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翌日 18時48分 杯戸港
「赤井さん…。本当に杯戸港で合ってるの?」
「あそこって、よく組織が情報のやり取りをしてるって言ってた場所でしょ?」
「まさか安室さん…本当に死のうなんて、思ってないよね!?」
「もちろん。俺の保証だけじゃ…不安かな?」
「ここから杯戸港を見ていればじきに分かる。そのメガネは、何ヤード先まで見れるんだ?」
「結構遠くまで見れるよ…博士の発明品だもん!」
コナンと赤井は、杯戸港の隣の湾を挟んだ向かいの埠頭にいた。
「では左から2番目の倉庫のシャッターに書かれている文字は何か分かるかな?」
ピピピピ…
犯人追跡メガネをズームする。
「2-B…でしょ?」
「正解だ。見えるのなら、ここで待っていた方が賢明だ…。」
ーーーーーー
19時。淡い水色のレクサスが倉庫の前に停まった。
「赤井さん、あの車?」
「ああ、恐らく…」
「安室さんは?」
「今車が停まった倉庫の裏だ。」
「やっとお出ましだな。」
ーーーーーー
バタンッ
バーボンは、スコッチが来た気配を感じ、車から降りて表に向かう。
「ゼロ…」
「やっぱりヒロだから…色々察知しているとは思ってたよ…。」
「僕さ。」
「ヒロに殺されたい。」
「だから、今持ってる拳銃で僕を撃ってよ。」
「ゼロ?急にどうしたの?」
「昨日、僕が隠したヒロの拳銃。きっとヒロは起きた時、拳銃が無いことに気付いたよね?」
「持ってるでしょ?」
「ああ。ここにバッチリあるよ。」
カチャ…
スコッチは、バーボンの心臓に標準を合わせる。
「ヒロは、死ぬまでヒロだよな?」
「もちろん。」
「じゃあ、俺の為に…死んでくれる?」
「は?何言ってんだよ。」
「これは俺の推理だ。スコッチは自分がNOCだとバレた時、俺のことを守るために自ら死を選び、自分の心臓を撃ち抜いた。」
「赤井はNOCだとバレて自殺した事を隠すために殺したと嘘をついていただけ。」
「フッ。やっぱりそういう奴なんだな。スコッチは…。」
カチャ…
バーボンは、スコッチに向けて拳銃を構える。
カチッ
グリップを握り、ロックを解除する。
「ラムからスコッチの情報を聞いただけでも、随分組織に似合わない人間だなと思ったよ。」
「音楽が好きで、料理が得意で…。小さい頃からの何でも話せる友達がいて。それに礼儀正しい…。」
「俺も、生まれ変わったらスコッチみたいな人間に、なれるかな?」
「泣きそうなのに涙が出ないよ。」
「ごめんなバーボン。君の事騙すようなマネして。 俺の本当の役目は、バーボンを殺す事だったんだ。」
「でも気が変わった。」
「バーボンは、こんな組織に…飲み込まれるなよ。」
「ありがとう。バイバイ、零…。」
スコッチは自分の心臓の前に拳銃を構え、トリガーを引いた。
ダンッ!!
ドサッ…
スコッチが床に倒れる。
「うっ…。」
「ヒロがやった事も…こういう事だったんだろ…?」
「俺を守ろうとして…俺の足音で…。」
「最初の言葉は、俺の本心だ。早くみんなの所に、行きたいよ…。」
ーーーーーー
「おはようございます、管理官。」
「おはよう。何か進展はあるか?」
「はっ、今のところはありません。」
「本当だろうな?」
「はい。ございません。」