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あかん
駄作かもしれない
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「ていうかなんか、さっきからちょくちょく変な音聞こえるけど大丈夫か?」
スマホの向こうで通話相手の高校の先輩がふと口を開く。
「音?……あー、最近ペット飼い始めたんすよね笑」
「えぇお前がペット!?ちゃんと世話してるか?笑」
「してますよ!笑…ほら、わんって鳴いてごらん」
俺の腕の中の“ペット”は大きく目を見開いてぶんぶん首を横に振る。
「…っあーまだ躾がなってないっすわ。こいつ躾けるんでそろそろ切りますね、また飯行きましょ!」
「おう、またな!」
相手が通話を切ったことを確認して俺も通話終了ボタンを押す。
それから腕の中で小さく体を震わせてこちらを見た“ペット”と目が合った。
「…俺の言ったことに従うように躾けたはずなんだけど、いるま?」
「…つ、ぅわ中は、さす、がに」
「……はぁ。俺出来損ないのペットはいらね」
「~~っ!ごめ、ごめんごめんごめんなさい?♡なつ、じゃなくてご主人様♡ごめんごめんごめんごめんごめんちがうちがうちがう緊張して声出なかっただけ言うこと聞けますいい子ですごめんなさいごめんなさい捨てないで捨てないで」
“いらない”という言葉を口にした途端顔色を変えて俺に抱きつき、揺れる三白眼が必死に俺の紅い目を捉えようとする。
焦っているのか、ただひたすらに愛想と謝罪の言葉を振りまくいるまに背筋がぞくぞくする。
捨てるわけねぇのに。
口元が緩みそうになるのをぐっと堪え、いるまの表情を見たい気持ちも我慢して目を逸らす。
「ねぇ?ねぇ?見て?こっち。最近なつが好きな匂いのシャンプーに買えたんだよ?いい匂いしない?ねえ。可愛い?俺、可愛いよね?ねえ?なつが好きないるまの顔。ねえ。俺なつの顔好きだからこっちみて欲しいなー…。ぁ、俺なつの匂いも好きだよ?性格も好き。なつがくれる言葉全部好き」
必死すぎ。可愛いー……
これでもかと言うくらい媚びるこんないるま、今まで見たことがあっただろうか。
「なつなつなつなつ捨てないで…!!!!!!」
こんなに必死に俺にしがみつくいるまを今まで見たことがあっただろうか。
そのどれもが俺に刺さって思わずいるまを見る。
「ぁ…な、つ……」
「……次はねぇよ?」
「…っ!うん、うんうんうんうんわかった…!!まだ捨てねぇ?俺の事。捨てないよね?」
「おう」
“まだ”というかずっと捨てる気なんてないけど。
捨てられないと聞いてよほど安堵したのか、いるまの目からは涙が溢れている。
「泣くな」
「……よかった…よかった…っ」
小さく嗚咽を漏らすいるまの頭を撫でながら、でも、と口を開く。
「もっと躾がいるよな」
「ぇ……」
ぽつりと声を漏らしたいるまと目が合う。
……
何、
「その顔…笑」
「…っ」
「俺に躾られんのそんな好きなんだ笑 ずいぶんえろく育っちゃったね」
「躾」という単語を聞いたいるまは、頬を紅潮させて嬉しそうに体を揺らしてこちらを見ていた。
「……えろい従順ぺっと、好きだろ?♡」
「…うん、だーいすき笑」
そう言いながら、いるまにつけられた首輪の内側に指をぐぐ…っと入れて喉仏を撫でる。
より一層首が締まるのか、少し苦しそうな声を出した。
でもそれは直ぐに快楽に変わっていくようで。
「〜〜~っ”♡♡♡」
「こーら。へこへこしねぇの。」
「ぁぃ…っ♡♡」
「はいじゃねぇだろ」
「…ゎꩢ”♡♡」
最近飼い始めたペット。
もう俺無しじゃ生きてけないみてぇ笑。
…………いや、お前なしじゃ生きてけないのは俺の方かもな。