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「!!危ねぇっ!!」
四季は逃げ遅れた鬼の親子を庇って桃の攻撃を受けた
そう、四季は今、練馬の応援要請の真っ只中
「…….?…何ともない?ラッキー!」
そうして、四季は攻撃した桃を倒した
ー30分後ー
練馬の拠点へ帰還した四季に、ある異変が起こっていた
人の頭上に、数字と文字が書いてあるのだ
そこには、”一ノ瀬四季で自慰行為をした回数”と書かれている
流石に四季も自慰行為については理解している
当然道行く人々のカウントはゼロだ
「んだこれ…どうやったら治んだよ…!」
取り敢えず、京夜の所へ向かった
ーーー
「チャラせー…ん…..」
「四季君!今日はどうしたの?」
疲れているのだろうか
目を擦り、もう一度頭上の数字を見る
ー98ー
どっからどう見てもそう見える
「…?四季君…?」
「っ〜〜///!!!」
四季は恥ずかしくなってその場から逃走してしまった
「えっ?!ちょっと四季君?!俺なんかした?!」
「何もねぇからああああああああぁぁぁ!!」
四季は叫びながら廊下を走って行ってしまった
「…行っちゃった…なんだったんだろ…?まぁ、にしてもー」
あの顔は当分オカズだね♪
ーーー
「はぁ…はぁ、…いや嘘だろぉ?!」
そう、この能力は思った以上に精神的ダメージがデカい
それも、”コイツは絶対有り得ないだろ”と思った人なら尚更
「チャラ先が俺でヌいっ…///?いやいや、考えられん!」
次に会う時どんな顔して合えばいいのか、おつむが少々弱い四季には分からない
知らないフリをしてればいいものを
「とっ、取り敢えず、ムダ先はぜっっっってーねーだろ。いや、ない!!」
無いと確信し、四季は無陀野の所へ向かった
ーーー
(…居た…!)
頭上の数字を見ないように下を向きながら近づく
「四季…?どうした?」
「…っ!」
意を決して見たその数字はー
ー134ー
「はぁっ?!3桁っ?!?!」
「お前はさっきから何をしているんだ?」
「っ///ンでもねぇよっ!!!!じゃあなっ!!」
「…様子がおかしいな…」
ーーー
「…やべ、泣きたくなってきた」
有り得ないと思っていた人物が、またもや自分でヌいていた
「泣きそう…マジで次会う時どんな顔して合えばいいんだ…」
「お前…何1人でブツブツ言ってんだ…?キメェな」
「皇后崎っ!!」
うん、コイツは有り得ない
有り得ないんだ、絶対
ー100ー
「丁度かよっ!!!!!」
「…腹でもいてぇのか?」
「っ?!やめろ近付くなー!!」
四季は最早怖くなって逃げ出してしまった
「…なんだアイツ」
ーーー
「…もうやだ…」
四季は半ば諦めていた
そこで2人の人物が出てくる
真澄と馨だ
あの2人なら、絶対に無いんじゃないか?
四季はそう思った
だが、四季はバカだ
学習しない
今までそう思って全てハズレている事をー
ーーー
コンコン
隊長室の扉をノックする
「入れ」
四季は意を決して目を開けた
「っ?!」
ー58ー
「良かった…2桁だ…!ん?真澄隊長が2桁?」
エグい数字を見続けた所為で、四季は感覚が麻痺してしまっている
「…はぁっ?!真澄っ!!隊長がっっ!!2桁ぁっ?!あのっ?!真澄隊長がぁっ?!」
そもそも驚くべきはそこではない
あの真澄が四季で1回でもヌいていた事だろう
1回どころでは無いが
「…テメェはさっきから何言ってやがんだぁ?用がねぇならとっとと出てけ」
「はい出ていきます!!失礼しました!!」
四季はバビュンと踵を返し、隊長室を後にした
「…アイツ…洗ってみっか」
ーーー
「…え俺何者?」
四季は最早自分が恐ろしくなっていた
京夜は兎も角(?!)、あの無陀野や真澄でさえ、ヌかせてしまっている自分に
今更気付いたのかよ、とツッコミたくなっているそこの読者諸君
呑み込んでくれ
「…どうしよ…」
最早四季の味方は居ないと思った方がいいのかもしれない
…いや、まだ馨が残っている
本当の本当に、一縷の望みを賭けて馨の元へと向かった
「…!居た!馨さん!」
「…!四季君!どうしたの?」
「えっと、そうだんした…いことが…..」
ー62ー
「?良いよ。今空いてるから」
「すんませんやっぱなんでもないですっ!!」
「えっ?そう…?なら良いけど…」
「はいっ!!お時間頂戴して申し訳ありゃーせんっしたっ!」
ー希望は絶たれたー
「…残念」
ーーー
「…俺、そんな魅力ある?そんな男たらしだったん?」
最早ここまでくると、驚き超えて恐怖超えて一周まわって驚きだ
「…はぁ」
途方に暮れていると、ポコンとL〇NEの通知が来た
神門からだ
『四季君、今練馬に居るんだって?』
すかさず打ち返す
『怖っ!なんで知ってんだよ?!』
『四季君の事ならなんでも分かるよ。それよりさ、今僕も練馬来てるから久々に逢えない?』
『おおー!いいな!分かった!良いぜ!何時にする?つっても俺も予定が合ったらだけどな』
『土曜の午後に逢えないかな?』
『分かった!土曜なら空いてんぞ!』
『じゃあ決まりだね。楽しみにしてるね』
了解のスタンプを送り、L〇NEを閉じた
「…久しぶりだな」
神門とのやり取りで少し落ち着いた
土曜は明後日だ
明後日までこれ能力が消えてると良いんだが…
ー翌日ー
四季達は今日も今日とて練馬の救援要請だ
そう、救援要請自体は問題ないのだ
問題なのはー
(…ッ増えてるっ!!)
そう、無陀野の頭上を見てみるとー
ー142ー
昨日は134だったのが、142になっている
つまり、昨晩四季で8回オナったと言う事だ
つーか案の定能力消えてねーし
(勘違いじゃ、ねぇよな…///?…つか8回って!普通2回とかじゃねぇの?!絶倫かよっ!!…あれ…?…これ、俺近いうちに掘られんじゃね…?…無理だろ。入らん…ん?”入らん”?なんで、俺ムダ先に挿れられる前提で話してんだ…?………?…あれ、なんだこの気持ち)
そう、全くもってその通りである
彼は、もう直ぐ掘られる(未来予知)
「四季?」
無陀野は赤くなったり、青くなったりを繰り返し、百面相をしている教え子ーもとい、好きな子を怪しげに呼んだ
「ひっ?!やめろ近寄るなっー!!」
「っ」
四季は最早パニックになっていた
そして近寄るな宣言に若干傷付く無陀野
「落ち着け四季!」
それを宥めようとする皇后崎
だが、皇后崎の頭上にもー
ー104ー
今度は4回増えている
それを見た四季はー
「うわぁっ?!キリ良かったのに増やしてんじゃねーよっ!!」
と、訳の分からない事をほざく始末
「なになにどーしたのー?」
京夜の登場だ
ややこしくなるから出てこないでほしい
と、無陀野は思った(酷い)
一方四季は、頭上を見てこれまた驚きパニックになっている
ー102ー
今度も4回増えている
「チャラ先までっ?!ちょっ、待って!来ないでぇっ!!」
「えっ?!傷付くよっ?!四季君昨日から変だよ!やっぱ俺なんかした?!」
練馬の拠点の廊下で騒ぐ大人2人と高校生2人
騒がしいったらありゃしない
「チッ、テメェらうるせぇぞ!」
ー60ー
今度は2回
「ほっ…。…ん?”ほっ”?いやダメだっ!!増えてる時点で変わりないって!俺は騙せないぞっ!!」
「テメェ…なんか隠してやがんなぁ?」
「…うわあああっ?!近寄って来んなって!頼むからっ!!」
「四季君落ち着いて!」
馨が宥めるも、
ー65ー
昨日より、3回増えている
これが更に四季のパニックを引き起こした
もう全員敵に見えてしゃーない
「うわあああっ!血蝕解放っ!!銃葬神器っ!!」
「テメェ少しは落ち着けっ!!」
「四季!」
真澄のアッパーと、無陀野の鉄槌が同時に下った
ーーー
ぱち
「…ん…?」
「あ、気がついた?四季君!」
「チャラ先…?」
時計を見ると、あれから既に3時間は経過していたようだ
そして、3時間じゃあ流石に増えていないだろ…いないよな…?、と思い、京夜の頭上を見るとー
ー103ー
今度は1回だけ増えている
つまり、この3時間の間に、四季でオナったと言う事になる
「あばばばばっばばば」
「四季君?!落ち着いて?!」
ー間ー
「四季君、流石に様子が変だよ?何か隠してるんじゃない?」
「…おう、隠してっけど…」
京夜は内心驚いた
まさか素直に話してくるとは思わなかったからだ
「…けど…?」
「うん、隠してっけど、言うとチャラ先達が傷付くから言わない」
「…?」
俺達が傷付く様なことを、四季君は隠しているのだろうか?
「…でも、そんな重要?じゃねぇから大丈夫!どっちかっつーと、名誉?とか尊厳?に関わる事だから!」
「……?」
「っ分かんねぇよな…」
「やっぱ、正直に話してはくんない感じ?」
「…傷付かねぇって約束してくれるなら」
「分かったよ」
京夜は身構え、心して聞く体勢をとった
「実はっ、俺、」
「うん」
「チャラ先達がっ、」
「…うん」
「俺で…った回数見えちまってるんだっ!」
「…?ごめん、もう1回言ってくれる?」
「だから、俺で、…っォナった回数が見えてんだっ!」
「……聞き間違いかな…?…ごめん、もう1回だけ言ってくれる?」
「だからっ!俺でっ!!ヌいた回数見えてんのっ!!」
「………..はぁ?」
京夜は一瞬混乱したが、流石はどんな状況でも冷静に対応出来る精神力の持ち主だ
京夜は瞬時に理解した
嗚呼、だからこの子は赤くなっていたのか、と
だから、あんな不可解な言動をとっていたのか、と
だから、俺達が傷付くと言っていたのか、と
でも、願わくば聞き間違いであってほしかった
「………はぁ」
少し大きいため息を吐いてから、深呼吸して口を開いた
「…………………四季君」
「な、何?」
思ったよりも、低い声が出てしまっていたらしい
四季はビクッとし、少し後退りした
「それ、他に言ってないよね?」
「うん、言ってねぇけど…?」
「そっか、良かった」
きっと、自分以外の同期達がこれを知った日には、
ー世界が終わるー
そう、自分の同期には、四季への好意を墓場まで持って行こうとしてる奴しか居ない
故に、それを四季に知られてしまったら、
①猛アタックに走る
②それに便乗して他の奴も猛アタックする
③四季を手に入れようと抗争が起きる
④地球終わる☆
想像しただけで恐ろしや
「…あ、のさ、何とも思わねぇの…?」
「…まぁ、思うところはあるかな…ところで本当に見えてるの?」
「うん、…因みにチャラ先は103回って出てる」
「マジか〜…ねね、他にも四季君でヌいてる人居た?」
「……う、逢う人逢う人全員俺でヌいてた…恥ずかしいし、罪悪感でどうにかなっちまいそうだったよ…」
「え、逢う人逢う人?…例えば?」
京夜の悪い好奇心が出てしまった
正直恋敵を知っておきたいのもある
てか逢う人逢う人て
流石に男タラシにも程があるだろう
「えっと、…先ずは…ムダ先」
「ダノッチかぁー…まぁ、薄々勘づいてはいたけどさ〜…」
「…?何を?」
「いんや、なんでもないよ。それで?気になる回数は?」
「…っ最初は、134だった…のに」
「のに?」
つーか、134て
仮にも教師だろうが
「…142に、なってた」
「…はぁっ?!何それ?!一晩で8回もヌいた…ってコト?!」
とんでもなく下品なち〇かわの完成だ
やっぱ絶倫なのかと、あの鉄仮面の同期を頭の中で思い浮かべた(貴方も大概です)
「っ…次見た時っ、142になってた…!一晩でっ!134からっ!142にっ!」
「分かったから!落ち着いて四季君!」
ー間ー
大分落ち着いた様なので、質問を再開してみる
「で、次は?」
「うん、…皇后崎」
「あぁ〜…彼かぁ〜…うん、予想範囲内ってとこかな〜…」
「で、皇后崎の回数は最初100だったんだけど、…次の日104になってて、俺、つい”キリ良かったのに増やしてんじゃねーよっ!!”…とか言っちまった気がする…。何言ってんだ俺…!」
「うんうん、パニックになっちゃうのもしょうがないよねぇ」
「んで、俺誰か頼れる大人に相談したくて」
「うん」
それは無陀野が頼れない男と言っているのと同意義ではないか?と内心京夜は思ったが、面白そうなので黙っておくことにした(ブーメラン)
「そこで、真澄隊長と馨さんが出てきて、隊長室まで行ったんだけど…」
「うんうん」
あの2人なら頼れる大人と言われても納得だ
馨は兎も角、なんだかんだで真澄も四季に甘いのだ
「…っ真澄隊長も…俺で、ヌいててっ…!」
「………んぇ?」
驚きすぎて変な声が出てしまった
まさかあの同期も四季に惚れていたとは
…まさかと思い、部屋を見渡してみるが、奴はー
よし、居ないな
「居るわ馬ぁ鹿」
「うわあああっ?!まっすーーーっ?!」
「うるせぇ黙れ耳障りだ」
「酷い!」
「…え?ま、すみ隊長?なんでっ」
「”なんでここにいるのか”、か?」
「…聞いてた?」
「嗚呼、全てな」
「……っ!!!うわあああっ!!!」
「もうっ!まっすーっ!今の四季君刺激しないでよー!!」
「あぁ?刺激したつもりはねぇが?」
ー間ー
「…大丈夫?四季君」
「……う、うっぇえん…ぐす…」
四季はとうとう泣き出してしまった
無理もない
今まで居ないと思っていた人物に、全てやべぇことを聞かれてしまっていたのだから
羞恥で死ねる
「チッ、泣くんじゃねぇよ」
「っ、ひっく…うっ…っ」
真澄が四季の頭を軽くぽんぽんと撫でる
その姿を見て京夜は確信した
あぁ、こいつも恋敵だと
「…ます、み隊長っ…」
「なんだ」
「…っあ、りがとう…」
「ケッ」
「ごめんね、四季君。何も出来なくて」
「なん、で?…チャラ先、なんもわるくねぇじゃん」
「いやでも、自分が好きじゃない人が自分でヌいてるって、結構精神的にキツいと思うよ」
あーやばい
自分で言ってて辛くなってきた
四季君が好きな人は俺じゃないって、自分で言ってる様なもんじゃないか
頼むから肯定しないでくれ
「…?…おれ、べつにいやじゃねぇよ…?」
「…は?」
「…あぁ?」
?
珍しく、真澄の頭上にも?が見えた
「えっ、えっ?四季君、嫌じゃないってどういう…?」
「?…だから、べつにいやじゃねぇよ?そのまんまのいみ。おれ、さいしょはびっくりしてなきたくなったけど、だんだん…“あ、おれみんなのことそういういみで好きなんだな”ってなった…だから…おれはこの能力を通して好きな人たちにであえたんだ…」
「…はひぇ?」
「……あぁ?」
びっくら仰天
京夜は腰掛けてた椅子と共に、驚愕で後ろへと倒れた
真澄は僅かに目を見開き(変わりなし)、四季を凝視している
「っ?!チャラ先大丈夫?!」
「うん!大丈夫!俺は大丈夫だよ!!」
「…お前、俺達が好きなのか?」
「……うん///」
四季はもじもじして言った
こんなどんでん返し、あるだろうか
いや、ない
だが先程四季が言ったのは、好きな人”たち”だ
つまり、まだいる
好きな人が
「え、こほん、ええーっと四季君??好きな人たちって具体的には他に誰…?」
「えーっ、まず皇后崎だろ、神門にムダ先だろ、馨さんだろ、あと、印南さん前髪パイセン紫苑さんだろ。あと、チャラ先と真澄隊長っ!他にもいっぱい居るんだぜ!」
「……」
「……」
京夜と真澄は頭を抱えた
いや多すぎるだろ、と
いやしかし、今四季が挙げた名前は勿論、桃側も四季に堕ちている奴が沢山いる
つまり、全員相思相愛なのだ
いいのか、それで
何処ぞの26股の元教師を見習っていないかー
まぁその元教師も今では全員女を切って四季にゾッコンだが
つーか、とんでもビッチだ
惚れやすいにも程があるだろうが
京夜と真澄は心底心配になった
しかし、これはなんとしてでも四季のファーストキスと処女を頂かなければ
真澄と京夜は固く誓った
「え、えっと四季君?じゃあ俺達と付き合いたいって事でいい?」
「…うん///…改めて言われると恥ずかしいな…」
真澄は京夜に目線で話しかけた
『おい京夜、取り敢えずアイツらに先越される前にこいつの初めての彼氏っつー立場貰っとくぞ』
『もちのろんだよー!』
「一ノ瀬、取り敢えず俺らと付き合うぞ。一旦他の奴らは置いとけ」
「…うん」
ー四季に2人の彼氏が出来た!ー
「うわっ」
「どうしたの?」
「なんか、”四季に2人の彼氏が出来た!”って出てきた」
「…!…もしかして…四季君、これは俺の憶測なんだけどね。その能力の解除条件って、好きな人、もしくは自分でヌいた人と付き合う…とかだったりしないかな?」
「…んー?分かんねぇ…」
「そっか、まぁ要観察ってとこかな。ところでまっすーはあの桃の能力の解除条件聞き出した?」
「いや、まだだ。その拷問の合間を縫って来た。馨にやらせてっからもう終わったと思うぜ」
「え、仕事抜け出して来てたの?!早く戻んなよ!馨君可哀想だよ!」
「わァってるよ。じゃあなクソガキ。もうそれ以上他の奴を好きになんじゃねぇぞ」
真澄はそう言うと、片手をひらひらと振り、去っていった
「…さて、じゃあ四季君、まっすーにはバレちゃったけど他には言っちゃ駄目だよ?」
「おう、分かった」
「よし!話も聞けた事だし、もう部屋に戻っても大丈夫だよ!」
「はーい!ありがとな!チャラ…ダーリン!」
「ダっ…!ホンットに君は〜…!」
いひひ、とイタズラっ子の様に笑って、四季は去った
ー翌日ー
今日も案の定能力は消えていない
だが、今日は神門との約束の日だ
「えへへ、神門まだかなー♪」
四季はあのファミレスで待っていた
神門と最初に遊んだ時の、あのファミレスで
「四季君、お待たせ」
「おおー!神門!久しぶり…だ…….な…」
「?どうしたの?」
ー156ー
「…俺、掘られちゃう?」
「えっ?!急にどうしたの?!」
(…バ、バレてる…?!)
「……うん、置いとこう」
清々しい程の思考放棄だ
「にしてもよー!聞いてくれよ神門!」
彼は数々の経験で切り替えスピードがダンチになっている
「うん、何?」
(危ない…告白→付き合う→ホテル直行の流れバレたかと思ったー…)
あぁ、今の内に言っておこう
ご愁傷さま、四季の声
ご愁傷さま、四季の腰
ご愁傷さま、四季のケツ
ご愁傷さま、四季の処女
「俺、彼氏出来たんだっ!」
「…………………は?」
ビリビリ
肌がひりつく様なエグい殺気だ
「…っ神門?」
「ごめん、何でもないよ。で、何処の馬の骨?」
「馬の骨じゃねぇよ!俺の信頼出来る人たち!」
「”たち”?…複数人いるの?」
「おう!2人出来たぜ!因みにまだまだ増える予定!」
爆弾落とすわ、地雷踏み散らかすわ
神門、大激怒
だが、大激怒は束の間、すぐ様哀しみが襲ってきた
「……そっ…か」
「?何がっかりした様な顔してんだよ?神門?」
「いやだって、勝ち目ないじゃんそんなの…」
「……俺さ、今日お前に話したい事あってきたんだ」
「……何?慰めの言葉なら必要ないよ…?」
「えっと、…つ、付き合って、く、…ださい」
「…………………え?」
びっくら仰天
どんでん返し
神門の頭の中は???でいっぱいになった
神門は1度頭を整理するため、机に思い切り頭を打ち付けた
ゴンッ!!!!
鈍い音が店内に響く
「おい神門?!急にどうしたんだ?!」
「大丈夫!僕は大丈夫だよ!」
京夜も似たようなことを言っていた気がする
しかし、神門は大丈夫と言うけれど、額からは血が垂れている
「しっ、止血!止血しねぇと!!」
「大丈夫!本当に大丈夫だから!」
「いや、駄目だ!ハンカチあるから使ってくれ!」
「えぇっ?!そんな!汚れちゃう!」
「良いんだよ!こういう時のためにある様なもんだろ!いいから、黙ってされてろ!」
「は、はい」
(どうしよう…!ますます好きになってしまう…!)
ー間ー
「そんで、返事は…?」
「…」
きっと君は優しいから、誰にでも平等に愛をくれる
なら、みすみすこのチャンスを逃す訳にはいかない!
「…喜んで。これからよろしくね、四季君!」
「…!おう!…へへ…なんか、初めてのちゃんとした告白って恥ぃな…」
「……え…?僕が初めてなの…?」
「おう!ちゃんと告白したのはな!」
「~~~!!!」
(どうしよう!四季君の初めて奪っちゃった!)
「神門?」
「何でもないよ!これからよろしくね!」