テラーノベル
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鈍色の皮のソファーに脚を広げ座る叔父の元に歩き出す
叔父の手には奏斗さんに向けられた銃
その銃を俺に向けることは簡単だ
でも奏斗さんへ向けられているとなると話は違う
俺だけが撃たれて終わりならそれで良い
でも俺を殺した後必ず奏斗さんをやるだろう
きっと自分の家に連れて帰ると言った事だって本当だろう
俺達を剥製にでもするつもりなのか?
俺はチラッと奏斗さんを見た
今‥‥手が動いたよな?
それなら‥‥
叔父の前まで行き、ソファーに座る叔父の脚の間に膝を着き肩に手を置いた
そして叔父の後ろで手を回すと俺の腕で視界を遮る
「どうした急に?俺の所に来る気になったのか?」
「そうです‥‥って言ったら信じますか?」
「そうだな、お前の態度次第かもな」
「キスだけで良いんですか?」
「そんな訳ないだろ?」
叔父の間で膝立ちしてる脚を奥へくっ付ける
身体を密着させ、じっと叔父の瞳を見た
まだだ
今じゃない
叔父が片方の空いた手で俺の服の中を触り出す
俺は目を閉じ深く息を吸う
我慢だ
もう少し‥‥
「ロウはこういう事が好きか?」
「‥‥‥‥どちらかと言えば」
「ははっ、言うじゃないか。じゃあ俺が‥‥」
叔父の銃口が外れ、俺の腰を掴んだ
今だ!
俺は体をサッと叔父の上から避ける
俺の体が目の前から消えた叔父は、銃を構えた奏斗さんとご対面していた
「‥‥っ」
「‥‥!」
奏斗さんが引き金を引いた
だがその弾は急所を外し、腕に当たる
その腕で叔父がまた銃口を奏斗さんに向けた
俺は身を低くして奏斗さんから銃を奪い、叔父に向けてそれを引いた
俺が撃った弾は確実に叔父の急所を捉える
その時叔父から弾丸が飛んできた
俺は咄嗟に奏斗さんの身体を抱きしめた
硝煙の匂い
奏斗さんが俺を抱きしめる
良かった
無事だ
奏斗さんは‥‥
「‥‥ロウ?」
「‥‥初弾で決めろよ‥‥馬鹿」
「まだ薬が残ってんだよ、こっちは」
「もっと練習しとけ」
「分かったよ。終わったんだから良いだろ」
奏斗さんが立ちあがろうとしてる
俺も奏斗さんに掴まり、足に力を入れた
「なんだよ。お前も怖かったんじゃないの?震えてるけど」
「そうかもな」
「親父に言わなきゃな」
「あぁ、そうだな。先に行って来てくれ」
「お前は?」
「俺はここに居る」
「でももう死んでるだろ?」
「俺がヘマをする訳ないだろ」
「じゃあ行ってくるわ」
そう言って奏斗さんは俺の背中を前から撫でた
「‥‥‥‥え?」
「‥‥‥‥」
奏斗さんが俺の背中に触れると俺の脚はゆっくりと崩れ落ちた
床に頭が付く前に奏斗さんが俺を抱き止める
「ロ‥‥ロウ!」
「‥‥っ‥‥」
「ロウ!‥‥おい!ロウ‼︎」
「そんなに‥‥騒ぐな‥‥」
奏斗さんが自分の手に付いた血を見てまた俺を見てる
「掠っただけ‥‥だから‥‥」
「掠ったって‥‥こんな‥‥」
「大丈夫‥‥だから」
泣きそうな顔
そんな顔しないで欲しい
これからボスになる人がこんなに優しくてどうするんだ?
まったく
俺がいなくなったらどうするんだよ
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