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それから大介とは一切話せず、一方的に嫌われている様子だった。話しかけようとすると睨まれる。でも部屋を出ていこうとすると手を掴まれて無言で引き戻される。明るくて元気な印象とは真逆で何をしたいのか全く分からない。
困ったな、と頭を掻くと部屋の扉が開いて照と辰也とラウールが知らない二人を連れてきた。良かった、やっとこの気まずさから解放される、と思ったら大介には睨まれたままだった。
新顔の一人は背の高い細身の頭の切れそうな好青年で、もう一人は気さくでおどけていそうな少年だ。そのインテリっぽい青年の方から自己紹介が始まった。
💚「初めまして。僕は亮平って言います。今は高校3年生で、君の事は父から聞いているよ。勉強の事で分からない所があったら僕に聞いて欲しいな。これからよろしくね!」
🧡「俺は康二!育ちは奈良や!ウチに来てくれて嬉しいで!よろしゅうな!」
亮平は穏やかで丁寧に話してくれた。頼れるお兄ちゃんって印象だ。康二は想像通りのノリが良い関西人って感じ。この二人は優しそうだな。大介とは真逆で。左隣に視線をずらすと、彼はまだ俺に鋭い視線を向けている。本当に何なんだろう。俺に向けられた嫌悪に気づいたのか、照が大介を諭しながら俺から遠ざけてくれた。
💛「ほら、お前そんな弟のこと睨むなよ。怖がっちゃうだろ。人見知りもいい加減治そうな」
🩷「別に人見知りじゃないし…」
大介はぶつぶつと文句を言いながら部屋の奥まで引きずられていった。一方、照はごめんな、と口パクで俺に伝えてくれた。
この人は根っからの良い人なんだ。第一印象だけで他人の人格は決めつけない方がいいなと改めて俺は心に記した。少し困った顔をして亮平が話し始めた。
💚「ごめんね蓮くん。大介は昔からあんな感じなんだよね。中学の時よりはましになったけど、人見知りが激しくて警戒心が強い。でも本当は繊細ですごく兄弟思いなんだ。無理はしなくても大丈夫だけど、嫌わないであげてね」
🧡「せやねん!大介兄ちゃんはええ人や」
🤍「しばらくしたら慣れてくれると思うんだけどね…」
3人にそう言われるなら、嫌がらせをされたわけでもないし大介の事は避けないで置こうと思った。
そういえば、8人いるはずの兄弟はまだ6人しか紹介されていない。あと2人はどんな人なんだろう。と周りを見渡していると、辰也が勘づいたのか説明してくれた。
💜「俺たち兄弟はあと2人いるんだけど、買い物に行ったきり帰って来ないんだよね。早く紹介しておきたいところだけど」
💛「まあ、あいつらは自由人だししょうがねぇよ。2時間前にはもう居なかったし、そろそろ帰ってくるんじゃね?」
照の勘が正しかったのか、部屋の扉が開いて初めて見る顔が入ってきた。
次回に続きます!