テラーノベル
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穂葉「ほぉ? カナ…ブン……?」
タマ「それは……、あれ? 虫かごに入れて?」
幸ちゃん「いやいや、リードつけて」
モッチー「いやちょっと待って?」
穂葉「カナブン用の……、リード……?」
タマ「そんなのあるの!?」
幸ちゃん「そりゃあるよ、普通に。なに言ってんだよ?」
モッチー「確認だけど、そのカナブンって、大きさはどのくらい?」
幸ちゃん「え? 小型だから、こんくらい?」
穂葉「カナ……ブン……?」
幸ちゃん「?」
モッチー「……とにかく、生き物は大切にって話?まとめると」
穂葉「あ、うん。 ですね!」
タマ「うんうん!」
穂葉「はい。 ではでは、続いてのお便りを」
モッチー「うん」
幸ちゃん「可愛いんだぜ? カナブン」
モッチー「うん……」
穂葉「お便りをくれたのは、《箱庭邸の住人》さんですね。 ありがとうございます!」
『高羽市に引っ越そうかと考えています。 そこで、暮らしの便などはいかがなものでしょう? あと、子育てに関しては?』
穂葉「これはねぇ。 実際に住んでもらわないことには」
モッチー「住めば都っていうしね? 実際に住まないことには、町の素晴らしさは分からないんじゃないかな」
タマ「雨はあんまり降らないよね?」
穂葉「うん。近くに山があるからね? 雲が流れてこないんですよ」
幸ちゃん「いい町だよなー。海があって、山があって」
穂葉「ね?」
モッチー「交通・教育機関も整ってるし、スーパーも多いし。 あと、史跡なんかもな? わりと方々に残ってるし」
穂葉「あ、でも!」
タマ「ほい?」
穂葉「“どこかのんびり”っていうのが、最大の売りじゃないです?」
モッチー「たしかに」
タマ「うんうん!」
幸ちゃん「けどなぁ? 俺はやっぱ、都会に憧れるわ」
穂葉「ほー?」
タマ「男の子ってそうだよね? なんでかな?」
モッチー「なぁ?」
幸ちゃん「男ってのはなぁ、生まれた時からロックンローラーなんだなぁ」
モッチー「へぇ?」
幸ちゃん「都会の光に引き寄せられる!」
タマ「でも、絶対に許さないって言ってたよ? 一人暮らし。 お姉ちゃんが」
幸ちゃん「え……?」
モッチー「うん。言ってた」
タマ「なんかね? 老後のことまで考えてるって!」
幸ちゃん「は? 俺の?」
タマ「うん」
モッチー「いいお姉さんを持ったなー?」
幸ちゃん「めっちゃレールの上じゃねえか! なんでだよ!?」
穂葉「あー……。 はい! どんどん参りましょう。 続いてのお便りは、《満月アヒル》さんから頂きました。 ありがとうございます!」
『三人は幼なじみなんだよね? 私にも、小さい頃から付き合ってる人がいるんだけど、いい仲を保つ秘訣みたいなのはあるのかな?』
モッチー「秘訣なぁ?」
タマ「あんまり考えたことないね?」
幸ちゃん「うん。 つーか、あれじゃん?」
穂葉「ほい?」
幸ちゃん「ほら、こうすりゃ良いとかさ? いまの仲を保つのに。 そんなのいちいち考えて付き合うのは、本当のツレとは言えないんじゃねーえ?」
穂葉「おー……!」
タマ「わりとマトモなこと言ってるよ!? あの幸介が! あの幸介が!! 本当に幸介なの!?」
モッチー「あ。 本名……」
タマ「あ! 幸ちゃん! 幸ちゃんが、真面なこと言った!」
幸ちゃん「だろ? 俺も成長してるんだなぁ。 ちゃんと」
タマ「……あんまり背ぇ伸びてないけどね?」
幸ちゃん「あ? 身長? 身長の話する?」
モッチー「あー……」
タマ「うぁ、怒った! ちびっ子ギャングが怒ったよ!?」
幸ちゃん「んだよ、ちびっ子ギャングって?」
モッチー「ちょっとカッコイいとか思ってるんだろ?それ」
幸ちゃん「ちょっとだけ」
タマ「ねー!」
穂葉「なんていうか、バランスは良いですよね? この三人は」
モッチー「バランスなぁ? まぁ、良いほうなのかなー?」
穂葉「うん! 三人四脚とかやったらスゴそうです!」
タマ「なにそれ!? おもしろそう!」
幸ちゃん「今度やってみようぜ。 どんな感じか」
モッチー「え? ホントに?」
穂葉「楽しそう! お弁当持って応援に行きますね?」
モッチー「え? そういうイベント? イベントにするつもり?」
穂葉「うん! 大々的にやれば、地域振興になるかなって」
モッチー「おー? 考えてるねぇ」
タマ「運動会だね!」
幸ちゃん「いいじゃん! 絶対やろうぜ!」
モッチー「主催は? やっぱり市? それとも──」
穂葉「望月さんです!」
モッチー「え? 私? あ、ていうか本名……」
穂葉「あ……」
モッチー「や。いいけどさ? いいけど、いいの? 主催なんてやらせてもらって。 私が」
穂葉「うん! 適役ですよ」
モッチー「そっかー……」
幸ちゃん「なぁ、ちなみに三人四脚ってどんなだっけ?」
タマ「え? こう、肩組んで。 脚結んで」
幸ちゃん「あぁ、あれな! 分かった分かった」
穂葉「ではでは。 詳しい話はまた後日にするとして。 どんどん行きますよ! お便りをくれたのは、《ホタテ丼の中身》さんですね。 ありがとうございます!」
『今年の梅雨は長引きそうです。 そこで、雨でも楽しめる遊びってないですか?』
穂葉「雨でも楽しめる……。 やっぱり、ぬいぐるみです?」
タマ「おぉ! さすが穂葉! 新しいの買った?」
穂葉「うん、トマトの王様!」
タマ「トメィトゥ! 見せて見せて!」
穂葉「うん!いいよー?」
モッチー「あ、おいって!」
タマ「じゃ、ちょっと見せてもらってくるねー! 穂葉の部屋で」
モッチー「や。 まだ途中……」
タマ「行ってきまー!」
幸ちゃん「あー……」
モッチー「ホント、思い立ったら突っ走るよな? タマエレーヌは。 やっぱり、ほのっちの影響かなぁ?」
幸ちゃん「あ。 つーかお前、名前出してんじゃん!」
モッチー「や。 珠衣って言ってないからセーフでしょ?」
幸ちゃん「セーフじゃねーじゃん!」
モッチー「あ……」
幸ちゃん「バッチリ言ってんじゃねーか……」
モッチー「シクッた……」
幸ちゃん「それはそうと、どうする?」
モッチー「おん?」
幸ちゃん「や。 この、質問コーナー。 俺らだけで続ける?」
モッチー「そうするしか無いんじゃない? なかなか帰ってこないと思うし。ほのっちとタマちゃん。 リビング(ここ)へは」
幸ちゃん「そういや史さんは?」
モッチー「なんか、またアイスの買い出しに行ってるって」
幸ちゃん「おー? いいね! なにアイス? なんのアイス買ってくるかな?」
モッチー「なぁ? やっぱりバニラじゃない?」
幸ちゃん「いやいや! そこはチョコレートでしょ、やっぱ」
モッチー「ほぉ? 賭けるかね?」
幸ちゃん「お? なに賭けるよ?」
モッチー「そうなー? 考えとく。 あんまり重いものじゃなくていいでしょ?」
幸ちゃん「おう、200円以内!」
モッチー「ん。 了解」
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