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赫 瑞 紫 ♀
桃 蒼 黒 ♂
女体化、百合要素注意
3,100文字
瑞side
紫「瑞ちゃんおはよう~」
「紫ちゃんおはようっ!」
笑顔で手をひらひらさせながら此方へ走ってくる彼女。
そんな様子も愛おしくて仕方ない。
紫「瑞ちゃん前髪切った~?」
「え、切った~!」
紫「ばちばちに似合ってる~!」
「ほんと~!?嬉しいっ」
どれだけ小さな変化でも気付いて褒めてくれる。
私はそんな彼女が好きだ。
私が彼女を好きになったのは中学2年の頃。
転校してきてひとりぼっちだった私に話しかけてきてくれて、優しく楽しく接してくれた。
そんな経験、初めてで刺激が沢山だった。
そしていつの間にかどんな人よりも彼女が光って見えて。
授業中も自然と彼女に目が行った。
どこにいるのか自然と探すようになった。
話しかけるだけで、笑顔を見るだけでドキドキするようになった。
これが”好き”と言う感情だと自覚した。
だから、頭の悪かった私も彼女と同じ高校に行けるように必死に勉強した。
そのおかげで今彼女と同じ教室にいることができる。
これだけで充分幸せだ。そう思っていた
紫「ウチ、桃先輩のこと好きかも…/」
そう言われたのは土曜日の部活帰り。
急に言われて驚きが隠せない。
「えっ…!?まじ!?」
紫「まぁ、まだ分かんないんやけど…/」
「なんで好きだと思ったのっ!?」
紫「なんか…桃先輩といると胸がドキドキして…すごく…かっこよく見えて…」
瑞「…もうそれ恋じゃんっ!」
紫「えーやっぱりそうかなっ…/」
楽しそうに、恥ずかしそうに話す彼女に私の都合で否定的なことは言えなかった。
紫「瑞ちゃんは応援してくれる…?」
「…当たり前でしょっ?”親友”なんだからっ」
“親友”という言葉で気持ちを押し込んで応援するフリをした。
私はこの時、初めて瑞ちゃんに嘘をついた。
それから紫ちゃんは変わった。
休憩時間ずっと一緒に居たはずなのに毎時間先輩の教室へ行きお話ししている。
帰りも私、紫ちゃん、桃先輩、蒼先輩の4人で帰ることが増えた。
~ ♪(昼休憩開始のチャイム)
「紫ちゃんっ話そ~っ」
紫「瑞ちゃんっ!話そ~っ!」
「……でね~っ!」
紫「なにそれ~っ笑 おもしろっ笑」
桃「紫ちゃんいます~?」
彼女から目線を外すとそこには桃先輩と蒼先輩がいた。
紫「はわわっ…//」
彼女は彼等を見るなり顔を赤くして私の後ろに隠れた。
瑞「ちょ、ちょっと、紫ちゃん…!?」
紫「一緒に行ってくれない…?//」
「…もちろんっ」
照れ顔、上目遣い、うるうるの目。
好きな人にそんな顔されてお願いされて断れるわけが無かった。
桃「やっほぉ~紫ちゃんっ♪」
紫「先輩こんにちはっ…!/」
桃「で、瑞ちゃんだよねっ?」
「え?あ、はいっ」
桃「紫ちゃんから聞いてるよっ
よろしくね~(にぱっ」
「は、はい、お願いします」
私のことを話してくれているという嬉しさとそこまで仲良くなったんだという嫉妬が入り混じる。
嬉しくて、辛くて、私には難しすぎるる初恋だ。
蒼「蒼です。よろしくな~」
瑞「…蒼さん有名なので知ってます、(ふふ」
蒼「ありがとう…?」
少し話しただけだったけど蒼さんが優しいくて良い人だということは分かった。
蒼「あ、紫ちゃん生徒会の話があって…ちょっと来てくれん?」
紫「あ、もちろんですっ、!」
蒼先輩と紫ちゃんが居なくなって桃先輩と2人きりになった。
少しの間、沈黙が続く。
桃「瑞ちゃん、?」
「なんですかっ、?」
桃「気付いてると思うけど俺、紫ちゃんのこと、好きなんだよね…」
「…どんなところが好きなんですか…?」
桃「優しいところとか、気が配れるところとか、ちょっと褒めるとめちゃくちゃ喜んだり努力しようとするところかな…、/(はは」
私の目を見て、照れながら伝えられた紫ちゃんへの愛。
その内容には私の知らない紫ちゃんも居た。
私の方がずっと一緒に居たのに。
付き合いは私の方が長いはずなのに。
彼の本気度が伝わってきて勝てないんだと悟った。
紫「ウチ、今日の放課後、桃先輩に呼ばれちゃった…!//」
急に言われて頭が追いつかない。
この感じ、恋愛経験のない私でも分かる。 告白だ。
彼女も分かっているようで嬉しそうに照れている。
「そんなん絶対告白じゃんっ♪」
紫「そうやと…ええんやけど…//」
ついに放課後が来てしまった。
約束の時間までまだ時間はあるらしいから2人でお話しする。
「やったじゃんっ、!ついに結ばれるねっ」
紫「まだわかんないよ…//」
照れながら夕陽の光に当たるその横顔が綺麗で、愛おしくなる。
紫「あ、そろそろ約束の時間だ…!//」
嬉しそうに時計を見る彼女。
「…頑張れ、(にこっ」
紫「うんっ…!//」
今、うまく笑顔が作れているか、私にはわからない。
笑顔を作ってるのがバレて彼女に変な心配をかけたくない。
それだけで必死に笑顔を作る。
紫「じゃあ、いってきますっ」
彼女が向こうを向いて歩き出す。
ここで彼女が行ってしまえばきっと、彼と付き合って戻ってくる。
そんなこと、分かっている。
彼女を呼んで告白しよう。
何回そう考えたことか。
でも、彼女は”男性”が好きで。
女の私は”親友”止まり。
告白してもきっと振られてしまう。
でも、今言わないと本当に終わってしまう。
“ *待って ” “* 行かないで ”
そう言おうと思い彼女に向け手を差し出す。
が、彼女の手から3mm程離れた位置で止まってしまった。
声も喉につっかえて出てこない。
本当に負けたんだと私はここで改めて知った。
ずっと彼女のことは1番知っていると思っていた。
私が彼女の1番だと思っていた。
でも彼女は私の知らないところで違う人に恋をし、私が居なくても幸せそうだった。
女である私には恋愛的に見ようともしてくれなかった。
” 女として生まれた時点で私は彼に負けていた “
本当はそんなこと分かっていた。
ただ、現実から目を背けてもしかしたら…と期待ばかりしていた。
1番彼女のことを分かっていなかったのは私だったのかもしれない。
そんなことを考えながらバッグを持ち教室を出た。
校庭へ出ると正門付近で男女2人が話しているのを見つけた。
桃先輩と紫ちゃんだ。
そう分かって、私は正門付近の岩に隠れた。
桃先輩が照れながら真面目に何か伝えている。
紫ちゃんは嬉しそうに笑って何かを言った。
ここまで見て、私は耐えられなくなった。
走って裏門から学校を出た。
涙が溢れてくる。
最後にちらっと2人が抱き合っていたのが見えた。
” 紫ちゃん 大好きだったよ “
私の初恋は幕を閉じた。
いつものように学校に到着し、 準備をする。
紫「瑞ちゃんおはようっ」
桃「おはよ~」
腕を組みながら挨拶してくる2人。
「おはよっ、らぶらぶだね~っ(にひっ」
紫「もう~っ、うるさい~っ、!(んふつ」
あの日を境に紫ちゃんと桃先輩はいつも一緒に居る。
すぐに立ち直れたわけじゃないけど今では普通に会話ができ、弄れるぐらいまで心が治った。
今でも”好き”という気持ちは変わらないけど私は今の生活に満足している。
告白していたら変わっていたのか。
そう考えることもあったが、告白していたらもしかしたら仲良くできていなかったかもしれない。
そう考えるようになった。
恋は実らなかったけど、私は今の生活で十分だ。
大好きな彼女が幸せでいてくれるだけで私も幸せ。
私の初恋は大成功して幕を閉じた。
~ end ~