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「ねえ明子首縊り峠って知ってる?」誠は運転しながら質問する。
「連続殺人事件が起きた例の峠でしょ嫌ぁそこ行く気?」気だるそうに明子は問いただす。
「まさかでも今日泊まるホテルがその近くにあるらしいよ。」と誠は飄々とした表情で答えた。
「幽霊ってエッチな事から逃げるらしいのよ。」
「迷信だろエッチな幽霊だっているよ。」駐車場に入り車から降りる。
ホテルに入りチェックインする。
「ちゃんと持ってきた?」
「お前を妊婦にさせるつもりはないよ。」2人は部屋に入り荷物を置く。
「線香の匂いがするわ。」
明子が顔を顰めていると額縁がドンと落ちてきた。
「付け方雑いなぁ。」誠はため息つきながら直す。
「変えようよ部屋。」
「気のせいだよ明子。」
ほっと安堵して眠りにつく。
明子が寝ている間に気になったので額縁の裏を見るとびっしりと札が貼ってあった。
「何事も起きませんように。」
明子を起こさないように小声で呟いて去る。
「ふあー先にシャワー浴びるね。」
「うん。」明子が風呂場へ向かうのを見守って疲れたのか誠も眠りについた。
「キャー!」浴室から悲鳴が聞こえたので見に行くとシャワーから無数の髪の毛が出てくる。
「明子の言う通りだ変えよ。」
「だから言ったでしょ。」
フロントで事情を言い部屋を変えてもらう。
「最初から私の言う通りにしていればあんな事には。」
「悪かったよ今度サービスするからさ。」誠は頭を下げる。
「首縊り峠の伝説がホントならここやばいよ。」明子の警鐘に困惑する。
「あれは噂だよ俺が居るじゃないか明子ビビらないで。」
「誠…信じて良いのね。」震える明子を庇うよう抱く。
「当然でしょ何年居るのよ。」
「誠が変な事言うからじゃん落ち着いたから大丈夫。」誠は体を離して「何も起きないからけどあの部屋で…。」と言葉を濁す。
「私は異変に気づいたのは入ってすぐよ今はその話はいいわお腹空いたし行こうか。」2人は気晴らしに1階のファミレスへ向かう。
「明日資料館へ行こう。」
「そうね深追いは勧めないけど。」神妙な顔持ちでいるとエレベーターが停電し止まった。
「開けてー!」
「このホテル呪われてるのか?」暗がりでもがいていると2人はぶつかり合い誠は明子の上に乗ってしまう。
「誠こんな時に。」
「悪い暗くて。」吊り橋効果なのか互いの鼓動がドクドクと聞こえる。
「誰も見てないから明子…。」
「電気がつく前に済ませて。」2人は軽くキスをして電気を探していると灯りがつきエレベーターが動いた。
「今の一体…。」
「考えるのやめましょう。」エレベーターを降りて1階に着くと青白い店員が「いらっしゃいませ。」と出てきた。
「2人です…。」
「2名様ですねこちらの席へどうぞ。」2人は案内され4番テーブルに座る。
「4って。」
「死って事?」良からぬ事を考えていると青白い店員が「ご名答ですお客様。」と不気味な笑みを浮かべると「うっ…。」誠が急に苦しみ出し倒れる。
「誠!」
「ふふようこそ黄泉へあなた方が7人目です。」明子は信じられないのかワナワナと怒りが込上がる。
「誠に何したの!」
「首縊り峠の伝説を知ってる以上彼氏さんの命を頂きました。」店員は誠をマグマに突き落とす。
「この悪魔!」
「気丈なお嬢様ですね首縊り峠の伝説を口にすると災いがあるとご存知ないのですねふふ。」明子は恋人を奪われた憎しみで店員を落ちてた石で頭を殴る。
「誠を返して。」
「己…どこでこの石を…。」
その石は神々しく光っている。
「成敗致す誠を返して。」店員の頭は変形しみるみる体が灰になり消えていく。
「このアマ…。」
「誠ー!」明子がマグマに飛び込むと人鳥の姿に変わり誠を助ける。
「明子…?」
「もうすぐこの世だから頑張って。」
黄泉の世界を抜け出し誠を車に押し込んで走り出す。
家に着くとベッドに乗せて手を握る。
「ここは。」
「私の自宅寝てろ。」誠はにっこり笑って目を閉じた。
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