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“山中視点”
『お前らってマジ仲良いよな。』
何百回も聞いてきた言葉。
別に深い意味は無いことくらい分かってる。
「仲良い」 ねー。
「じゅう~!今日もゲームしような!!」
俺の体に覆い被さってくる
振り向くとすぐそばに舜の顔がある。
「っ、あ、うん。やろ」
「よっしゃぁ!」
嬉しそうだなぁ。
まぁ俺もだけど。
……てか近ぇんだよ。
「柔どうする?もう帰る?」
「あ~…、どうしようかな」
「じゃあ今からさ、ご飯食べ行かへん?」
「え、行く。」
舜から飯誘うとか珍しい。
やった。
「ここ前来た時めっちゃ美味しかったから、
柔にも食べて欲しかったんよ!」
「ぁ~まじ?楽しみ」
個室に入って腰をかける
「いやぁ~お腹へったな~」
「ね~。」
「…てか、舜から飯誘うとか珍しいよね」
「あ~…まぁ、確かにな…」
「え、何その反応?笑」
「…まぁ 取り敢えずご飯来てから話すわ!」
「おっけ~…?」
え~なに?
クソ怖いんだけど。
「ありがとうございま~す!」
机に次々と料理が並んでいく
「美味しそうやなぁ!」
「ね。マジ美味そう」
「いただきま~す!」
「いただきます。」
口に運んだ瞬間俺と舜は顔を見合わせる
「「うまぁ!!」」
「え、めっちゃ美味ない?」
目をキラキラさせて見てくる舜太
「うん笑めっちゃ美味い。」
「やんなぁ!ぁ~よかったぁ」
「ふふ笑」
可愛いなぁ。なんでこんなに可愛いんだろう
「…あ、そういえばさっきの教えてよ」
「え?」
「ほら、飯来たら言うって言ってたじゃん」
「あ~!…そうやったな!」
「う~ん…」
言いにくそうに顔を渋らせる舜太
「え、結構真剣なやつ?」
「あ、いやぁ…まぁ…」
「………俺に対してさ、怒っとる?」
「…え?」
予想外の返答に固まる
「なんか、俺が話しかけた時とかさ、あんま目合わせてくれんというか…」
「目合ってもすぐ逸らしてへん?」
「ぇ、いや、それは」
「話しとる時も、…ぎこちない感じするし」
「まっ、まって。舜」
「俺、なんかしてもうたんかな思って、」
「違う、それは絶対違うから 」
早く誤解を解きたいのに頭が回らない
なんて言えば良いんだよ。
「っまず、舜は何もしてない。大丈夫だから」
「…目逸らしたりしてんのは、俺も自覚ある。それはマジでごめん。」
不安そうな目で俺を見つめる舜太
「じゃあ、なんで」
「……っそれ、は」
…口に出すのが怖い。
この関係が壊れるのが一番怖い。
ごめん舜。
俺言えねぇわ。
俺ビビリだから。
「………」
「…っあ~…まぁ、言いにくかったら全然言わんでええよ!」
「俺が何もしてへんって柔の口から聞けただけで安心したし!笑」
「ごめん…。」
「謝らんでええって!!笑」
「あ、これもめっちゃ美味いねんで!食べてみてや!」
「はいはい…笑」
「あ~お腹いっぱいや~…」
「もう食えないわ… 」
「いやぁでもほんま美味しかったな!!」
「うん笑ありがとね舜」
「俺も柔に喜んでもろうて嬉しいわ!笑」
「また来ような!」
“また”
この単語がどれだけ嬉しいか。
“じゃあ、なんで”
同時に、
この言葉と舜の顔が俺の頭の中を支配する。
舜のあんな顔見たくなかったのに。
俺の事が嫌で嫌で嫌で仕方なくなる。
あ~しんど。
「…ぅ?じゅう?、柔!!」
「っえ、な、なに?」
「も~ずっと呼んでたんやで!!」
「やっぱ疲れてんのちゃう?」
「…ぼーっとしてただけだって笑」
「……なら、ええけど…」
「じゃあ、俺帰るわ!また明日な!」
「…また明日」
「あ、ゲームする時連絡するわ!起きとってよ!」
「りょーかい笑」
遠ざかって行く舜の後ろ姿
…帰るか~俺も。
自宅に着き、さっさと着替えを済ませる
「はぁ………。」
ソファに腰を掛け、一息つく
一息というか溜息だけど。
「しゅん……ごめん…。 」
消えるような声で呟く
俺しか居ない静まり返ったこの部屋で
押し潰されそうな俺が居る。
泣きそうになるのをぐっと堪える。
鬼病みしてんじゃん。俺。
やば。
すると突然チャイムが鳴る
「…誰?」
インターホンの画面を見る
『柔!来たで!』
ニコニコしながら手を振る舜が居た
「え、えなんで…っ?」
急いで俺はドアを開けに行く
「あ、さっき振りやな!笑」
「そ、え、うん。」
「…どうしたの?」
「あ~…どうしても心配になってしもうて」
「心配…?俺が?」
「うん。さっきもぼーっとしてたやん?」
「あと、最後らへん顔色 悪かったしな。」
「ほんで今も、柔元気無いし」
「元気、無いように見える? 」
「え、見えるで。何年一緒におると思ってるん?笑」
「でさ、コンビニ寄ってきてん。」
「お菓子とジュースあるから、食べながらゲームしよ!」
「あ、もちろんゲーム機持ってきたからな!」
俺の喋る隙がないくらいのスピードで話す舜
「…お節介やった?」
子犬の様な目で見つめてくる
「…なわけないじゃん」
色々な感情か渦巻いて、
俺は膝から崩れ落ちる様にしゃがみ込んだ。
顔を見られないように両手で覆い隠す。
「っえ?柔?!」
アワアワしながらも俺を優しく包み込む舜
「俺がいるからな…!大丈夫や!」
俺の背中をさすりながらそう言う。
あーもう、何でこんなに優しいんだよ。
これ以上俺を苦しませないでくれ。
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コメント
1件
うわあ……もう、読んでて胸がぎゅってなった……。柔くんの「口に出すのが怖い」「この関係が壊れるのが怖い」って気持ち、すごくわかるなあ。舜くんが心配してわざわざ来てくれたのに、余計に自分を責めちゃう感じ、リアルすぎて辛かった。でも最後に「俺がいるからな」って抱きしめてくれるシーン、泣けた……。六さんの書く内面の描写、すごく好きです。続きが気になる!