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前回までのあらすじ
宇宙歴0079年、一年戦争末期、ア・バオア・クーでアムロとシャアの戦いの中、セイラの仲介で、突然出現したララアを含めて四人麻雀で決着をつけることになった。シャアが有利に進めていたが、アムロが透視能力に目覚め、反撃を開始する。遅ればせながらもシャアも同じ能力を得て勝負の行方が解らなくなるが、ガンパイを駆使したセイラの機転により、二人の勝負は引き分けとなった。
宇宙歴0081年、一年戦争終了後、サイド1に集まった4人は再び麻雀卓を囲んでいた。
シャア「私は帰ってきた。ララア・スンと共に、この戦いを終わらせに来た。」
アムロ「望むところだシャア。今度こそ決着をつけてやる。」
ララア「アムロ、あなたのことは好きです。でも、戦わなければならないのです。戦いの中で新しいニュータイプ能力が生まれるのなら、戦いは続けなければならないのです。あなたにはわかるはずです、アムロ。 」
セイラ「兄さん、これ以上、戦う必要があるの? 私はあなたの妹です。あなたの戦いを止めさせたい。」
シャア「男には、せねばならない戦いがあるのだ。解ってくれアルテイシア。」
アムロ「そうだ、今度こそ自分を信じて戦うんだ。」
シャア「諸君、この麻雀牌は、透視の利かないよう鉛を練り込んである特注品だ。勿論、傷のない新品だ。これでガンパイなしで正々堂々と戦える。」
アムロ「ならば、コンビ打ちも無しだな。」
シャア「無論だ。4人で真剣勝負だ。」
セイラ「それでトップ賞は何なの?」
シャア「私が勝てばアムロ君が馬になって私が乗る。そしてその姿をネット配信して、どちらがニュータイプとして優れているかを宇宙に示す。アムロ君が勝てば、その逆だ。」
アムロ「ニュータイプの道を切り開くことが、僕の使命だ、やってやる。」
セイラ「兄さん、もし私やララアさんが勝ったら、どうなるの?」
シャア「そんなことは、ありえんな。だが、そうであれば私とアムロ君が馬になる。鞭もつけてやろう。」
セイラ「私達が負けたら?」
シャア「同じく私とアムロ君が馬になろう。」
アムロ「なんだと!」
シャア「嫌かね?」
アムロ「ご褒美じゃないか 。やるに決まっている!」
ララア「うふふ、アムロ、私はあなたに乗るために生まれてきたのかもしれません。」
シャア「私では駄目なのか?」
ララア「大佐には、いつでも乗れるから。」
セイラ「ゴホン!!・・・では、始めましょう。」
ニュータイプ能力が発揮できない戦場で、ニュータイプとしての優劣を決めるという矛盾の中で4人の戦いが始まる。
シャア「ところでアルテイシア、聞きづらいのだが、その胸の膨らみは何なのだ?いつもより大きい気がするが・・・」
セイラ「最近、人の裸を覗き見るニュータイプの出羽亀が出没しているので、その対策です。ミノフスキー繊維を組み込んだエアーブラでララアさんにも着てもらってます。」
アムロ「許せないな。デバカメとかいう奴。」
セイラ「そうねアムロ、気を付けてね。」
シャア「・・・本当に気を付けたまえ、アムロ君」
アムロ「?」
ニュータイプ能力をほぼ封殺された4人の麻雀は、大きな波乱もなく淡々と局が進む。
遂に最終局、四人の得点差は1000点以内となり、誰かが和了すれば、それがトップになる状況となった。
オーラス10順目、親であるシャアが立直のみではあるが両面待ちで聴牌した。
シャア「これで決めさせてもらおう。立直だ。」
カンチャン待ちでヤミテンしていた下家のララアが微笑む。
ララア「うふふ、アムロとお馬さんごっこが楽しみです。立直です。」
運よく一向聴から聴牌したアムロが追撃する。
アムロ「これで、めくり合いの勝負だ。立直!」
静かに三人の様子を伺っていたセイラは、山から自模ってきた牌を覗き込み、美しい顔に怪しい笑みを浮かべた。
「⑧筒カン。」
「「「なに!」」」
セイラの暗槓に三人の脳裏に前回の悪夢が蘇る。
カンドラを捲るシャアの指先が震える。
シャア「⑦筒だ。」
アムロ「ドラ四だって! 満貫確定じゃないか。」
山から嶺上牌を自摸ったセイラは笑いを抑えられなかった。
「ふふ、1索カン。」
アムロ「また・・・またですか。」
嫌な予感しかしないシャアは、再びカンドラを捲った。
シャア「9索・・・」
ララアは、思わず両手で口を覆った。
ララア「ドラ8。倍満確定・・・」
シャア「オーバーキルにも程があるな。」
アムロ「シャア、キシリアがあの世で怒っていると思うぞ。」
2枚目の嶺上牌を自摸って聴牌し、有頂天になったセイラは、安全牌として持っていた3枚切れの「東」を切って声高らかに宣言した。
セイラ「立直!!」
「「「え?」」」
セイラ「え?・・・あっ」
四人立直で場が流れ、僅差でトップであったララアが勝利した。
後日、宇宙ネットワークシステムSORAネットで配信された動画には、ジオン軍のマスクを被った若い金髪の女性が、恍惚とした天然パーマの男性の背中に跨っている姿と赤い服を着たサングラスの男性が、四つん這いになっている姿が映っていた。この動画は、何故か乗馬用の鞭が、空中でフラフラと舞っていることから、質の悪いAI生成動画であると判定された。