今オレ達は、えむのお兄さん、晶介さんが運転する車に乗っている。 ふと「海に行きたい」と思い三人を誘ってみると、なんと全員集まってしまった。誘ったの当日の朝だぞ?どんだけ暇なんだコイツら、と誘った張本人が思ってしまうほ ど、みんな快諾してくれた。忙しいはずの晶介さんも「お前らには世話になってるからな」と喜んで車を出してくれた。
肌が焼けるように暑い夏の日差し。浮かれて持ってきたサングラスが役に立つこと、あったんだな…と思うほどに暑い。
「…ねえ、いつまでここにいるつもり? 」
そうだぞ。オレだって早く海に飛び込みたいんだから。──
「…そんなに荷物いるか?」
「いるよ!海でしかできない実験もあるんだし─」
「いや、海で実験するんじゃない!!?」
そんなに実験したいなら自分で海でも作ってろ、と思ったが、後々聞くと「実験」というのはただの体力測定だった。全く、言い方がいちいち紛らわしい… …。
………って、せっかくの休日なんだから少しは休ませろ!!!!
「各自着替え終わったらここに集合だ!」
「はーい!」
「…では、僕達も行こうか」
「嗚呼!──」
この海は更衣室が設置されているから、オレ達は男性用の更衣室に──
「……む、」
男性用更衣室って……男の人、たくさんいるよな。
行きたく、ないなあ
「…すまない、類。オレはトイレで着替えてくる」
「あれ、どうしてだい?」
「更衣室、混んでいるんじゃないかと思ってな。この時間帯なら尚更。 」
別に、トイレくらいならもう慣れた。少し申し訳ないが、多目的トイレを使わせてもらえば─
「たしかにね。更衣室は暑いだろうから熱中症の恐れもあるだろうし 」
「ふふん、賢いだろう!!類も熱中症にはくれぐれも気をつけるんだぞ!」
「はーい」
なんて類は適当に返事をして、更衣室に入っていった。
…劇団の更衣室は大丈夫なんだ。みんな優しいし、知り合いが多いから。だがやはり、知らない男の人がたくさんいる場所は…慣れないな。
仕事柄、早く克服せねばならんというのに、オレはいつまでこの事を引きずってるんだ。 えむ達にも、いつか話さなければいけないときが来るんだから。
……でも、本当に話していいのだろうか?
オレの事を知って、距離を置かれたら?いらない心配をさせてしまったら?
もう二度と今の関係に戻れなくなったら?
…なんて、こんなこと考えてても仕方がないか。あいつらは優しいし、きっと受け入れてくれる。受け入れて─、今と変わらないまま、遠慮なんてせずにバカらしく接してくれる。
接してくれたら………良いなと思う。
コメント
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1話目がこれは神って決まってんだ……🤩🤩💞💞 それにしても何⁉️ツカサくんに一体何があったんですか⁉️類相手にも流れるように嘘をついて偽っているのイイですねー……🤩
エッもしかしてさアノ凄い好きなタイプの連載だったりする気がするてかもう既に好き😫🫵🥰🥰(早口) 母さん‼️今日の夕飯が豪華だ‼️‼️