テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「ロウ」
「はいボス」
「今日またアイツが家に来る」
「‥‥はい」
「お前は奏斗から目を離すなよ」
「無論」
どうしてもあの人はあの土地を手に入れたいらしい
まぁ、それはそうだ
彼のしたい事がそこで出来たら数十億どころの話では無い
でもその話もとっくの昔に付けているはずだが‥‥
あまりのしつこさにボスも辟易していた
夜になると奏斗さんの叔父はいつもの怪しい雰囲気を纏いながらやって来た
ボスと話し合っている間、奏斗さんも同席していた為俺も後ろに控えている
その話し合いはどこまでいっても平行線
その間も俺は叔父から目を離さず、何をされてもいいよう身構えていた
だが今日の話し合いを終え、叔父は酒の入ったグラスをテーブルに置くと最後にもう一杯貰って帰ると言い出した
叔父はボスにももう一杯を勧めたが、ボスは軽く遇らい部屋を出る
その手に残されたグラスを叔父は俺に勧めて来た
「いえ俺はまだ勤務中ですので」
「良いだろ?お前と飲みたいと思ってたんだ」
「‥‥‥‥」
俺は仕方なくそのグラスに手を伸ばした
でもそのグラスは俺の目の前から消えた
奏斗さんが取っていったから‥‥
「俺が貰っても良いでしょ?」
「あぁ、勿論だ」
なんかおかしい
いや、いつもの事か?
この人‥‥やはり苦手だ
奏斗さんは一気にその酒を煽った
そして空になったグラスを叔父に向ける
「ほら、飲みましたよ。叔父貴も結構飲んでたから早く帰って‥‥‥‥」
言いかけた奏斗さんの手からグラスが落ちる
俺は急いで奏斗さんの身体を抱き止めた
「奏斗さん⁈」
「っ‥‥‥‥」
「どうした?奏斗」
そう言った叔父に俺は視線を向けようとした
それより早く俺のこめかみに冷たいものが当たる
これは‥‥銃口
「奏斗?話せないのか?このままだとお前の執事が死んでしまうよ?」
「‥‥‥‥っ」
チラッと奏斗さんを見ると、その視線はしっかり俺を捉えている
意識が無くなるような事じゃ無いのか?
さっきの酒に薬を仕込まれた
そんな素振り見えなかったのに‥‥
「体から力は抜けるが、意識は保たれる。どうだ?これをこれから売ろうと思ってるんだが。教えてくれよ奏斗‥‥あ、話せないのか」
「何がしたいんですか?あなたは」
「ロウ‥‥俺はな?お前達をいつか連れて帰りたかったんだ。でもお前のパパが俺の機嫌を損ねたからここでお前達を俺のものにして連れて帰る事にしたよ。どんな形でもな」
「どんな形でも‥‥?」
「そう‥‥どんな形でも」
そう言うと銃口が俺から外され、それは奏斗さんを捉えた
「ロウ‥‥お前は賢いだろ?こっちに来い」
「‥‥‥‥」
「ん?どうした?早くしろ」
叔父の銃にはサイレンサーが付いている
たとえここで使われても広い屋敷の中、誰かに聞かれることは無さそうだ
でも俺の銃を抜ければ‥‥
痺れを切らした叔父が俺の髪の毛を鷲掴みにして上を向かせた
「焦らされるのは悪くないが、今日は違う。さっさと服を脱げ」
「‥‥‥‥」
俺は髪を掴まれたまま服に手を掛ける
奏斗さんの目が見開かれるのが分かった
俺はスーツのジャケットを脱ぎ、ベルトに手を掛ける
そしてその奥にしまう銃に手をかけ、トリガーに指を掛ける
もうチャンバーに弾は送ってあった
だが俺が銃口を向けるよりも先に相手の銃口から弾が発射された
「‥‥!!」
「そう来ると思った。大人しく銃を向こうに投げるんだ。さもないと今度は奏斗の頭に穴が開くぞ」
「‥‥っ‥‥っ!」
床には血が飛び散っている
奏斗さんの血だ
肩を銃弾が抜け、服が赤く染まる
「立て」
俺は大人しく立ち上がり、その手にした銃を奏斗さんの頭の向こうに投げた
「お前からキスしてくれるんだろ?」
勿論なんだってやってやる
奏斗さんのためならば‥‥
.
コメント
3件