の髪の毛
雪のように白い肌
青色のカーディガンをはおり
今には合わない赤い市松模様のマフラーを巻いている
何処か儚くずっと遠くを見ている
話しかけるには何か厚い壁がある
これこそ高嶺の花と言うのか
あの子はいつも決まった時間決まった場所をいつまでも見つめている
飽きることがないのだろうか
雨の日も雪の日も何にも見えなくても見つめてる
何があるんだろう。何が見えてるんだろう
あの子はたまに笑ってる。とても嬉しそうに笑ってる。誰があの子をそんなに笑わせているんだろう。見てみたいなぁ
いつの日かあの子はココに来なくなった。何処に行ったんだろう。僕も時がたつと忘れてしまった
あれから数年
近くに来たからちょっと寄ってみた
あの子を思い出したんだ。あの子がいつも見つめていた場所。ふと思い出した。見てみようとあの子は何を見ていたんだ…ろ
あぁ……綺麗だ…
誰だろうか周りにいるのは
トパーズのような綺麗な目をした天使
エメラルドのような目をした幽霊
ルビーのような目のガスト
ラピスラズリのような目のイカ
楽しそうに笑ってる。空を飛んでる。綺麗だな。
あの子にはこの景色が見えていたんだな。
良かった見れて。良かったあの子が楽しそうで。
もう帰ろうかな。いいものも見れたし。もう見れないだろうな。
春の音がする。夏の匂いがする。
あの子はいつまでも笑ってるんだろうな
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